ぶるう・シリーズ
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「神曲奏界ポリフォニカの登場人物」の記事における「ぶるう・シリーズ」の解説
シーヴァル・クルナ 凰都ヴィレニス在住の、神曲嫌いな神曲楽士にして「青」の主人公。使用する楽器は三味線。性格の悪い変人で、無職・文無し・資格無しの三無男。自身をティンカー(何でも屋)だと称しているが、実際は真面目に仕事をするのが大嫌いなNEETで、常に楽して大金を掴むことばかり考えている。単身楽団を所持しているが、それはもっぱら「鈍器」や「不快音」をかき鳴らすために用いられる。かつて一人前の神曲楽士になることを志しクララス音楽学院に通っていたことがあり、成績こそ最底辺だったが、その才能は神童と呼ばれた弟をも凌駕するとして一部で評価されていた。だが、卒業寸前に教師を殴る事件を起こし放校処分にされている。今では何らかの理由で神曲や精霊(というよりも精霊契約の制度)を嫌うようになり、可能な限りそれらから遠ざかるよう生きている。基本的には金に汚い小悪党であるが、決してリグルスに金を無心したりしない ことや、とある仕事の依頼人である義姉ミスレンからの追加報酬を断っていることなどから潔癖症な一面が窺える。言動から後先考えない能天気な性格と思われがちだが、「ブラウクローネ号事件」の遺族という立場からか心中かなり複雑な内面を持っている。自分を慕っている義弟リグルスから距離を置いていることや、嫌っているわけではないものの義姉ミスレンに対して他人行儀に接すること、神曲嫌いを公言している割に単身楽器を手放さず手入れも怠っていないことなどからもそれが窺える。なお、リグルスによればルーファ達に出会うまでは笑うこともほとんどなかったらしい。 ツゲ事務所のことは、非常に怪しい噂話で聞き知っている。 アニメ第一期当時に刊行されていたクリムゾン、ブラック、ホワイト、ぶるうの各主要人物の中で唯一、本編どころかオープニング映像にすら登場しなかった人物である(同じぶるう・シリーズのルーファ、ハイディ、ササヤはオープニングにも本編にもわずかだが出番があった)。 ルーファ・ワルトゥムシカ・トロイス 「青」のヒロイン。「精霊至上主義現実派」のトップエージェントで、ハイディの部下。終始おどおどとした口調で言葉はかすれがちで気が小さく、思考と行動が微妙に噛み合っていないためか時折突拍子もないことをしでかすドジな眼鏡精霊。特技は家事全般、近眼で忘れっぽく物覚えもあまり良くないという、人が持つ精霊のイメージからかけ離れた、とても「人間らしい」精霊。意外と毒舌でクルナ曰く「先を丸めた針でつつかれた気分」だそうだ。契約精霊ではないが初対面時にクルナとのある「勝負」に負けてしまい、その性格も手伝ってか召使同然の身分(無給)にされてしまう(現在の身分は下僕)。しかし、逃げ出そうと思えばいつでも出来る筈なのにあえてそうしないなど、クルナにある種の好意を持っていると思われる節がある。普段は中級精霊を装っているが、その正体は「聖カエルレウムの虐殺」が奏でられた際の唯一の生き残りで、虐殺精霊<スロータースピリット>の異名を持つ凶暴凶悪な上級精霊。だが、昔の自分に戻ることを厭い、眼鏡をかけることで性格を変えその強大過ぎる力を抑えている。眼鏡をかける前は傭兵をしていたことがあるらしい。 クルナと同じく、噂話でツゲ事務所のことを聞き知っている。 ハイディ・ウル・コーディレフス 「精霊至上主義現実派」のリーダーで、ルーファの上司にあたる上級精霊。人間嫌いの神曲不要論者。童顔・幼児体型で、その嗜好も甘い物好きで辛い物が駄目と見た目通りまんまお子様。だが、三国戦争に参加していたことからわかるようにそれなりに歳経た精霊で、性格などは容姿とは異なっている。ルーファの「昔」の姿を知る者の一人。自らが提唱する「精霊至上主義」を実現すべく、堅実(?)かつ地道な活動を続けているが、当の精霊達からは全く相手にされておらず、周囲からは「ハイディと変な連中」という物笑いの種にされている。一向に進展しない状況に苛立ったのか実力行使の一環として将来有望視されているリグルスを支配すべくルーファを遣わしたが、行き先を誤りクルナの下に送ってしまったために目をつけられてしまい、ササヤ同様にいいようにこき使われる羽目になる。 ササヤ・マッシア・エッジウス 短気で強気で猪突猛進、なおかつ生真面目で律儀で正義感の強い中級精霊。ルーファの親友でハイディと同じく「昔」の彼女を知る数少ない精霊である。本人は「精霊至上主義現実派」とは関わり合いはないと言っているが、ルーファだけでなくハイディとも仲が良いために、周囲からは完全にメンバー扱いされている。ルーファを連れ戻すため、幾度となくクルナの部屋に押しかけるが、その性格ゆえにクルナの「特技」にしてやられたり、言いくるめられた挙句いいようにこき使われたりと散々な目に会っている(ルーファ自身がクルナの側から離れたがらないことも一因している)。精霊としての能力は高く、素直で真っ直ぐな性格もあって契約を望む楽士が大勢いるが、「ルーファを連れ戻す」までは誰とも精霊契約を結ぶ気は無いようである。 シーヴァル・リグルス クルナの義弟である紅顔の美少年。兄とは似ても似つかないまともな性格をしている一方、何かと問題のある人間性の兄の扱い方も心得ている。幼少期から神童と呼ばれ、わずか15歳で凰都ヴィレニスの歴代トップの成績で神曲楽士資格を取得し、現在はリーマ&グレイス・カンパニーに勤務している期待の俊英。フレーラと精霊契約を結ぼうとしているが、現在のところ拒否され続けている。楽士としての兄を誰よりも尊敬しており、彼が再び神曲楽士の道に復帰してくれることを心から望んでいる。 フレーラ・キシュ・クワオルス リーマ&グレイス・カンパニーに勤務している上級精霊。闇夜の宝石<ナハトエーデルシュタイン>とも呼ばれる有能で名の知られた精霊。敵対する存在には一片の容赦もしない性格なのだが、クルナ絡みのこととなると態度が駄目な人の方向に豹変する。クルナの在学中にほんの僅かだけ演奏してもらった神曲に魅せられており、彼の契約精霊となることが夢。だが、全てを捧げ尽くすことを望みながらも、当のクルナからは全く相手にされていない。そのため、彼の側にいつも侍っているルーファを目の敵にしている。 エステル・ラルサ・ヘリオバス 始祖精霊の一柱で銀の女神。神曲を音ではなく色として「観る」ことができる。銀色の歴史家<アルゼンテウス・ヒストリア>と呼ばれ、常に穏やかな表情を絶やさない温和な性格。リーマ&グレイス・カンパニーを介してクルナ達と接触するが、エステル自身に契約楽士はおらず、現在はリーマの下に居候として世話になっている。精霊に血縁関係という概念はないが、特に深い理由も無くフレーラを妹と呼ぶ。神曲への拘りも無く、ただあらゆる音を色として観たいという欲求の下に世界から付かず離れずの関係を保っている。それゆえに、コーティカルテからは「もっとも始祖精霊らしい始祖精霊」と言われている。クルナに強い興味を抱いているらしく、そこからブラウクローネ号に関しても色々と首をつっこんでいる。 ハインツ うらぶれた歓楽街の片隅に住まうクルナの顔見知りの情報屋で、頬に傷のある大柄な白人。上半身には複雑な文様の刺青が刻まれている。粗野な外見からは一見わかり難いが実は精霊であり、人間と違って物入りなどないはずの彼が、なぜ現金を必要としているのかは不明である。かつて沿岸警備隊に所属していた過去があり、「ブラウクローネ事件」で出動した唯一の精霊 でもある。同事件の関係者については独自に追跡調査を続けており、その中には当然クルナやラーフィンも含まれている。 キリヤ・リーマ 後発であった神曲楽士派遣事務所を、瞬く間にヴィレニス最大手にしたという手腕を誇るリーマ&グレイス・カンパニーの女所長。クララス音楽学院出身の神曲楽士で、クルナの先輩にあたる。リグルスからクルナやルーファの情報を聞き、クルナを事務所に引き入れようと画策している。クルナ曰く、「一番おっかない卒業生」らしい。 社名が示しているように、リーマ&グレイス・カンパニーには彼女の他にもう一人「グレイス」という責任者がいる。 ホゾナ・モーズヤ 人類至上主義に基づく「ホゾナ理論」を提唱した、元大学教授。現在ではクガノ・ハブロスの影響もあって人類至上主義は反精霊主義の代名詞のように扱われているが、元々は精霊を尊重しつつも精霊に頼らず、人間の力で生きるという極めて穏健な思想だった。それを信奉した人々の行動が「ブラウクローネ号事件」につながり、その責を負って大学を辞している。ヴィレニスの一角にある廃校に住み着いて研究を続けていたが、皇太子を狙ったテロ事件の騒動の最中に殺害される。 タイラニ・ラーフィン タイラニ家の三男で神曲楽士。クルナと同じく「ブラウクローネ号事件」の遺族であり、クルナもその名前だけは知っていた。同事件で死亡した反精霊主義者の次兄イーゼンに反発する形でクララス音楽学院に入学。優秀な成績で卒業した後は実家に戻って中級精霊セニアと契約し、タイラニ家の絡みの事件を担当する私的な神曲楽士として様々な依頼を果たしてきた。だが、ある日交通事故に巻き込まれて指の機能が麻痺したことから神曲楽士を廃業した。それによりセニアとの精霊契約も解除しようとするが、セニアがそれを拒否。彼自身もセニアを愛していたことから、彼女が暴走しても誰にも迷惑のかからない無人の土地へ行き、そこで自分が死ぬかセニアが消滅するまで傍で見守り続けるつもりだった。 セニア・スーサ・キュビワニー タイラニ・ラーフィンと契約している中級精霊。ハイディとは三国戦争において敵という形での顔見知り。三国戦争時代は好んで傭兵をしていたことからもわかるように、とことん荒事が好きな性格。しかも「精霊至上主義廃墟理論」に頭からどっぷりと漬かっていたため、三国戦争終了後からラーフィンに出会うまではかなり荒んでいた。それは精霊だろうが誰だろうがとにかく好戦的に接することから、茨のセニアとあだ名がつけられたほど。だが、ラーフィンと出会い契約を結んでからは過去も廃墟理論も全て捨ててひたすら彼に尽くしていた。 ラーフィンが楽士を廃業してからも彼に対する裏切り行為になるとして契約破棄を拒否。存在しないと知りつつも、ラーフィンと共に暴走を止める薬を探す旅に出る。だが日を追う毎に衰弱していき、タイラニ家の依頼で二人を連れ戻しに来たクルナ達の目の前で遂に暴走。迎え撃ったルーファとハイディを相手に互角以上の戦いを展開する。その場は、別ルートでタイラニ家の依頼を受けていたフォロンとコーティカルテによる容赦の無い一撃でルーファ達ごと倒されて収まったものの、セニアの再暴走は時間の問題だった。そこに駆けつけた(というよりは騙されてやって来た)クルナの演奏とラーフィンの説得により契約解除と再調律が行われて消滅は免れた。 ケーマ・テリピヌ・ヤズルカ ヴィレニス郊外の荒地(ハピリカとの国境周辺)でクルナに拾われたフマヌビックの精霊。発見された時には傷だらけで、名前以外の大半の記憶を喪失している。テロリスト組織と思われる集団の仲間であった様子。 「テリピヌ」というのは珍しい柱名で、かつての「聖カエルレウムの虐殺」事件に巻き込まれた精霊だった。その際に、他の精霊たちと同じくルーファに殺されたと思われていたが、実は殺されずに生存していた。
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