七つの月
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 14:28 UTC 版)
ルナルには7つの月があり、それぞれに異なる神が住んでいる。どの月を選ぶかによって種族の肉体的な特性が決定される。月の信仰はその者の取得技能・呪文などに大きく関わり、ある意味ではその人の生涯の傾向を決定する側面を持つ(必ずしもそうだとは限らないが)。また、信仰を変えると種族も変わることがあるなど、一般的なファンタジー世界の信仰とは大きく異なる。そのため、この世界の住民とっては大きな影響力を持つ。なお、ルナルの太陽は、原初の創造神がルナルを創った後、異世界へ移動した際の門であると伝えられ、信仰の対象ではない(一種の天国に近い概念とつながりはしているほか、気象や天候に関してはそれぞれ月の神が司ることになっている)。 双子の月 1000年前の悪魔戦争時代に登場した最も新しい月であり、最大勢力である人間を中心に信仰されている。青が秩序と束縛、赤が混沌と解放を司る。この月に属する神々については〈源初の創造神〉が太陽へ旅立った際に連れた〈源人〉が進化したものとする説もあるが、真偽詳細は不明のままとなっている。非常に文化的・社会的な事物に関わる教義を齎し、その結果としてルナル世界の倫理観が一般的なファンタジー社会より現代寄りになっている理由にもなっている。 青の月 最も新しい月。1000年前、黒の月の脅威にさらされていたルナルに赤の月と共に現れた「双子の月」の一方。秩序と束縛を司る4柱の主神とその協力神(かつては従属神と呼ばれており、主神のいずれかに付き、よりマイナーな事物を司る神々)が住まう。人間およびドワーフに信仰される。“法と契約の神”ガヤン 警察や司法の関係者、あるいは為政者などに信仰される。対をなす神はシャストア。その信者には、法を犯した者を捕縛するための格闘術、また対人投網やソードブレイカーなどが伝授され、捕縛者の象徴として蜘蛛が掲げられる。副次的に公正や法秩序の概念から光の属性も備える。 “記憶と信念の女神”サリカ 教育者や介護に従事する者に信仰される。対をなす神はアルリアナ。また、規則的な変化を司るという点から、天候の安定を願う農民にも信者が多い。サリカに奉納される舞は、鉄扇を用いた武術としても応用される。 “知識と理性の神”ペローマ 学者や知識人に信仰される。対をなす神はタマット。武器戦闘には向いていないが、様々な魔術や霊薬(エリクサ)の製法が信者に伝えられている。また、(知識の)保管者などの側面から、食糧などを保存する場所に聖印を下げられることがある。 “境界と静けさの神”ジェスタ 警備や消防の関係者に信仰され、大地や鍛冶の神としても崇拝されている。対をなす神リャノ。専守防衛の観点から、武器も守りを重んじたものや、斧やハンマーなど日常の作業用品としても使えるものが好まれ、剣などの武器は避けられる傾向にある。ドワーフにとっては最高神で、人間におけるガヤンやペローマなど他の主神の役割はジェスタの協力神によって行われている。 赤の月 最も新しい月。青の月と対を成す「双子の月」の一方。混沌と開放を司る4柱の主神とその協力神が住まう。各神も青の月の各神と対になっている。人間にのみ信仰される。“物語と伝承の神”シャストア 語り部や役者に信仰される。様々な物語を伝え、また自ら物語を作ることを勧める。対をなす神はガヤン。シャストア信者の武器としては、縁が刃になる特殊なマントや、レイピアなど見栄えのよい武器が挙げられる。架空の物事を司るためか幻覚や夢を司り、また副次的に闇も司っている。 リプレイ中に出現したときにはエフェメラ・クルツの姿をとっている。 “気まぐれと忘却の女神”アルリアナ 肉体的なものを含めた恋愛の守護神とされ、娼婦の守護神としても知られる。対をなす神はサリカ。アルリアナに奉納される踊りは意表を突いた変化が重視され、これはフェイントを利かせた武術にも応用される。シールドバトンという武器で防御をしながら蹴り技を繰り出す格闘術が使われる。 “直感と感情の神”タマット 幸運をもたらす神とも言われ、傭兵や賭博師に信仰される。対をなす神はペローマ。その一方で盗賊の守護神ともされており「裏タマット神殿」と言えば、ルナルでは盗賊ギルドを、「闇タマット」は犯罪者集団を指す。武器は槍が好まれる。カルシファードでは軍神として信仰されており、忍者に相当する「影タマット」も存在する。 “流れとざわめきの神”リャノ 楽師や料理人に信仰される。対をなす神はジェスタ。また、流れの神というところから、流水を司る水神・海神としても崇められ、船乗りにも信者が多い。造船や上下水道等社会的に重要な役割を担っている為、青の月の神殿以上の組織力を有している。信者に与えられる武器は、楽器(武器としての弓になるハープや、吹き矢仕込みのバグパイプなど)や調理器具(包丁や鍋)としても使えるものが多い。 黒の月 5番目に現れた月で、「歪みの月」とも呼ばれる邪悪の根源。エルファに密かに伝わる伝承によると、かつて更なる繁栄を求めて「第二の緑の月」を無から創造しようとした儀式で招き寄せてしまったとされる。全世界に災いと戦乱をもたらし、エルファのみならず全種族を滅亡の淵に追い詰めた。この月を崇めるゴブリンやトロールなどの種族は、戦乱の中で宗旨替えして歪んだ種族や個人達の末裔で、現在でも己の欲望に忠実な者がこの月に宗旨替えすることがある。 なお、本作における月食・日食はこの月が他の月を遮ることで起こる現象で、その際は悪魔が活発になる。 緑の月 4番目に現れた(正確に言えば、ルナルの近くに迷い込んだ小さな星の欠片を後のエルファとなる人々が祈りと儀式で月にまでのし上げた)月。さまざまな動物や植物の祖霊(トーテム)が宿っており、エルファに信仰される。かつてはルナルの主流であったが、黒の月の出現と戦いの中でその勢力を減じた。 銀の月 3番目に現れた月。創造神が太陽の彼方に去った後、荒廃したルナルに星の彼方から到来した。この月に住まう地水火風の「異貌の神々」はルナルの種族には理解不能な異質な存在(イメージ的にはクトゥルフ神話の神々)であり、銀の月に従う種族も他種族とは異質な存在へと変貌する。当時ルナル最強の存在であった<龍>との戦いで相討ちとなり、ほとんどが封印されているため、この月に従う種族と接する機会は少ない。基本的にこれらの神やその眷属は恐怖心を刺激することが多く、目にするだけでも被害を受けることも少なくない。 この月は所属する神々が上記の通り四つのグループに分かれている。これらは〈龍〉と戦う際こそ連携したが、そもそも不仲であり、同じ銀の月の中でも勢力争いを行なっている(風と水、地と火が主な対立構造である)。 万色なる彷徨いの月 創造神がこの世界を去った後、白の月から分かれて生まれた月。様々な色を湛え、どの色を崇拝するかで地上の種族が分化していったこともあり、この月を信奉する種族は多種多様な外見・文化・性格をしている。放浪するかのように軌道が安定せず、いかなる神が宿るのかも知られていない。それゆえ崇拝する種族は多いものの、いずれも少数部族に留まっている。 白き輪の月 ルナルを創った創造神が住まっていた最古の月。創造神が太陽を抜けて別の世界へ赴いた後、彷徨いの月と分離して白い輪だけが残った。今も天地創造の際に働いたエネルギー生命体〈天使〉が宿っており、ウィザードに信仰される。
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