2019新型コロナウイルスへの適用とは? わかりやすく解説

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2019新型コロナウイルスへの適用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 23:06 UTC 版)

レムデシビル」の記事における「2019新型コロナウイルスへの適用」の解説

詳細は「COVID-19に対する薬剤転用研究」を参照 2020年5月1日アメリカ合衆国コンパッショネート使用認めた新薬であり、日本では特例承認制度」を用いて2020年5月7日正式に新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) への治療薬として、世界で初め承認された。点滴静脈注射により最長10日投与する2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) によって引き起こされ新型コロナウイルス感染症の流行対応してギリアド社は、中国医療機関協力してその効果研究するために「少数患者」にレムデシビル提供したギリアドは、新型コロナウイルス感染症対すレムデシビル臨床検査開始したギリアドは、レムデシビルSARSおよびMERS動物実験で「有効であることが示された (shown to be active)」と述べた2020年1月下旬新型コロナウイルス感染していることが確認され最初米国患者に、未承認薬コンパッショネート使用として、投与された。肺炎進行した後で投与だったが、患者の状態は翌日劇的に改善し最終的に退院した。ただし、この急速な回復薬物効果よるものであるかどうか明確に証明することはできない1月下旬中国医学研究者は、30薬剤候補選択考慮した探索的研究で、そのうち3つレムデシビル、クロロキン、ロピナビル/リトナビルを、細胞レベル新型コロナウイルス対し「かなり良い抑制効果がある (fairly good inhibitory effects)」と報道機関対し発表した2月4日ネイチャー姉妹誌であるCell Researchに、中国科学院武漢ウイルス研究所などの研究グループ発表したレター (速報論文) によればin vitro (試験管内) の環境下で、アフリカミドリザル起源標準細胞 Vero E6細胞用いてレムデシビルを含む7種類物質新型コロナウイルス対する抗ウイルス効果を、50%効果濃度 (EC50値) を基準として評価する試験行ったところ、レムデシビルEC50値は 0.77 μMmol/L) であり、試され7つ物質のうちでは、最も高い効果示していた。 2月6日中国レムデシビル臨床試験開始された。 2月15日付け科技日报(発行中華人民共和国科学技術部)は、上記in vitro 試験結果基づいてレムデシビル以外にも、ファビピラビル、クロロキンの臨床試験開始した発表した3月12日に、米国複数研究者構成する横断的研究チームである”The COVID-19 Investigation Team”が、medRxiVプレプリントサーバ上に投稿した査読論文によれば1月20日から2月5日にかけて、アメリカ疾病予防管理センター (CDC) により新型コロナウイルスへの感染確定した米国における最初12人の患者について、彼らは情報収集行ったところ、12人の患者のうちの7人が入院治療を受け、さらにこの内の3人に対してレムデシビル投与されていた。研究チームは、レムデシビル投与コントロールされランダム対照試験のもとで行われたものではないので、その治療効果については評価できないとしている。レムデシビル副作用については、これを投与された3人の患者を含む、治療受けた7人の患者全てで、肝臓の損傷を示すアミノ基転移酵素(アミノトランスファーゼ、ASTおよびALT)の血中濃度の上昇が見られたが、これとレムデシビル因果関係については結論述べていない(グラフから見て因果関係がありそうなのは3人中1人のみ)。3月14日付けの、米国投資情報会社 The Motley Fool調査員 Cory Renauer のレポートによれば、この未査読論文言及されている、肝臓の酵素血中濃度の上昇が、もしレムデシビル副作用であるのなら、レムデシビル息の根を止めかねないほど重大な問題であるとしている。ただし、Renauer によれば、この臨床試験においてはレムデシビル投与群とそれ以外患者群は完全にランダムに配分され訳ではないので、レムデシビル副作用判断するのは時期尚早であるとも述べている。 4月10日医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン (NEJM) に発表された、ギリアド社が資金提供レムデシビル臨床研究実施した各国の研究者が連名著した論文Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19によればレムデシビル重症コロナ肺炎患者へのコンパッショネート・ユースでの臨床試験データ集計したところ、53人の患者の内、36人 (64%) の患者呼吸機能改善見られたとしている。53人の重症患者のうち、体外式膜型人工肺 (ECMO) または陰圧人工呼吸器使用者34人、それ以外19であった用法用例標準としては、点滴静脈注射により、初日200mg、それ以降1日100mg、10日投与であった改善についての所見呼吸機能のみに着目したものであり、胸部X線影像改善PCR陰転化などについては触れられていない。この臨床試験はあくまでコンパッショネート・ユースであり、二重盲検法ランダムに投与群と対照群 (プラシーボ投与する) を設定する厳格な対照試験ではないが、現在数カ国でこのような対照試験実施中であり、近々さらに厳格な証拠与えられるであろうとの言及がある。3月12日発表論文(前述)でも言及されていた、肝臓の損傷を示す肝酵素 (ALTAST) の血中濃度の上昇は、今回調査対象でも、53人中12人 (23%) の患者認められた。これを含め何らかの副作用認められ患者は、53人中32人 (60%) であった4月23日の、米国医学情報報道サイト STAT報道によればギリアド社が中国実施していた、レムデシビル無作為抽出による初期臨床試験報告書草稿が、誤って世界保健機関 (WHO) のウェブサイト上に掲載され、すぐに削除されたが、STATスタッフ掲載気づいて画像保存していた。この草稿によればコロナ肺炎患者237人のうち、158人をレムデシビル投与群とし、79人を対照群 (プラシーボ投与) として試験実施したところ、死亡率レムデシビル投与群が13.9%、対照群が12.8%であり、有意な差は見られなかったと報告している。同日フィナンシャル・タイムズは、削除され草案内容からレムデシビル初期臨床試験失敗終わった報じると、製造メーカーであるギリアド株価は約6%下落ギリアド側は、被験者少なく打ち切られ治験に基づく草案であり、結果確定的ではないと反論した4月30日ギリアド社はプレスリリースにて、レムデシビル有用性報告した。ACTT-1試験において、レムデシビルプラセボ比較して回復までの期間を短縮させ(11日 vs 15日)、また14日目時点での死亡率改善させる傾向にあった7.1% vs 11.9%)。またSIMPLE試験においてレムデシビル5日投与10日投与比較され有効性有意差認めなかった。 5月12日に、日本での医療現場への供給開始したことが加藤勝信厚生労働大臣により発表された。 6月29日ギリアド社は、公的保険を持つ先進国政府向けの価格患者1人あたり2340ドル(約25万円)に設定する発表した。1本当たりの薬価は390ドルで、標準的な治療では5日間で6本投与される米国ではこの価格設定比較割安評価された。Vekluryの特許出願では、100 mgレムデシビル加えてLigand Pharmaceuticals米国サンディエゴ)またはCycloLab Cyclodextrin R&D Laboratory Ltd.ブダペストハンガリー)が製造したスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン商品名:CaptisolまたはDexolve)が可溶化剤として、3.0gあるいは6.0使用されている。 10月17日、WHOは大規模な治験の結果レムデシビル新型コロナウイルス効果がなかったとの暫定的な研究結果発表し11月20日副作用医療現場への負担懸念から新型コロナウイルス患者に対して使用しないことを勧告した厚生労働省は、現時点特例承認取り消し考えておらず、厚労省の「診療の手引き」によると、原則として重症患者投与するとされていて、手引き改訂時に、WHOが今回示したデータ追加などを検討する12月10日、元ニューヨーク市長ジュリアーニ弁護士当該ウイルス罹患したが、レムデシビル緩解したと発表し職務復帰した

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2019新型コロナウイルスへの適用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 07:54 UTC 版)

「クロロキン」の記事における「2019新型コロナウイルスへの適用」の解説

詳細は「COVID-19に対する薬剤転用研究」を参照 当初新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)への期待寄せられていたが、現在の米国ガイドラインでは、クロロキンまたはヒドロキシクロロキンは、入院患者には使用しないことを推奨し外来患者でも臨床試験でない限り使用しないことを推奨している(これはアジスロマイシン併用問わない)。 2020年2月4日に、Cell Research英語版)に、中国科学院武漢ウイルス研究所などの研究グループ発表したレター (速報論文) によればin vitro (試験管内) の環境下で、アフリカミドリザル起源標準細胞 Vero E6細胞用いてリン酸クロロキンを含む7種類物質2019新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) に対する抗ウイルス効果を、50%効果濃度 (EC50値) を基準として評価する試験行ったところ、リン酸クロロキンEC50値は 1.13μM (マイクロモルリットル) であり、試され7つ物質のうちでは、エボラ出血熱治療薬として開発されレムデシビルEC50値の 0.77μM に次ぐ高い効果示していた。 2020年2月15日付け科技日报(発行中華人民共和国科学技術部によれば上記in vitro 試験結果基づいてファビピラビルレムデシビルリン酸クロロキンについて、既に中華人民共和国臨床試験開始されている。 2020年2月21日付け新華社報道によれば21日中国科学技術部、徐南平副部長記者会見公表されデータによれば北京広東でのリン酸クロロキン135例の臨床試験のうち、130人の軽症中等症の患者重症化することはなく、5人の重症患者のうち4人が退院し1人中等症に改善した2020年2月21日中国湖北省保健衛生委員会は「リン酸クロロキン使用における有害反応綿密な観察に関する通知」を発行した通知には、中国科学院武漢ウイルス学研究所によると、成人におけるこの致死量は2〜4g であり、急性致死性であることが記載されており、指定されすべての医療機関に、この薬物使用中注意深く観察することを要求している。 2020年3月4日中国国立保健医療委員会発表した新型コロナウイルス肺炎診断と治療計画第7版)」では、いかなる心臓病有する患者に対しても、リン酸クロロキン使用一律に禁止している。 2020年3月19日バイエルAGは、本剤レゾシン (Resochin) が新型コロナウイルス感染症治療使える可能性があることに備えて300錠を米国政府寄付した。本剤の効果について中国評価作業中としている。 2020年3月20日米国ドナルド・トランプ大統領記者会見で、クロロキンが新型コロナウイルスに有効で食品医薬品局 (FDA) も承認した発言した。しかしその後水槽清掃用のクロロキン(リン酸クロロキン)を服用した男性服用30分後に体調急変し米国アリゾナ州のバナーヘルス医療センター救急治療受けたものの、死亡した事例発生した。クロロキンの有効性については、FDA長官治療薬としては正式に承認していないと大統領発言直後訂正しており、FDA等が有効性調査している。3月25日中国での小規模研究結果は、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが、他の方法よりも新型コロナウイルス感染症効果がないことを示した2020年3月29日米食品医薬品局(FDA)は、クロロキンおよびヒドロキシクロロキンを、小規模な症例報告しかないものの「想定される効能リスク上回る考えられる」として、新型コロナウイルス感染症治療としての緊急使用許可(EUA)を発行した発表した2020年4月15日ブラジル行っていた臨床試験被験者死亡したため試験中止していたことが報道された。ブラジル北部マナウス病院新型コロナウイルス感染81名に臨床試験実施したところ、被験者のうち11名が死亡した。そのため、臨床試験6日中止された。3月22日フランスニース大学病院付属パストゥール病院でも臨床試験実施した副作用心臓病リスクのために直ち試験中止した2020年6月15日米食品医薬品局(FDA)は、クロロキンとヒドロキシクロロキンは、新たな研究結果から「新型コロナ治療有効な可能性は低い」ことが判明したので、心疾患関連有害事象や他の深刻な副作用考慮して新型コロナウイルス感染症治療での緊急使用許可(EUA)を撤回する発表した。さらに、両レムデシビル効果弱める可能性を示すデータ得られたとし、レムデシビル併用しないよう警告した

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