自然発生元素として主張されている発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:16 UTC 版)
「ウンビビウム」の記事における「自然発生元素として主張されている発見」の解説
2008年、イスラエルの物理学者Amnon Marinovが率いるヘブライ大学のグループが、自然起源のトリウム鉱床の中にトリウムに対して10−11から10−12の割合でウンビビウム292の単原子を発見したと主張した。これは1939年のマルグリット・ペレーによるフランシウムの発見以来、69年ぶりに自然界で新元素が発見されたと主張したものである。Marinovらの主張は科学界の一部から批判され、MarinovはNatureとNature Physicsに論文を提出したが、どちらも査読されず取り下げられたと話している。ウンビビウム292は超変形(en:superdeformation)もしくはhyperdeformation異性体であり、半減期は少なくとも1億年であると主張されている。 質量分析による軽いトリウム同位体の同定に用いられたとされるこの手法に対する批判が、2008年にPhysical Review Cで発表された。この後、Marinovのグループによる反論が再びPhysical Review Cに掲載された。 加速器質量分析(英語版)(AMS)という優れた手法を用いたトリウム実験を繰り返し、感度を100倍向上させたものの結果を確認することはできなかった。この結果はトリウム、レントゲニウム、ウンビビウムの長寿命同位体に関するMarinoxの共同研究の結果に大きな疑念を投げかけるものである。現在の超重元素の理解を考えるとその可能性は非常に低いが、いくつかのトリウム試料中にウンビビウムの痕跡が存在する可能性がある。
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