ピストン‐リング【piston ring】
ピストンリング
ピストンのリング溝に装着され、シリンダー内壁とピストンとの間の気密を保つ働きと、燃焼によってピストンが受ける熱をシリンダーに伝える役目を受け持っている。耐摩耗性、強靭性、耐熱性、オイルの保持性などが要求され、通常、コンプレッションリング2本とオイルリング1本が取り付けられる。以前は特殊鋳鉄も用いられたが、最近ではプレス鋼板
製が多い。表面にクロムめっきやチタンナイトライト処理を施す場合がある。また圧縮リングは自己の張力と背面にかかるガス圧によってシリンダーに密着する。オイルリングの場合は、リング自体の張力のみによって密着する。ピストンリングが発明されて、エンジンの性能と耐久性が格段に向上したといわれている。
ピストンリング piston ring
ピストンリング
ピストンリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 03:30 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2016年12月)
|

ピストンリングとは、気密維持、潤滑などの目的でレシプロエンジンや圧縮機、油圧機器などのピストン外周の溝に装着される円環状の部品である。
レシプロエンジンのピストンリング

レシプロエンジンの場合、気密を保つためのコンプレッションリングと、潤滑を行うオイルリングとがある。多くの場合、トップリング、セカンドリング、オイルリングの3本1セットでピストンに装着される。トップリングとセカンドリングには、コンプレッションリングが使用される。合い口が切ってあり、シリンダ内壁へのばね性と装着性が付与されている。燃焼によりピストンに伝えられた熱を、シリンダブロックへ逃がす働きもしている。
コンプレッションリング
ピストンとシリンダー内壁の間のすき間を無くし、燃焼室からクランクケース側へ圧縮ガスが抜けること(ブローバイ)を防ぐためのもの。合い口が開いており、運転状態では合い口がほぼ閉じた状態になる。自由状態でのリング径はシリンダーより大きく、シリンダー内への装着時は、自身の外側へ開こうとする力でシリンダー内壁に密着する。
オイルリング
シリンダ内壁についている余分なエンジンオイルをかき落とし、適度な油膜を形成してピストンの焼きつきを防止するためのもの。
歴史
1854年、イギリス人技師のジョン・ラムズボトムが蒸気機関用に発明した。1926年(大正15年)には海老原敬吉が改良型ピストンリングの特許を取得。1927年(昭和2年)に大河内正敏がピストンリングに関する研究成果の事業化を目的に理化学興業株式会社(後のリケン)を設立、同社は日本で初めて実用ピストンリングの製造を開始し、現在のピストンリング製造最大手のリケンの技術的基礎となる。
世界的に、鋳鉄から鋼線への移行が進みつつあり、その先端を走っているのが日系メーカーである。その鋼線素材のほとんどが日立金属(現プロテリアル)より供給されており、17Cr系鋼のマルテンサイト系特殊鋼が主流である。
ピストンリングのメーカー
ピストン‐リングと同じ種類の言葉
- ピストン‐リングのページへのリンク