自然科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 22:54 UTC 版)
概要
自然科学において取り扱う対象は、大きくは宇宙から小さくは素粒子の世界まで含まれる。生物やその生息環境も対象となっており、そこには生物としてのヒトも含んでいる。対照的に、人間が作り出した文化や社会──すなわち哲学、歴史、法律、政治、経済等々──に関しては、主に人文科学・社会科学・人文社会科学(cultural social science)[7]・自然社会科学(natural social science)[8]が扱っている。
この「自然科学」(ナチュラルサイエンス natural science)という用語と対比される用語は、近年の日本では一般に、
- 「社会科学」(ソーシャルサイエンス social science)
- 「人文科学」(カルチュラルサイエンス cultural science)または「人文学」(ヒューマニティーズ humanities)
であることが多い。19世紀のヨーロッパにおいて諸科学が分化・独立した際に英語圏ではそのような呼び分けが生まれた。ただしドイツでは、対比・区分が若干異なり、ナトゥーアヴィッセンシャフト(自然科学・科学 Naturwissenschaft) は「文化科学 Kulturwissenschaft」や「精神科学 Geisteswissenschaft」と対比されることが多い[9]。日本でもドイツの影響を大きく受けていた時代には、こうしたドイツ式の対比で説明する科学者もかなりいたが、近年の日本では主として英語圏に倣った対比が行われている。
自然科学の歴史は科学史の分野で研究対象とされている。自然科学を対象とする哲学的考察は認識論および科学哲学においてなされており、「科学基礎論」と呼ばれることもある。
注釈
- ^ 以下、『精選版 日本国語大辞典』の原文:
- ^ 自然学(physica)[要出典]。自然科学とは異なり、ここでは自然哲学を指す[要出典]。近代自然科学の成立の後はこのphysicaという語は指す対象が変わり、物理学を意味するようになった[要出典]。
- ^ 19世紀まではscienceという言葉には今日的な意味での「科学」というニュアンスはなく(詳しくは科学#近代を参照)、今日の自然科学に相当する分野には「自然哲学」(natural philosophy)もしくは「自然学」(physics)という名称がもっぱら使われ、その分野の研究者も自然哲学者、自然学者を自認していたが、自然科学成立の経緯も踏まえて、当時の自然哲学研究も自然科学の一部に含むことが多い[要出典]。
- ^ 例えば物理学をバックグラウンドとする科学史家などが説明する場合は、天文現象の研究にばかり言及し、他領域を見落としたり無視してしまうことも多い[要出典]。
- ^ 成果・知識が共有されても、発見した者、プライオリティがある者は社会的には特別な扱いを受け、名誉などを得ることが多い[要出典]。20世紀に始まったノーベル賞でもプライオリティのある者に対して賞および賞金が与えられている[要出典]。
出典
- ^ “『英辞郎』「自然科学」”. 英辞郎 on the WEB. 2021年7月4日閲覧。
- ^ “『百科事典マイペディア』「科学」”. コトバンク. 2021年7月4日閲覧。
- ^ 『広辞苑』(第五版)岩波書店、1998年11月11日、1174頁。
- ^ a b “『精選版 日本国語大辞典』「自然科学」”. コトバンク. 2021年7月4日閲覧。
- ^ 『大学事典』「理学部」
- ^ a b “natural science”. Dictionary.com
- ^ Google Scholar - "cultural social science"
- ^ Google Scholar - "natural social science"
- ^ 丸山高司『人間科学の方法論争』勁草書房。ISBN 4-326-15162-5。
- ^ a b c d 佐々木力 (1996, pp. 138–139)
- ^ a b c d e f 佐々木力 (1996, pp. 140–141)
- ^ 『ブリタニカ百科事典「物理学」』。ISBN 1-59339-292-3。LCCN 2006-921233。OCLC 71783328。
- ^ “7 Universities Offering Free Natural Sciences Courses Online”. Study.com
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