水産学部とは? わかりやすく解説

水産学部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 02:40 UTC 版)

水産学部(すいさんがくぶ、英語: Faculty of Fisheries)とは、魚介類を中心とする水棲生物について、増殖漁獲加工流通まで水産業全体を研究する学問体系を学ぶ学部である。

概説

日本においては、水産業の中心を海洋が占めているために海洋学と混同される場合もあるが、産業への応用を目指す視点や漁獲および加工技術を含むことから異なる学問体系を取っている。近年、他の農学系の学部や商船大学などと統合され生物資源学部海洋科学部と改編改称する大学もある。これは学問体系に縛られず海と陸を結んだ幅広い研究や海そのものの研究を為すためであるが、実際は畜産学部や水産学部といった言葉のイメージが古臭く感じられたり3Kを連想させるために学生が集りにくくなったための打開策という側面ももつ。

食糧生産を目標とする学問として農学の知識を応用する場合も多く見られ農学系学部に分類されるが、一次生産が漁獲という狩猟的な手段を中心としているため、資源管理という特有の体系を有する。また、畜産と比較して生産物が画一になりにくいため、加工および流通にも特有の面が見られる。

北海道大学東京水産大学(現、東京海洋大学)、長崎大学鹿児島大学の各水産学部は国策として研究海域を分担するため設置されたが特に制約は無い。実際、近場のフィールドを研究するメリットのほうが大きいため配置通りの研究の分散が為されている。

  • 北海道大学・・・オホーツク海、日本海北部、北太平洋北部
  • 東京海洋大学・・・北太平洋中部
  • 長崎大学・・・・・・日本海南部、東シナ海、有明海
  • 鹿児島大学・・・北太平洋南部

他に、農林水産省所管の省庁大学校として、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校山口県下関市)がある。

東京水産大学が東京商船大学と統合され東京海洋大学になった2003年以降、「水産」という名称を大学名や学部名に含む大学は、北海道大学、長崎大学、鹿児島大学(加えて、省庁大学校を含めれば水産大学校)のみである[1]。「水産」の名称を持たなくても、下記のリンクに示す通り水産学系の学部・学科を持つ大学は全国各地にあり、農学系学部の一学科として設置されている大学が多い。

水産学部を卒業するなどして、水産に関する学科を専攻し学士学位を取得し、1年以上その学科に関する実地経験(技術優秀)を有する者は、教育職員検定を経て高等学校教諭一種(水産実習)の普通免許状を取得することも可能となっている(教育職員免許法・別表第五)。

また、東京海洋大学と鹿児島大学には、高等学校の水産教員養成課程がある。

水産学の分野一覧

外部リンク

大学・省庁大学校

※水産学部、水産系学部、水産学科、水産系学科を持つ大学および省庁大学校

国立大学
公立大学
私立大学
大学校

学会・研究機関

関連項目

脚注

  1. ^ 三重大学生物資源学部海洋生物資源学科は水産学部(三重県立大学水産学部が起源)を前身としている。

水産学部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 18:29 UTC 版)

鹿児島大学」の記事における「水産学部」の解説

水産学部は1908年設置され鹿児島県商船学校前身その後函館次いで内地2番目の水産専門学校として1946年鹿児島水産専門学校設立。「海を怖れず、海を愛し、海を開け」をモットー鹿児島から東南アジア南太平洋を含む海洋水域フィールドとし、水産資源持続的生産とその合理的利用水圏環境保全生活文化創出分野地域貢献国際社会貢献する人材育成することを教育の目的としている。また、平成15年には大学教育分野では初め品質マネジメントシステム対すISO9001適合性認証取得した水産学科水圏科学分野 水産資源科学分野 水産食品科分野 水産経済学分野 水圏環境保全分野 国際食料資源学特別コース水産学系サブコース)

※この「水産学部」の解説は、「鹿児島大学」の解説の一部です。
「水産学部」を含む「鹿児島大学」の記事については、「鹿児島大学」の概要を参照ください。

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