ラーメン業界の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 03:31 UTC 版)
「ラーメン発見伝」の記事における「ラーメン業界の人々」の解説
芹沢達也(42歳) 繁盛ラーメン店「らあめん清流房」の店主兼フードコーディネーター。冷徹で皮肉屋なリアリストだが、理想の味の追求と提供を決して怠らない情熱家でもある。スキンヘッドの異貌で、本人によればこれは万が一にも髪の毛がラーメンに入ってしまうのを防ぐためであり、三原冴子に「ハゲ」と罵倒された時にはハゲではないと否定していた。 フードプロデューサーとして、ラーメンを中心に数々の料理番組にも出演し、その際には常に低姿勢で愛想笑いを浮かべている。これはテレビだけでなく店でも同様だが、本性を知る藤本や佐倉には「しらじらしい」と呆れられている。 幾度となく藤本と創作ラーメン対決を行うことになる、最大のライバルであると言える。藤本を事あるごとに皮肉を込めて「優秀な『ラーメンマニア』」と呼ぶ。一見単に馬鹿にしてからかっているようでもあるが、同時に経営者の視点や独創的な発想といった、ラーメン職人が持つべき力を持たない藤本の弱点を的確に指摘している。また内心では藤本の実力を評価しライバル視しており、その対決の中で自分を磨いている。 自身が完璧と思った鮎の煮干しを用いたラーメンを武器に開業するも、客に味を理解されず、不渡りを出して店を潰しかけた過去を持つ。さらにコッテリ志向の客から自分のラーメンを「エサ」とまで馬鹿にされたことで、自暴自棄になってこれまでの理想のラーメンにラードを加えたのがきっかけで“舌バカ”な客でも分るコッテリ味の“濃口”を編み出してからは繁盛店に。さらに自分の理想のラーメンの理解者だと思っていた客にまで、その濃口ラーメンを絶賛されるという些細な不幸から心に大きな傷を負い、それ以降は一握りの味の分るお客に理想の味を提供するために、味の分らない客に情報を食わせて金を稼ぐというスタンスを貫いている。ただし、舌バカな客相手でも決して手を抜いたラーメンは作らない。濃口の重大かつ意図的な欠点に対する藤本の真っ当な指摘を憎まれ口混じりながらも受け入れたりと、確かな柔軟性も持ち合わせている。藤本・篠崎コンビとの対決においては、テレビ局側から片八百長で負けることを依頼された際に快諾する(ただし、職人としての意地もあり、一般大衆の投票では負けるが、藤本や篠崎、有栖涼といった「分かる人」には自分の勝ちだと分かるラーメンで勝負した)、藤本に「ラーメンこいけ」の行列問題で珍しく相談を受けた際にはダーティーな対応策をアドバイスするなど、清と濁の両面を合わせ持つ。このように自分の理想を追求するために手段を選ばない一方で、ラーメンに関して極めて真摯で誠実であり、自身の職人気質と商売の両立を実現・成功させている人物である。 藤本と対決するだけでなく、藤本が出場した「ラーメン・マニア・キング」等のテレビ番組では問題を作成したり、藤本の勝負のジャッジを務めたりもした。作中では最後の対決まで藤本にとっての高い壁であり続け、藤本との直接対決における戦績は滅法強く、「自然食レストラン 大地」での藤本とのコンペや、藤本が手掛ける「ラーメン大河」と、自身のプロデュースした「麺朱雀」での売り上げ勝負などでは芹沢の勝ちか、よくて引き分けに持ち込むのが精一杯であった。 藤本との最終決戦では自身の究極の理想のラーメンの進化版である「淡口らあめん 極(きわみ)」で勝負したが藤本にワンサイドの評価で敗れ、思わず感情的に審査員達に抗議したが、藤本のラーメンを試食した結果、最後の最後で客の舌を信じきれずに自身で加えた蛇足ともいえる調理で差が付いたことを認め、負けも認めた。 「ラーメンふじもと」開店日には店を訪れ、集まった多数のキャラクターの前で藤本をやり込めるが、それは彼なりの開店祝いであることを有栖に指摘された藤本は、自分がこうして成長し、開店にこぎつけることができたのは芹沢のおかげだと気付き、芹沢を追いかけて礼を言い、頭を下げる。 『らーめん才遊記』では主要登場人物になっており、芹沢が立ち上げたラーメン専門のフードコンサルタント会社「清流企画」が舞台となり、その能力は健在。新入社員の汐見ゆとりと時には反発し合いながらも、ラーメンの腕だけでなく経営手腕も育成した。 『らーめん再遊記』では実質上の主人公として登場する。当初は前二作の芹沢とはまるで別人のようにラーメンに対する情熱を失っていたが、後に情熱とやる気を取り戻す。回想シーンにて、ラーメン屋開業前は頭髪を剃っておらず、離婚歴もあった事が明かされた。 岩下大輔(30歳) 「らあめん清流房」の新支店の店長候補。芹沢によると、努力家で教えた仕事は完璧にこなすが、柔軟な発想力や斬新な創造力にはやや欠ける。 支店長昇格の条件として芹沢から「藤本とのラーメン対決に勝利すること」を提示されるも敗北。しかしこの時の藤本のラーメンは芹沢すら想定出来なかったハイレベルな代物であり、「負けに関しては相手が悪かったから仕方ない」と、勝利すればという条件を撤回して岩下を支店長に昇格させている。 『らーめん才遊記』では「らあめん清流房」中野店の店長として登場する。 小池(40歳) 藤本や佐倉と懇意の「ラーメンこいけ」店主。脱サラ組であり、藤本のよき協力者。独身。 藤本に助けられる事もあるが、ラーメンの道の先輩として助言を送り導く事も多い。 藤本がラーメンを作れることを会社に内緒にしている都合上、創作ラーメン対決などの時は実際の調理は小池が行っている。 松永鳴人 名前の読みは「なるひと」だが、ラーメンが好きなため、人には「ナルト」と呼ばせる。「ラーメンこいけ」のアルバイト店員。大卒で就職浪人し紆余曲折の末に「こいけ」で働くことに。喧嘩っ早い性格。 津田良太(28歳) 「どんたく亭」東京支店の店主。気弱な性格で父には頭が上がらない。東京の嗜好に合わせて本店の味を改良したトンコツ醤油ラーメンを作り出す。 津田大造(58歳) 「どんたく亭」博多本店の店主。良太の父親。頑固な九州男児。四谷課長は学生時代からの顔なじみ。良太の他に美人だが性格をそのまま受け継いだような娘がいる。 片山晋二(28歳) 「東京ラーメン花輪亭」店主。市役所勤めから独学でラーメン屋に転身。気弱で流されやすい性格。他人の意見・発言に影響されて突拍子も無い行動を取ることが多く、それによって起こった問題の解決をたびたび藤本に頼みに来る。 片山瞳〔旧姓:冴木〕(24歳) 「東京ラーメン花輪亭」のアルバイト。後に店主の片山と結婚。祐介の初恋の相手。片山の起こす騒動にいつも泣かされている。 武田剛三(43歳) 「らーめん厨房どきゅん」の店主。サラリーマンからの転進。妻子ありだがかなりの女好き。学生時代はラグビー部で典型的な体育会系。当時は常に金欠でいつも腹を空かせていたとは当人の弁。トラブルが起こった時の解決策はまず腕力と、良く言えば豪快、悪く言えば粗暴な人物。 後述の「拉麺タイムトンネルvs六麺帝」の対抗戦では、「六麺帝」からの誘いがなかったことに不満を持っており、「東西軒」が引き抜かれたことで一店舗少ない「拉麺タイムトンネル」側に強引に助っ人として参戦した。先攻後攻のルールを逆手にとったルール違反ギリギリの卑怯な策略を取るなど、実はかなり冴えた頭脳を持つ。 『らーめん才遊記』にも「らーめん厨房どきゅん」ともども登場する。『再遊記』にも登場し、芹沢の復活に大きなヒントを与えた。 天宮研司(21歳) 東大を中退してラーメンの世界に飛び込んで来た。自己顕示欲旺盛で、プライドが高い。 ワゴン車を改造した屋台で有名店の近所に店を出し、その店の“売り”を見抜いてそこを強化した“明日うまいラーメン”を作るやり方で客を引き付け、あらかた客を奪ったら去って行くことを都内で繰り返していた。そのやり方が自分に付いた客を蔑ろにする行為だと藤本に喝破され、以後は新しく屋台を置く場所を告知してから去るようになった。その後「フードプロデューサー」の道を志し、その第一段階としてラーメンを手がけ、藤本と何度か対立することになる。 千葉周児 東京・池袋にある「神麺亭」の店主。妥協なきカリスマ職人。「オレは、経営者である前にラーメン職人だ!!」というほど、ラーメンにこだわりを持っている。藤本は千葉を苦手としていたが、ことラーメンに対する考え方に関しては芹沢よりずっと純粋であると感じ、その点には好感を持っている。ラーメンに関する知識・味覚・経験はどれもハイレベル。 本名は佐々木だが、ラーメン好きが高じて「らーめん佐々屋」を始めた当初、ラーメンマニアとトラブルを起こし、ネット上で誹謗中傷を書き込まれ店は潰れた。そのためラーメンマニアを嫌っており、「神麺亭」を始めたのを機に千葉周児と名乗るようになった。 藤本とは、「ラーメン・マニア・キング」をはじめ二度対決していずれも敗れている。その後は藤本と協力関係にもなるが、藤本に対しては「こっち側(ラーメン・マニアではなく、ラーメン店の店主側)に来い」とエールを送っている。 「ラーメンふじもと」の開店日にも来店した。 『ラーメン再遊記』でも、神麺亭グループは健在で黒字経営だが自身の創造力と共に停滞気味でもあり、後進が業界進出してきたことで、経営権を手放し、引退することを芹沢に打ち明けている。
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