形式電荷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/28 08:50 UTC 版)
いずれの化学結合も理想的な共有結合(非極性結合)を仮定することで、個々の原子の見かけの電荷を決定することができる。この見かけの電荷のことを形式電荷と呼ぶ。形式電荷と実際の原子の部分電荷を結びつけるには各原子の電気陰性度を考慮しなければならないが、しばしば実際の電荷を考える上でも参考になる。実際、位相構造と共鳴構造の記述、比較、検証に用いられる。 一般に、原子の形式電荷は以下の式を用いて計算することができる。 C f = N v − U e − B n 2 {\displaystyle C_{f}=N_{v}-U_{e}-{\frac {B_{n}}{2}}} C f {\displaystyle C_{f}} :形式電荷 N v {\displaystyle N_{v}} :結合していない中性原子の価電子数 U e {\displaystyle U_{e}} :非共有電子数 B n {\displaystyle B_{n}} :結合電子数 化合物中のある原子の形式電荷は、中性原子が持っている価電子の数とルイス構造式中においてその原子がもっている電子数との差として計算される。共有結合中の電子は結合に関与する原子間で等しく分割される。イオンの総形式電荷はイオンの実際の電荷と等しくなければならず、中性分子の総形式電荷はゼロでなければならない。
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