電源・制御方式とは? わかりやすく解説

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電源・制御方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 01:34 UTC 版)

新幹線0系電車」の記事における「電源・制御方式」の解説

2両を1単位として機器集約分散搭載するMM'ユニット採用し原則としてM車には主制御器抵抗器が、M'車には主変圧器整流装置補助電源装置・空気圧縮機集電装置空気遮断器ABB)・避雷器搭載されるが、例外もある。 架線からの交流25 kV変圧器降圧した上で二次巻線側にタップ設けて巻数変化させ、その後シリコン整流器整流して直流電源とし、直流電動機制御する低圧タップ制御としている。車載用のシリコン整流器は、既に1960年代初頭交流電気機関車交直流電車用いられ実績があった。 主変圧器(TM200)は、1,650 kVA定格容量備える。車両床下搭載する関係から極力高さを抑えて設計され絶縁油タンク高張力鋼を使うことで板厚薄くしている。主回路用の二次巻線は1,500 kVA補助電源回路用の三次巻線150 kVA定格容量備え三次巻線に関して電圧変動極力小さくなるように考慮されている。 主電動機制御するのは、2両毎に1基搭載され主制御器(CS21)である。主変圧器二次巻線側のタップ電動カムスイッチで切り替えて2両分8個の主電動機掛かる電圧25段階348 - 2,435 V)で調整している。タップ立て位置によって変圧器から任意の電圧得られるため、起動・力行用の抵抗器持っておらず、不要な損失発生しないまた、主電動機への印加電圧上げることで容易に回転上限拡大が可能となるため、弱界磁制御行なわない。また主回路は4個直列2並列回路となっており、電動機の直並列制御行わないが、変圧器二次側の結線を和動と差動切り替えることで制御段数増やしている。また主平滑リアクトル遮断器逆転器・力行ブレーキ主回路切替接触器搭載する電圧制御最終段における定格速度167 km/h である。 さらに、発電ブレーキ付加しており、200 km/h上の高速域から機械的な車輪ディスクブレーキのみに頼って制動をかけるのでは、発熱磨耗などの難点があるため、主電動機発電機として作動させることで走行運動エネルギー変換し抵抗器熱エネルギーとして発散させる方式である。特に高速域からのブレーキ時には効果的な手法で、在来線私鉄向けなどで多く実績がある。そのための抵抗器搭載し発電ブレーキの際は主回路主回路切替接触器により切替られて2群の主電動機4個直列接続による独立した発電ブレーキ回路形成されブレーキ用の主制御器により17段階調整できるようになっており、また補助電源回路からの交流電源専用変圧器により降圧させ整流器直流電源変換し主電動機の主界磁励磁させることによりブレーキ電流立上がり早めている。また発電ブレーキ50 km/h まで作動しそれ以下速度になると空気ブレーキ自動的に切替わる補助電源系、つまり列車走行営業運転に必要となる電動送風機電動圧縮機空調装置電動発電機電源は、主変圧器大容量三次巻線単相交流60 Hz220 V)から取られている。電動発電機(MH1040-DM74)は単相誘導電動機二相交流発電機組み合わせた構造20 kVA容量備える。瞬間停電電圧変動を嫌う機器のために設けられ単相交流220 V を交流100 V に変換して車内蛍光灯などの交流電源となる。さらに、二相交流100 V は整流器によって直流100 V となり、蓄電池制御回路などの電源となる。ATC列車無線無停電電源必要なことから、蓄電池直流100 V)を電源とした回転式インバータ単相交流60 Hz100 V)が先頭車両搭載されている。通常進行方向側1機使用とし、不具合生じた際には反対側のインバータ切り替わるようになっている。ただし、食堂車である36形搭載する電動発電機は、電子レンジなどの調理器具が他よりも格段に大きな電力消費することから厨房用の電源として容量増大したMH1063-DM84(容量35 kVA)が搭載されている。 また@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}主変圧器主整流器発電ブレーキ抵抗器には冷却のための電動送風機取付け変圧器冷却は外送油風冷式冷却のための不燃油を電動送風機冷却してそれを循環させることにより冷却され[要出典]、電動空気圧縮機電動機電動送風機と同じ物を使用しており圧縮機水平対向4気筒となっている。 集電装置 集電装置には、小型化して空気抵抗小さくするため、1959年昭和34年)にクモヤ93000現車による175 km/h 運転を含む実用試験実施した上で下枠交差パンタグラフ初め採用された。これも PS200形と、200付番されている。在来線用パンタグラフ比べて1/2の小型軽量化実現しており、押上げばねに並列してオイルダンパ装備して上下動共振時における振れ幅増加抑制している。集電舟は揚力発生抑えるため、舟体の断面長方形として、210 km/h 運転時において押上力が増加する設計となっている。3次車新造以降碍子は、絶縁性強化のため大型化された。この変更1、2次車にも施された。 新幹線用車両の中で本系列のみが特高圧引通線持たず、各ユニットに1基(16編成では8基)のパンタグラフ装備する。以下にその理由を記す。 開業当時送電方式BT (Booster Transformer) き電方式採用されていたため、特高圧引通線装備した場合ブースターセクション特高圧引通線短絡して帰線電流吸い上げ不能となるばかりか架線のほとんどの電流パンタグラフ特高圧引通線流れ通過時に大きなアーク発生しパンタグラフ損傷する危険があるため特高圧引通線装備できなかった。 同じく開業当初異相切替セクションの数を削減するため在来線採用した方面饋電上下線は同相)を採用せず、上下別に饋電することを採用した三相交流2つ単相交流にするスコット結線制約から90度ずれた2系統交流上下線に饋電され、それゆえ駅構内含め上下線の渡り線のすべてに絶縁セクションを必要とした(上下線の電圧差は位相差のため約35.4 kVにもなる)。もし特高圧引通線装備した列車(1両に2つパンタグラフ電気的に接続した場合も同様)渡り線パンタグラフ上げて通過する上下2系統交流線路短絡してしまうた採用不可であったその後送電方式現在のAT(Automatic Transformer)き電方式変更する際に方面饋電改めたため、上下線とも同相交流供給されるようになった駅構内はもちろん、上下線をまたぐすべての渡り線絶縁セクション異相セクション)が不要になった。これにより設備側については特高圧引通線装備可能になったが、本系列については屋根上にヒートポンプ式の空調装置並べられており、絶縁空調機メンテナンスの問題から装備することができなかった。ちなみに屋根のように見えるのは空調装置アルミ製のキセカバー)であり、構体としての屋根キセ内部空調装置下側にある。 ただし、JR西日本所属のNH82編成には例外的に特高圧通し準備工事施されており、0系では唯一屋根上にケーブルヘッドカバーを装着した車両連結されるなど、外観特徴があった。しかし、準備だけで結局特高圧通しが行われることはなかった。 0系16編成時は、8台ものパンタグラフ上げて走行していたが、風切りスパーク英語版)により、それらは非常に大きな騒音源となり、名古屋新幹線訴訟でも訴えられた。また、6両編成短縮されてからもなお3台のパンタグラフ有しており、東海道・山陽新幹線の中では、1編成あたりの実使用パンタグラフが最も多い系列となっていた。100系当初6台からパンタ半減工事ともなって3台(16編成もしくは2台(4・6編成)に、300系試作車当初5台を装備して後に3台となり、更に量産車では途中から3台から2台に、それ以降系列は、組成両数かかわらず全て2台使用である。

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電源・制御方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:54 UTC 版)

JR東日本719系電車」の記事における「電源・制御方式」の解説

713系電車実績のあるサイリスタ連続位相制御採用し、4基の直流主電動機直列制御する本方式は直流電気車見られる抵抗制御とは異なり衝動のない滑らかな加速が可能で電力損失小さ利点がある。また、電圧制御幅が広いことから、電動機端子電圧高く取ることができ、1個あたり130キロワット定格出力得ている。 本系列では主回路電機子2分割サイリスタブリッジと界磁制御用サイリスタブリッジを個別配置する他励方式(分巻方式)を採用した通常の電車用いられる直流電動機は、電機子界磁直列配置する直巻整流子電動機用いられるが、本系列では電機子と分巻界磁個別連続制御し、回生ブレーキ使用を可能とする構成である。ただし、起動から力行に至る特性では直巻方式が有利であるため直巻電動機同様の特性を持つように界磁側を制御する(直巻制御)。 制御用に16ビットマイクロコンピュータを搭載しており、力行時は直巻制御するほか界磁独立制御により35%弱め界磁回生ブレーキ抑速ブレーキ制御を行う。 主回路整流装置ダイオード併用しない全サイリスタとしており、回生ブレーキ使用時にはモーター発する直流交流変換するインバータとして動作する

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