ウンビビウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 09:14 UTC 版)
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外見 | |||||||||||
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一般特性 | |||||||||||
名称, 記号, 番号 | ウンビビウム, Ubb, 122 | ||||||||||
分類 | 超アクチノイド元素 | ||||||||||
族, 周期, ブロック | ?, 8, g | ||||||||||
原子量 | [ - ] | ||||||||||
電子配置 | [Og] 7d1 8s2 8p1 1/2(予測)[1] | ||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 32, 18, 9, 3 (予測)(画像) | ||||||||||
物理特性 | |||||||||||
原子特性 | |||||||||||
ウンビビウム (羅: Unbibium) は、原子番号122にあたる未発見 の超重元素に付けられた一時的な仮名(元素の系統名)である。この名称と記号はそれぞれ系統的なIUPAC名の記号であり、元素が発見され、確認され、恒久的な名前が決定されるまで使われる。トリウムの下に位置することから「エカトリウム」(羅: eka-thorium) とも呼ばれる。
性質
2番目の超アクチノイド元素(superactinide)および4番目の第8周期元素であることが予想されている。ウンビウニウムと同様に、安定の島の領域にあり、さらなる安定性を持つ同位体もあると予測されている。特に306Ubbは中性子の魔法数184を持つと予測されている。
化学的には軽い同族元素であるセリウムやトリウムと似ていると予測されている。しかし、相対論効果によりその特性の一部は異なる可能性がある。例えば、gブロックの超アクチノイド元素に位置づけられると考えられているが、基底状態電子配置は[Og] 7d1 8s2 8p1と予測されている[2][1]。
歴史
合成の試み
核融合蒸発
ウンビビウムを合成する最初の試みは、1972年にフリョロフらによりドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で重イオン誘起熱核融合反応を用いて行われた[3]。
- 238
92U + 66,68
30Zn →2010年にドゥブナのチームが使用した核種安定性の図。特徴的な同位体が境界線で示されている。元素118(知られている中で最後の元素であるオガネソン)を超えると、既知の核種の線は急速に不安定の領域に入ると予想され、元素121以降は半減期が1マイクロ秒を超えることはなく、ウンビビウムのような重い元素を同定することが難しくなる。楕円形の領域は安定の島により予測された位置を囲んでいる[7]。 「安定の島」も参照原子番号がプルトニウムよりも増加するとともに核の安定性は大きく下がるため、101より大きい原子番号を持つ全ての同位体はドブニウム268を除き1日未満の半減期で放射性崩壊する。原子番号が82を超える(鉛以降)元素には安定同位体がない[27]。それにもかかわらず、まだ十分に理解されていない理由により、原子番号110–114の周辺にわずかに核の安定性があり、核物理学で安定の島として知られるものが現れる。カリフォルニア大学教授グレン・シーボーグにより提案されたこの概念は、超重元素が予測より長く続く理由を説明している[28]。
周期表のこの領域では、N = 184が中性子の閉殻として提案されており、Z = 114, 120, 122, 124, 126などのさまざまな原子番号が閉じた陽子殻として提案されている。安定の島はこれらの魔法数の近くに位置する核の半減期が長いことを特徴とするが、陽子の閉殻効果が弱い可能性および二重魔法数でない可能性の予測により、安定化効果の範囲は不確かである[29]。より最近の研究では、安定の島の中心にベータ安定コペルニシウム同位体291Cnや293Cnとなると予測しており[7][30]、ウンビビウムは島のかなり上に位置し、殻効果に関係なく半減期が短くなると思われる。112-118番元素の安定性の向上は、この核の扁円形と自発核分裂に対する抵抗性にも起因している。また、同じモデルでは306Ubbを次の球状二重魔法核として提案されており、球状核の真の安定の島を定義している[31]。
量子トンネルモデルは、ウンビビウム同位体284–322Ubbのアルファ崩壊半減期が315Ubbより軽い全ての同位体でマイクロ秒のオーダーもしくはそれ以下であると予測し[32]、この元素の実験的観測における重要な課題を強調している。1マイクロ秒の境界の正確な位置はモデルにより異なるが、これは多くの予測と一致している。さらに自発核分裂はこの領域で主要な崩壊モードになると予想され、陽子数・中性子数がともに偶数の偶偶核 (en:Even–even nuclides) のうちいくつかの半減期は、核子の偶数奇数の組み合わせにより生じる核分裂のしやすさと、魔法数から離れることによる安定化効果の減少により、フェムト秒オーダーの半減期が予測される[14][16][注釈 2]。同位体280–339Ubbの半減期と確率的な崩壊系列に関する2016年に行われた計算では確証的な結果が得られており、280–297Ubbは非束縛陽子(proton unbound)であり、陽子放出により崩壊する可能性がある。298–314Ubbはマイクロ秒オーダーのアルファ半減期を持ち、 314Ubbより重いものは主に半減期の短い自発核分裂により崩壊する[33]。核融合蒸発反応に取り込まれる可能性のある軽いアルファ放射体については、既知もしくは到達可能な軽い元素の同位体にいたる長い崩壊系列がいくつか予測される。さらに、N = 184の閉殻を超える中性子数の核結合エネルギー (en:Nuclear binding energy) が著しく低い結果として、同位体308–310Ubbの半減期は1マイクロ秒未満と予測されており、これは検出するには短すぎる[14][33]。また、全ての半減期が約1秒である第2の安定の島がZ ~ 124およびN ~ 198の周辺に存在するかもしれないが、これらの原子核に到達することは現在の実験技術では難しいあるいは不可能である[30]。しかし、これらの予測は選択された核質量モデルに強く依存しており、ウンビビウムのどの同位体が最も安定であるかは不明である。いずれにしても、これらの原子核は入手可能なターゲットと発射体の組み合わせでは複合核に十分な中性子を供給できないため、合成が困難である。核融合反応で到達可能な原子核であっても、自発核分裂やあるいはクラスタ崩壊[34]にも重要な分岐がある可能性があり、通常連続したアルファ崩壊により同定される超重元素の同定に別のハードルをもたらす。
化学的性質
セリウムやトリウムより重い同族元素であり、ゆえに反応性が高い可能性はあるが似た化学的性質を持つと予測されている。さらに、ウンビビウムは新たなgブロックに属すると予測されているが、fブロックの左のgブロックの位置は推測によるものであり[35]、5g軌道が埋まり始めるのは125番元素と予測される。予測される基底状態電子配置は[Og] 7d1 8s2 8p1[1][2]および8s2 8p2[36]であり、121番元素から5g軌道の電子を埋め始めると予測する[Og] 5g2 8s2とは対照的である。超アクチノイドでは、相対論効果が構造原理の崩壊を起こし、5g, 6f, 7dおよび8p軌道の重複を起こすことがある[35]。コペルニシウムとフレロビウムの化学的性質に関する実験により、相対論効果の役割の増大が強く示された。そのため、ウンビビウムに続く元素の化学的性質を予測することはより難しくなる。
二酸化物のUbbO2、およびUbbF4やUbbCl4などの四ハロゲン化物を作る可能性が最も高いと思われる[2]。主な酸化状態はセリウムやトリウムと同様にIVであると予測されている[3]。第1イオン化エネルギーは5.651 eV、第2イオン化エネルギーは11.332 eVと予測されている。これや他の計算されたイオン化エネルギーはトリウムのものより低く、族が下の方にいくと反応性が増加する傾向は続く可能性を示している[1][37]。
注釈
脚注
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関連項目
外部リンク
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 1 H He 2 Li Be B C N O F Ne 3 Na Mg Al Si P S Cl Ar 4 K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr 5 Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe 6 Cs Ba La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn 7 Fr Ra Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og 8 119
Uue120
Ubn※1 141
Uqu142
Uqb143
Uqt144
Uqq145
Uqp146
Uqh147
Uqs148
Uqo149
Uqe150
Upn151
Upu152
Upb153
Upt154
Upq155
Upp156
Uph157
Ups158
Upo159
Upe160
Uhn161
Uhu162
Uhb163
Uht164
Uhq9 165
Uhp166
Uhh167
Uhs168
Uho169
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Usn171
Usu172
Usb※1 121
Ubu122
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Ubt124
Ubq125
Ubp126
Ubh127
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Ubo129
Ube130
Utn131
Utu132
Utb133
Utt134
Utq135
Utp136
Uth137
Uts138
Uto139
Ute140
Uqnアルカリ金属 アルカリ土類金属 ランタノイド アクチノイド 遷移金属 その他の金属 半金属 非金属 ハロゲン 希ガス 超アクチノイド 不明 ※173番元素のウンセプトトリウムはペッカ・ピューッコの拡張周期表にはない。
ウンビビウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:25 UTC 版)
ウンビビウムの合成は、1972年にドゥブナ合同原子核研究所(JINR)のゲオルギー・フリョロフらによって、重イオンによる熱核融合反応を利用して初めて試みられた。 23892U + 66,6830Zn → 304, 306122Ubb* → no atoms この実験は、N = 184、Z > 120に安定の島が存在するという初期の予測に基づいて行われた。原子は検出されず、収率限界は5nb(5,000pb)と測定された。現在の結果(フレロビウム参照)では、これらの実験の感度は少なくとも3桁は低かったことが示されている。 2000年には、ドイツの重イオン研究所(GSI)のチームが、より高い感度で類似した実験を行った。 23892U + 7030Zn → 308122Ubb* → no atoms これらの結果は、このような重い元素の合成は依然として大きな課題であり、ビーム強度と実験効率のさらなる向上が必要であることを示している。より質の高い結果を得るためには、将来的には感度を1fbまで上げる必要がある。 ウンビビウムの合成は、1978年にもGSIで行われ、天然のエルビウムを標的にキセノン136イオンを照射したが原子は確認されなかった。 nat68Er + 13654Xe → 298, 300, 302, 303, 304, 306122Ubb* → no atoms 特に、170Erと136Xeの反応では、半減期がマイクロ秒のアルファ線が発生し、半減期が数時間にも及ぶフレロビウムの同位体に崩壊すると予想されていた。フレロビウムは安定の島の中心近くにあると予測されていたためである。しかし12時間照射しても、この反応は起こらなかった。同じように238Uと65Cuからウンビビウムを合成しようとしたが成功しなかった。超重核の半減期は1マイクロ秒以下であるか、あるいは断面積が非常に小さいと結論づけられた。 超重元素の合成に関する最近の研究では、この2つの結論が正しいことが示唆されている。ウンビビウムを合成する1970年代の2つの試みは両方とも、超重元素が潜在的に自然に存在する可能性があるかどうかを調査する研究によって推進された。 306Ubbのような様々な超重核化合物核の核分裂特性を調べるいくつかの実験が、2000年から2004年にかけて、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で行われた。2つの核反応、すなわち248Cm + 58Feと242Pu + 64Niについて実施された。その結果、超重核は主に132Sn(Z = 50、N = 82)のような閉殻核を排出して核分裂することが明らかになった。また、48Caと58Feの発射体では、核融合-核分裂経路の収率が同程度であることが判明し、将来的に58Feの発射体を超重元素生成に利用できる可能性が示唆された。
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