鋼橋とは? わかりやすく解説

こう‐きょう〔カウケウ〕【鋼橋】

読み方:こうきょう

主に鋼材使った


鋼橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/12 21:31 UTC 版)

ダブルデッキアーチ型鋼橋(神戸大橋、2006年9月撮影)

鋼橋(こうきょう)は主要部材にを用いたである。

概要

橋の主要部材は主桁、主構、アーチリブなどであり、鋼橋ではそれらの部材に鋼が用いられる。鋼は鉄に0.2%程度の炭素とそのほかの添加元素を加えた合金であり、純鉄に比べてねばり強さがある[1]

主桁が鋼で、車両や人が通行する床版がコンクリートからなる桁橋のうち、主桁と床版が強く結合され一体で荷重に抵抗する場合は合成桁橋と呼ばれ、複合橋に分類される場合がある。

鋼はコンクリートに比べて比強度が高い、すなわち橋を軽くすることができるので、支間長の長い橋には鋼がよく使われる。一方、コンクリート橋と比べて部材の断面が薄く、あるいは細いため、座屈や振動への配慮が必要となる。座屈は圧縮荷重によって材料の強度に達する前に大きな変形が起こる現象で、鋼橋の主桁では補剛材を設けることで防ぐ。また、橋を通行する車両によって主桁の腹板が振動し、騒音低周波音の原因となることもある。また、鋼材を使っていることから腐食)への対策も必要で、一般的には塗装によって腐食を防ぐほか、耐候性鋼と呼ばれる特殊な鋼材を用いたり、めっきや金属溶射などの技術を使うこともある。

鉄橋との違い

鋼の生産・利用技術が発達していなかった時代には、橋は鋼ではなくで作られていた。そのため、その名残として鋼橋が「鉄橋」と呼ばれる場合もある。だが、2020年現在、主要部材に鋼ではなく鉄を使用した橋はほとんど存在しない[要出典]

日本の鋼橋

Category:日本の鋼橋 を参照。

日本で最初の「鉄橋」は1868年(慶応4年)に長崎で架けられた橋長21.8メートルの「くろがね橋(初代)」とされ[2]、日本初の「鋼橋」は1914年(大正3年)東京都品川区に建設された「タイドアーチ橋(旧八ツ山橋)」とされている[3]。また、初めて道路橋に鋼を使用したのは関東大震災後の1926年(大正15年)、隅田川に鋼製のトラス橋として改架された永代橋とされる[2]

なお、日本橋梁建設協会ウェブサイトが提供する「橋梁年鑑データベース」で、全国の主要な鋼橋の諸元を検索することが出来る[4]

ギャラリー

関連項目

脚注

  1. ^ 鋼と鉄の違いとは? 特徴や種類など”. 製造タイムズ. クマガイ特殊鋼株式会社 製造タイムズ運営事務局 (2021年2月3日). 2023年6月11日閲覧。
  2. ^ a b 鋼橋と鋼材のあゆみ”. 日本鉄鋼連盟ウェブサイト. 一般社団法人日本鉄鋼連盟. 2023年6月11日閲覧。
  3. ^ 鋼橋へのアプローチ:橋の歴史、発展、橋の分類と形式|技術者向け情報”. 日本橋梁建設協会ウェブサイト. 一般社団法人日本橋梁建設協会. pp. 4-5. 2023年6月11日閲覧。記事個別pdfあり。
  4. ^ 橋梁年鑑データベース”. 日本橋梁建設協会ウェブサイト. 一般社団法人日本橋梁建設協会. 2023年6月11日閲覧。

外部リンク



鋼橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 03:06 UTC 版)

鬼怒橋」の記事における「鋼橋」の解説

鬼怒橋は下路曲弦鋼プラットトラスであり、スパン36.6メートル15連のトラス鬼怒川両岸結んでいる。15と言う径間トラス橋は、日本国内でも屈指の規模であり、本格的に近代的な材料構造取り入れたである。長は559.4メートル幅員6.4メートルである。橋脚煉瓦円形ウェル2基の上に、迫石補強したアーチ状の切石積採用したラーメン構造で、木橋時代のものを嵩上げ継ぎ足して利用している。この橋脚堅牢で、2020年令和2年)から行われている工事補修されるの14基のうち1基だけである。 設計者栃木県技師松田文衛、工事請負者五月女上部の製作は横河橋梁担当した建設当時技術力の高さと美観を兼ね備えたとして、土木学会選奨土木遺産選定された。宇都宮市まちなみ景観賞歴史文化部門受賞理由は「橋梁構造としての美しさ鬼怒川自然と調和併せもつ歴史感じられる景観」であることである。

※この「鋼橋」の解説は、「鬼怒橋」の解説の一部です。
「鋼橋」を含む「鬼怒橋」の記事については、「鬼怒橋」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「鋼橋」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「鋼橋」の関連用語

鋼橋のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鋼橋のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの鋼橋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの鬼怒橋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS