丹下ジム
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「あしたのジョーの登場人物」の記事における「丹下ジム」の解説
矢吹 丈(やぶき じょう) 声 - あおい輝彦(アニメ版・ダイハツ タントカスタム他関連CMやパチスロ含む) / 富山敬(パイロットフィルム版) / 安原義人(ラジオドラマ版) / 牛崎敬子(『1』幼少時) 演 - 石橋正次(1970年実写映画版) / 山下智久(2011年実写映画版) 本作の主人公。長い前髪と、引き締まった身体が特徴。擦り切れたベージュのコートと、赤い(オレンジにも見える)ハンチング帽をいつも身につけている。ケンカ屋。生まれてからずっと施設で育った。しかし施設の退屈な暮らしに嫌気がさし脱走を繰り返し、やがて物語の舞台であるドヤ街にフラリと現れた。その際丹下段平と出会い、ジョーの天性の拳闘の才能を見抜かれボクシングの道を勧められたが乗り気ではなく、相変わらずの非行を続ける。ドヤ街で詐欺行為を行い逮捕、特等少年院に送られた後も度々問題行為を起こすが、ある日、プロボクサーであり、後に宿命のライバルとなる力石徹に打ちのめされる。初めて喧嘩で叩きのめされたジョーは「打倒力石」に夢中となり、ドヤ街で出会った段平指導の下、ボクシングを始めることになる。刑期を終えた後は段平と共にプロボクサーとしての道を歩み、多くのライバル達と拳を交えていく。 粗野でケンカっ早く素直では無い性格だが、時折明るくお調子者の一面ものぞかせる。不遇な生い立ちからか、夢も目標もなく気ままに暴れるだけの孤独な不良少年だったが、初めは打倒力石の手段でしかなかったボクシングに次第に魅入られていき、後に人間的にも成長をみせた。女心に鈍感で細やかな人付き合いは苦手だが、本質的には義理堅く弱者に優しい人柄である。しかし心の中に野獣のような荒々しい、恐ろしい一面が住んでいるのは事実で、丈と付き合いの長い人でも、その野獣の一面を感じて離れていってしまう悲劇も経験している。力石徹をテンプルへ一撃をくらわせたことも死因となった理由から、一時期テンプルを打てない状態(イップス)になっていた時期があったが、のちに克服。身体の成長による減量苦も同じく減量に苦しんだ力石への思いを武器に乗り越えた。 階級はバンタム級。少年院時代、テクニックで圧倒的に上の力石に対抗するために段平に叩き込まれた、「両手ぶらり」(ノーガード)で相手の攻撃を誘ってから一打必倒の威力を誇るクロスカウンターを叩き込む戦法をプロデビュー当初も盛んに使用していた。並外れた強打と不屈の闘志で何度でも立ち上がる驚異的な打たれ強さに天性の勘、野性の本能を持ちクロスカウンターにさらにカウンターを合わせるダブルクロス、さらにそこにカウンターを合わせるトリプルクロスを使うなど技術力も高い。力石戦以降はガードの技術も向上した。対ホセ戦ではホセの使うコークスクリューパンチを無意識のうちに打ってしまうなどボクシングセンスもずば抜けている。元々、ボクシングに詳しくなく、刑務所での拳闘も特殊なルールばかりであったことから、ボクシングの常識やルールを全く理解していなかったが、反則にならない奇策を編み出してハリマオに一矢むくいたり、ホセ戦ではダメージで自分は片目が見えなかったが、ケガの功名で、自分でもどこに飛ぶか分からないパンチで、完璧な隙の無さをみせるホセにパンチを当て、さらには小技を使って自分は打たれ強いとアピールをしていたホセの心理トリックを見破り、実際には打たれ弱いのを見抜くなど、頭脳的な面もみせるようになる。最終的なボクシングキャリアは東洋太平洋チャンピオン(2度防衛)、WBC世界ランキング4位(アニメではWBA・WBCの1位のレオン・スマイリーにも勝利している)。 丹下 段平(たんげ だんぺい) 声 - 藤岡重慶(アニメ版) / 青野武(ボクシングマニア版) / 名古屋章(パイロットフィルム版) / 斉藤晴彦(ラジオドラマ版) / 渡部猛(ゲーム『まっ白に燃え尽きろ!』、闘打 ~タイピング泪橋~) / 山口智充(パチスロ版) / いずみ尚(パチスロ『2』) / 佐橋大輔(ガンリキ)(キリンビバレッジ メッツコーラCM、ダイハツ タントカスタムCM、“矢吹丈 対 力石徹”完全実況中継)、JT「スーシャルディスタンス」キャンペーンWeb CM『あしたの喫煙所』/ 山崎弘也(ブラザー工業 PRIVIO CM) 演 - 辰巳柳太郎(1970年実写映画版) / 香川照之(2011年実写映画版) 坊主頭に黒の眼帯、顔や頭に古傷がある出っ歯の中年男。通称「拳キチ」(「拳闘キチガイ」の略。再放送では差別用語として音声が消される場合も)。いつも腹巻をつけ、杖をついて歩いている。 かつては日本タイトルに挑戦するほどの強豪プロボクサーであったが、左目の怪我が元でタイトルマッチを直前にしながら引退。極西拳闘クラブというジムの会長に就任するも、所属選手との衝突などの理由から経営は軌道に乗らず、巨額の負債を抱えて解散に追い込まれる。その後はなかば自暴自棄になり、ドヤ街でわずかな日銭を稼いでは酒に溺れる荒れた生活を送っていた。 偶然に出逢った丈の天性のパンチ力に惚れ込んだ段平は、彼を一流のボクサーに育てることを決意。ジム再建のために酒をやめ、昼夜を問わず働き始める。自分の誘いに乗らないまま少年院に連行された丈に「あしたのために」から始まる手紙による通信教育や、自ら少年院に出向き実地指導をするなどして彼にボクシングの基礎を叩き込んでいった。策士な一面もあるが、丈に指示を無視されたり大舞台に呼ばれると舞い上がってしまうなどセコンドとしては未熟な面も見られる。また、現役時代はそれなりの実績を残したにもかかわらず「自分の中では満足しない」など自分に厳しい一面もあるが、悪く言えば他人に自分の意見をおしつけるところがあり、丈の怒りを買うこともしばしばであった。引退後も強さは健在であり、スパーリング中にジョーを失神させている。 丹下拳闘クラブは泪橋の下にある粗末な木造小屋であり、そこで丈・西と3人で暮らしている。丈が東洋太平洋チャンピオンになった後、泪橋の近くに新たなジム(丹下ジムに改称)を建設して移転し、門下生をとるようになった。 マンモス西 声 - 西尾徳(1) / 岸部シロー(劇場版、劇場版2) / だるま二郎(2) / 郷里大輔(ボクシングマニア版) / 乃村健次(闘打 ~タイピング泪橋~) / 西松和彦(ゲーム『まっ白に燃え尽きろ!』) / 三宅健太(パチスロ『2』) 演 - 山本正明(1970年実写映画版) / 勝矢(2011年実写映画版) 本名・西寛一(にしかんいち)、大阪出身。丈の最初で最大の友人。腕っ節が強い巨漢で、丈が最初に入れられた少年院鑑別所で部屋のボスとして君臨していた。特等少年院に送られてからは過酷な生活を送らなければならない恐怖から鑑別所時代の尊大な態度は全く影を潜め、気が小さく臆病な本性を露呈した。 少年院を退院後は、丈と共に丹下拳闘クラブに入門。粗暴な不良少年だった頃とはうって変わって真面目な好青年に成長し、ボクシングの練習に励む傍ら林食料品店(通称:林屋)で働き始めた。 一時期、かなりの巨漢ゆえ、ミドル級(日本では実質的な最重量級)のリミットにするため、過酷な減量にチャレンジするも、耐えることが出来ず、夜な夜な屋台へ通ってうどんを食べていたが、ジョーに見咎められ仕置きを受けてからは真面目にボクシングに取り組む。 拳の骨折を機に成績が上がらなくなり、ボクシングを諦め林屋に就職。店を繁盛させ、新車を購入し古い車を丹下拳闘クラブに寄贈するなど商才を見せている。後に林屋の店主の娘、林紀子と結婚、引退後は若干細身になっている。原作では紀子と結婚後、ボクシングとは関わらなくなるが、アニメ版では最後までセコンドとして丈をサポートしている。 河野(こうの) 声 - 植木誠(ゲームまっ白に燃え尽きろ!』) 新ジムの練習生として丹下ジムに入会。原作漫画では引退後の西に代わってジョーのセコンドに付くがアニメ版では引き続き西がセコンドを務めており、実質その他の練習生として扱われアニメでの登場は確認されていない。ジョーも期待しており、練習の面倒を見ることが多い。入会前はチンピラも除けて通るほど鳴らしており、腕っ節は強いらしいが、ジョーとのスパーリングでは逃げ腰気味であった。原作漫画ではホセ・メンドーサ戦のセコンドにも付いている。カーロスのボタンを止めてやるのも原作漫画では河野の役であるが、アニメでは西であり、実質的にアニメでは存在しない扱いとなっている。ただしアニメ『2』の33話において一度だけジョーからの指名でスパーリングを行っている(名前は「かわの」と呼ばれているがキャラクターは同一)。
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