ラーメン橋の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:27 UTC 版)
門型ラーメン橋 ポータルラーメンとも呼ばれる。1径間の両橋台(もしくは橋脚)と主桁を剛結構造とした構造。下部工に大きな回転反力が作用するため、小規模なものを除くと採用事例は少ない。 Tラーメン橋 2径間の中央の橋脚のみを主桁と剛結した構造で、両橋台は支承構造である。側面から見ると、主桁と中央の橋脚がTの字を描いていることから、この名がある。山間部の道路で谷をわたるPC橋によく用いられ、張出架設工法による施工が一般的である。 連続ラーメン橋 3径間以上のラーメン橋である。小規模なものでは、鉄道の高架橋に8-10m支間の鉄筋コンクリートによるラーメン橋がよく見られる。大規模なものは、張出架設工法によるPC連続ラーメン橋があり、Tラーメンと同様に山間部の高速道路などで採用事例が多い。 近年、走行性の観点から伸縮装置の少ない多径間連続ラーメンが採用される傾向にある。しかし、剛結橋脚を増やして橋長を伸ばすと2次力の影響が大きくなり、上部構造・下部構造に悪影響を及ぼしかねない。そこで、一部の中間橋脚を支承構造とする例も見られる。 有ヒンジラーメン橋 張出架設工法によるPC橋でよく用いられた形式であり、支間中央部にヒンジを有する。このヒンジにより、施工中と完成時の断面力(曲げモーメント)がほぼ一致する優れた構造であり、200mを超える支間も可能である。しかし、中央部のヒンジが走行性を阻害すること、コンクリートのクリープによりヒンジ部が後に垂れ下がるなどの欠点もあり、近年では連続ラーメン橋や、支間の大きな橋梁では斜張橋やエクストラドーズド橋に移行している。 この形式の橋梁としては、建設当時桁橋として世界一の支間240mを誇った浜名大橋が有名である。最近では、2004年に島根県に江島大橋が支間250m(桁橋として世界第3位)の規模で完成している。 方杖ラーメン橋 橋脚部材を斜めに配したラーメン橋である。深い谷を渡る橋梁で中間に橋脚が立てられない場合などに用いられ、橋脚を斜めに配置することにより、上部構造の見かけの支間を小さくすることができる。美観に優れ、鋼橋の採用事例も多い。この形式では図に示すように、橋脚下端に回転支承(固定支承)が設けられることがある。 V脚ラーメン橋 方杖ラーメン橋を連続させた形式であり、中間橋脚がVもしくはYの字のように開いているのが特徴。美観に優れる。 斜材付π型ラーメン橋 方杖ラーメンに似ているが、主桁端部と橋脚付け根部を斜材で連結しているのが特徴。高速道路の跨道橋によく用いられる。 その他 ラーメン橋は、上部構造と下部構造を剛結することが定義であるので、斜張橋などの他形式においても、主塔や橋脚が主桁と剛結している場合は、ラーメン橋の一種となる。
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