ゼオライト
英語:zeolite
表面に多数の微細な孔を持つ鉱物。天然に採れる鉱物で、アルミニウムが採取できる「アルミノケイ酸塩」の一種である。
ゼオライトが持つ微細な穴は水分子を吸着する。加熱によって水分子を分離し、あたかも沸騰したような様子を見せることから、沸石という名称がつけられている。
ゼオライトは水分子の他にも、窒素酸化物やホルムアルデヒド(酸化メチレン)などの有毒物質や悪臭の原因物質などを吸着する効果があるとされ、触媒などとして多く利用されている。自動車のマフラーに組み込まれたり、猫砂などとしても利用される。
2011年3月に原発事故が発生した東京電力福島第一原子力発電所では、2011年4月に至ってもなお深刻な状況が続いており、冷却作業のため低レベルの汚染水を海中に廃棄することを余儀なくされている。4日16日現在、仙台市青葉区で採れる天然ゼオライトに放射性セシウムを吸着する効果が認められたことから、急遽「シルトフェンス」と共に原発沿岸の海に投入されることが決定した。
また、2011年4月29日には、シルトフェンスによって拡散の抑止が図られている「海の汚染水」に対して、ゼオライトを使用した「循環装置」を5月にも設置し、汚染水の処理を進めることが発表されている。
ゼオライト【zeolite】
ゼオライト
ゼオライトとは、分子サイズの細孔を持つ結晶性アルミノケイ酸塩の総称である。ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)が酸素を媒介することによって結合された構造をしており、その骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開いている。この穴によって、水や有機分子のような様々な分子を吸着作用によって骨格中に取り込むことができる。
ゼオライト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 16:53 UTC 版)
ゼオライト(沸石 (ふっせき)、zeolite)とはミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩であり、細孔径は0.3~1 nmである。分子ふるい、イオン交換材料、触媒および吸着材料として利用され、工業的に重要な物質となっている。組成式は一般にMn+x/nAlxSiyO2x+2yx-・zH2Oで表される。天然に存在する鉱物グループでもあるが[1]、現在では自然界から採掘されるもの以外に、様々な構造および物性を持つゼオライトが人工的に合成されている。
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- ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、394頁。ISBN 4-8181-8401-2。
- ^ 天然ゼオライトとは?
- ^ Berrer, R.M. (1978). “Zeolites and Clay Minerals as Sorbents and Molecular Sieves”. Academic Press: 1.
- ^ ゼオライトとは
- ^ International Zeolite Association, Database of Zeolite Structures
- ^ Webmineral Zeolites, Dana Classification
- ^ “IZA Structure Commission”. www.iza-structure.org. 2017年1月23日閲覧。
- ^ 佐藤満雄、ゼオライト系珪酸塩のすぐれた特性とその利用 鉄と鋼 1985年 71巻 7号 p.800-806, doi:10.2355/tetsutohagane1955.71.7_800
- ^ Arch. Environ. Contam. Toxicol. 47: 440. (2004). doi:10.1007/s00244-004-4003-3.
- ^ Kita, H. (1995). J. Mater. Sci. Lett. 14: 206.
- ^ https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/aquachem/product/1200496_7280.html
- ^ 3.洗浄力を高める助剤を供給 ビルダー(洗浄助剤)分野日本石鹸洗剤工業会(2018年4月5日閲覧)
- 1 ゼオライトとは
- 2 ゼオライトの概要
- 3 イオン交換能
- 4 安全性
- 5 外部リンク
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