その他の学部・学科
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2005年、「受容体型細胞表面タンパク質と、そのシグナル伝達系を標的とした医薬品開発(研究代表者:薬学研究科・益子高)」が文部科学省平成17年度私学学術研究高度化推進事業(17文科高第404号)に採択された。益子高細胞生物学研究室ウェブサイト上で活動状況に概要・学術フロンティア構想調書・共同研究プロジェクト調書を公開した。 2005年7月より、大学院の総合理工学研究科・理学専攻「遺伝カウンセラー養成課程」が、文部科学省科学技術振興調整費「新興分野人材養成プログラム」として、京都大学大学院の「遺伝カウンセラー・コーディネータユニット」との合同プログラムの形で、5か年受託事業に採択された。 理工学部では、飲料工場から大量に廃棄処分されるコーヒー・茶葉のかすや、間伐材などを原料として、製鉄や鋳造の工程に使用できる植物由来固形燃料(バイオコークス)を量産するための装置を、三菱重工業とともに開発。近年ではナニワ炉機研究所とともに従来装置の4倍の生産能力をもつ連続自動運転装置が新たに開発された。 2008年4月22日には、北海道恵庭市の近畿大学資源再生研究所内に、実証実験などを行う研究施設「近畿大学バイオコークス量産実証実験センター」が新設された。このプロジェクトは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の助成事業にも採択されている。 また、このプロジェクトを北海道内でも告知するため、2008年3月20日より札幌ドームのバックネット下1塁側寄りフェンスに設置された回転式広告に、「環境にやさしい新エネルギー、バイオコークス:近畿大学」の広告を掲示している。 2008年7月16日には、日本コカコーラグループより提供された茶かすより生産されたバイオコークスを、豊田自動織機東知多工場内の自動車部品鋳造用大型炉の燃料の一部に試験的に使用し、石炭コークスの使用を約11.4%削減させる効果を確認した。 2010年3月には、大阪府森林組合との協力により、バイオコークスの事業化のための工場を、大阪府高槻市に開設すると発表した。そして翌年2011年4月22日に工場が開設、同年6月より本格的に生産を開始した。 2008年6月18日より、文芸学部の学生が缶をデザインしたキリンビールの発泡酒「麒麟淡麗〈生〉」の大阪府下限定品「おおきに大阪!キリンで元気!デザイン缶」(350ミリリットル・約2万ケース)が販売された。これは発売10周年を迎えた同商品が、全国都道府県の中で大阪の出荷量が一番多い(2007年同社内県別実績)ことから、「大阪の皆さまへの感謝の気持ちを込めて発売する」という同社の企画に、産学連携活動の一環として、同学が協力したものである。地元・大阪の大学の中でもデザイナーや画家などを目指す学生が多く在籍するとされる、同学の文芸学部芸術学科の学生たちから、大阪の食を代表するたこ焼きをテーマにしたデザインを募集したものである。寄せられた作品の中から、今年4月に同社サイト上でデザインコンテストを実施した結果、最多票を獲得した「大阪城や通天閣、HEP FIVEの観覧車を背景に、大阪名物のたこ焼きを大胆に配置した元気あふれるデザイン」(同社)が採用された。また同日には、同学と地域交流の面で協定を結んでいる、八尾市のショッピングセンターアリオ八尾で、発売記念イベントも行われた。 2009年2月25日には医学部において、変死体の死因究明に役立てる「死亡時画像診断」(オートプシー・イメージング、Ai)システムを導入したと発表した。大学医学部の法医学教室への導入としては日本初となる。同システムは、死亡者専用のCT(コンピュータ断層撮影)装置の画像を立体化処理してモニターに映し、メスで遺体を傷つけない非破壊検査が解剖の前段階で可能で、全身を3ミリ間隔で輪切りにした画像を約3分間で600枚撮影し、体の奥深くの出血なども発見できるという。医学部の巽信二主任教授は「将来はすべての変死体にAiを実施し、より公正で客観的な死因究明を可能にしたい。同年5月に始まることになった裁判員制度でも、視覚効果を活用したわかりやすい判断材料を法廷に提供できるだろう」と話している。 さらに2010年10月7日には、同じ医学部・法医学教室に、DNA鑑定の精度とスピードを従来と比べて大幅に向上させることができる「ゲノム定量解析システム」が導入され、本格的な稼働を開始した。このシステムは現在、世界でも250台程度しか稼働していない最先端のものであり、そのほとんどががんや難病などの治療を目的とする疫学的研究に用いられているが、法医学分野での活用を主目的とする導入例としては、国内で初と言うことである。 2008年11月には生物理工学部の泉井桂教授が、京都大学と共同で、シックハウス症候群の原因とされる、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸収する働きを持つ細菌の遺伝子を組み込んだ植物の開発に成功した。将来的には観賞植物などへの応用も期待されている。 生物理工学部と先端技術総合研究所はマンモス復活プロジェクトをロシア連邦および岐阜県と共同で進めている。2009年1月8日には、同学と岐阜県畜産研究所の研究チームが、このプロジェクトで活用されたクローン技術を応用して、1993年に亡くなった飛騨牛の元祖といわれる「安福号」の冷蔵保存された精巣から、生き残った細胞を培養・増殖させて、同じ遺伝子を持つクローン牛を誕生させることに成功したと発表した。 2010年9月28日に生物理工学部は、大阪歯科大学とともに、骨や歯の主成分であるハイドロキシアパタイトを極薄のシートに成形したものを、歯科治療に応用する共同研究を始めたと発表した。これは、生体親和性に優れる同シートをばんそうこうの様に、歯の表面にはりつけ、歯質の修復や保護、審美、知覚過敏症の治療にも役立てることを狙ったものであり、今回の治療に関する特許(「硬組織の再生材料および再生方法」)についても、両大学での出願が行われた。 2012年5月23日には、同学の工学部・薬学部・原子力研究所を中心とする研究グループが、水に溶けたセシウムをろ過して99%以上取り除くことができ、建築物の壁や床材として使える強度を備える漆喰(しっくい)「ゼオCa(カルシウム)漆喰」の開発に成功したと発表した。セシウムを吸着する性質を持つ鉱物のゼオライトを高濃度かつ特殊な方法で漆喰に混合することで、セシウム吸着能力と建材としての強度確保を両立させたものである。今後は東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故によるセシウムの放射性同位体(セシウム134、セシウム137)による汚染に対し、セシウムの除去や封じ込めに活用できる可能性があるとして、活用方法について調査研究を進めるとしている。 2012年7月には、同学および近畿日本鉄道(近鉄)・丸紅の3者連携により、近鉄吉野線福神駅前の遊休地に農業施設「近鉄ふぁーむ花吉野」が開設された。施設内の植物工場では、レタスなどの葉物類やラディッシュなどのミニ根菜類が、農業用ハウスではトマトが生産されており、「花吉野からやさい。」シリーズとして、近鉄グループの近商ストアでの販売や、ホテル・レストラン向け食材として供給されている。
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