核融合蒸発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:16 UTC 版)
ウンビビウムを合成する最初の試みは、1972年にフリョロフらによりドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で重イオン誘起熱核融合反応を用いて行われた。 23892U + 66,6830Zn → 122 304 , 306 U b b ∗ {\displaystyle \,_{122}^{304,306}\mathrm {Ubb} ^{*}} → no atoms これらの実験はN = 184でZ > 120の安定の島の存在に関する初期の予測に基づいている。原子は検出されず、生成断面積の上限値5 nb (5,000 pb)が測定された。現在の結果(フレロビウム参照)は、これらの実験の感度が少なくとも3桁小さいことを示している。 2000年、重イオン研究所(GSI)はほぼ同様の実験を非常に高い感度で行った。 23892U + 7030Zn → 122 308 U b b ∗ {\displaystyle \,_{122}^{308}\mathrm {Ubb} ^{*}} → no atoms これらの結果は、このような重い元素の合成は現在も重要な課題であり、ビーム強度と実験効率のさらなる改善が必要であることを示している。将来的により質の良い結果を得るためには、感度を1 fbまで上げる必要がある。 重イオン研究所では1978年にもウンビビウムを合成する試みが行われ失敗している。この実験では天然のエルビウムにキセノン136イオンを衝突させた。 nat68Er + 13654Xe → 298 , 300 , 302 , 303 , 304 , 306 U b b ∗ {\displaystyle \,^{298,300,302,303,304,306}\mathrm {Ubb} ^{*}} → no atoms 特に、170Erと136Xeの間の反応は、フレロビウムが安定の島の中心付近にあると予測されるため、半減期がマイクロ秒のアルファ放射体を生成しフレロビウムの同位体に崩壊し半減期がおそらく数時間まで増加すると予測された。12時間照射を行ったが、この反応では何も見つからなかった。238Uと65Cuからウンビウニウムを合成する似た失敗した試みとともに、超重原子核の半減期は1マイクロ未満もしくは断面積が非常に小さいと結論付けられた。超重元素の合成に関するより最近の研究では、両方の結論が真であることが示唆されている。1970年代のウンビビウムを合成する2つの試みは、2つとも超重元素が潜在的に自然発生するかどうかを調査する研究により推進された。
※この「核融合蒸発」の解説は、「ウンビビウム」の解説の一部です。
「核融合蒸発」を含む「ウンビビウム」の記事については、「ウンビビウム」の概要を参照ください。
- 核融合蒸発のページへのリンク