米国慣用単位とは? わかりやすく解説

米国慣用単位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/31 02:54 UTC 版)

米国慣用単位(べいこくかんようたんい、英語: United States customary units、USCS: United States customary system)は、アメリカ合衆国で一般的に使用されている計量単位である。日本においてヤード・ポンド法と呼ばれているものの一つである。

米国慣用単位は、アメリカ合衆国が独立する以前のイギリス帝国で使用されていたイギリス単位から発展したものである。1824年にイギリス単位はいくつかの単位の定義を変更して帝国単位(imperial system)に改められたが、18世紀に既に独立していたアメリカ合衆国には適用されなかった。そのため、米国慣用単位と帝国単位では、対応する単位で若干の違い英語版がある。

ほとんどの慣用単位は、メートルキログラムに基づいて再定義されている。これは、1893年のメンデンホール指令によるものであり、実際にはそれ以前から進められていた[1]。これらの定義は、1959年の国際ヤード・ポンドの合意によって精緻化された[2]

アメリカ人は、商業活動や個人および社会的な使用のために主に慣用単位を使用する。科学、医療、工業の多くの分野と政府の一部において、メートル法が使用される。アメリカ国立標準技術研究所(NIST)では、ほとんどの用途でメートル法の最新の形である国際単位系(SI)を使用している[3]

歴史

米国慣用単位は、イギリスの帝国単位と類似している[4]。これはどちらも、アメリカ独立以前に使用されていたイギリス単位に由来するためであり、さらにそれは、古代ローマやアングロ=サクソンの単位に起源を持つ。

米国慣用単位は、19世紀後半に、アメリカに拠点を置くInternational Institute for Preserving and Perfecting Weights and Measuresによって擁護された。慣用単位の主唱者は、フランス革命的なシステム(メートル法)を無神論的であるとみなした[5]。オハイオの研究所の補助者は、「あらゆる『メートル法』のたくらみを打ち負かせ("down with every 'metric' scheme")」「完全なインチ、完全なパイント("A perfect inch, a perfect pint")」のような言い回しの詩を発表した[5]。 ある慣用単位の支持者は、慣用単位を「神が唯一認める、正当な度量衡("a just weight and a just measure, which alone are acceptable to the Lord.")」と呼んだ[5]

1988年、アメリカ政府は包括通商・競争力法英語版を可決した。その法律では、メートル法を「アメリカの取引・通商のための好ましい度量衡のシステム」としている。工業が「自発的に」メートル法に転換する(メートル法化する)のを助ける義務が連邦政府にはあると、法律には書かれている。CIAのザ・ワールド・ファクトブックによれば、アメリカ合衆国はメートル法を主たる度量衡として採用していない3つの国のうちの一つである(他はリベリアミャンマー[6]

慣用単位は、アメリカ合衆国の消費者製品や工業生産において広く使われている。メートル法は、科学・医療・工業と軍隊を含む政府の多くの部門における標準である[6]

大工や建設業界では、メートル法の使用に対する裏付けに乏しい反対論がある。それは、インチなら整数値と分数の和でミリメートルよりも覚えやすい[7]とか、フィートとインチによる計測は、長さを2分の1、3分の1、4分の1に分割するのに便利である[8]とか言うものである。

他のヨーロッパの国でも、米国慣用単位と似た名前を持ち、米国慣用単位と同様にゲルマン民族や古代ローマに起源を持つ慣用単位を、公式または非公式に持っている。しかし、これらの単位は、それが表す大きさが異なっていることがある。例えば、マイルはアメリカのマイルに対して半分から5倍までの開きがある。フィートポンドでも同様である。本項では、アメリカで広く使用されているか、公式に定義されている単位のみを扱う。

単位

長さ

単位 定義 SI換算
太字は正確な値であることを示す
国際
ポイント (p)
point
352.777778 µm
パイカ (P̸)
pica
12 p 4.233333 mm
インチ (in)
inch
6 P̸ 25.4 mm
フィート (ft)
foot
12 in 0.3048 m[9]
ヤード (yd)
yard
3 ft 0.9144 m[9]
マイル (mi)
mile
5280 ft , 1760 yd 1.609344 km
測量
リンク英語版 (li)
link
3350 ft , 7.92 in 0.2012 m
測量フィート (ft)
(survey) foot
12003937 m 0.30480061 m[9]
ロッド (rd)
rod
25 li , 16.5 ft 5.02921 m
チェーン (ch)
chain
4 rd , 66 ft 20.11684 m
ハロン (fur)
furlong
10 ch 201.1684 m
測量マイル (mi)
survey (or statute) mile
8 fur 1.609347218694 km[9]
リーグ (lea)
league
3 mi 4.828042 km
国際海事[9]
ファゾム (ftm)
fathom
2 yd 1.8288 m
ケーブル (cb)
cable
120 ftm , 1.091 fur 219.456 m
海里 (NM, nmi)
nautical mile
8.439 cb , 1.151 mi 1.852 km

慣用単位の長さの単位で日常的によく使われるのは、インチフィートヤードマイルの4つである。1959年7月1日、測量の用途を除いて1ヤードは正確に0.9144メートルと定められた[2]。アメリカ、イギリスと他のイギリス連邦諸国はこの定義(国際ヤード)に同意した。

測量フィート・測量マイル

国際ヤードが英語圏で導入されたとき、北アメリカの基本的な測地系は1927年の北米測地系(NAD27)だった。これは、1893年のメンデンホール指令で定義されたフィート(1フィート=12003937メートル)に基づく三角測量によって構築された。このフィートの定義はNAD27に由来するデータのために保持され、国際ヤードに基づく国際フィートとの区別のために「米国測量フィート」(US survey foot)と改称された[2]。国際フィートと測量フィートの差はほんのわずかで、ほとんどの目的において無視できる。1 国際フィートは正確に0.999 998 測量フィートであり、1マイルにつき約3.219ミリメートルの差しか生じない[10]。しかし、数百マイルをカバーすることもある国家平面座標系英語版(SPCS)には影響を及ぼす[11]

NAD27は1980年代に1983年の北米測地系(NAD83)によって置き換えられた。NAD83はメートルに基づいている。SPCSも更新されたが、国立測量局は、(測量にフィートを使用する場合)どのフィートの定義を使うかの決定は各州に委ねた。結果、全ての州でメートルによるSPCSを採用したものの、7つの州は測量フィート、8つの州は国際フィートによるSPCSもあわせて採用した。他の42の州はメートルによるSPCSのみを使用する[11]

測量フィート・測量マイルは2022年12月31日をもって廃止され、国際フィート・国際マイルに全面移行された[12]

面積

単位 定義 SI換算
太字は正確な値であることを示す
平方測量フィート (sq ft , ft2)
square survey foot
144 平方インチ 0.09290341 m2
平方チェーン (sq ch , ch2)
square chain
4356 sq ft (survey) , 16 sq rods 404.6873 m2
エーカー
acre
43560 sq ft (survey) , 10 sq ch 4046.873 m2
セクション
section
640 acres , 1 sq mile (survey) 2.589998 km2
サーベイ・タウンシップ英語版 (twp)
survey township
36 sections , 4 sq leagues 93.23993 km2

最も広く使用されている面積の単位はエーカーであり、この単位は長さの単位とは無関係な単位名称になっている。アメリカ国立標準技術研究所は、面積の慣用単位は国際フィートではなく測量フィートに基づいて定義されていると注意している[9]。右表の換算率は、アスティン(1968年7月27日)[13]と国立標準技術研究所(2008年)[14]に基づく。

体積

体積(一般)
単位 定義 SI換算
立方インチ (cu in) , (in3)
cubic inch
16.387064 mL[15]
立方フィート (cu ft) , (ft3)
cubic foot
1728 cu in 28.31685 L
立方ヤード (cu yd) , (yd3)
cubic yard
27 cu ft 764.554857984 L
0.764554857984 m3
エーカー・フィート (acre ft)
acre-foot
43560 cu ft
1613.333 cu yd
1.233482 ML
1233.482 m3

体積の単位では、立方インチ立方フィート立方ヤードがよく用いられる。これらとは別に、液量と乾量のための単位が存在する。

立方インチ・立方フィート・立方ヤード以外の体積の単位は、帝国単位と同じ名前でも大きさが異なっている。また、慣用単位では液量と乾量とで同じ名前でも大きさが異なっているが、帝国単位では1種類のみである。

液量

液量
斜体は、よく使われる単位であることを示す。
太字は正確な値であることを示す。
単位 定義 SI換算
ミニム英語版 (min)
minim
およそ1ドロップ英語版
0.95グレーンの水の体積
61.611519921875 μL
米液量ドラム (fl dr)
US fluid dram
60 min 3.6966911953125 mL
ティースプーン (tsp)
teaspoon
80 min 4.92892159375 mL
テーブルスプーン (Tbsp)
tablespoon
3 tsp , 4 fl dr 14.78676478125 mL
米液量オンス (fl oz)
US fluid ounce
2 Tbsp
1.0408オンスの水の体積
29.5735295625 mL
米ショット英語版 (jig)
US shot
3 Tbsp 44.36029434375 mL
米ジル (gi)
US gill
4 fl oz 118.29411825 mL
カップ英語版 (cp)
US cup
2 gi , 8 fl oz 236.5882365 mL
米液量パイント (pt)
US liquid pint
2 cp
16.65オンスの水の体積
473.176473 mL
米液量クォート (qt)
US liquid quart
2 pt 0.946352946 L
米液量ガロン (gal)
US liquid gallon
4 qt , 231 cu in 3.785411784 L
液量バレル (bbl)
liquid barrel
31.5 gal , 12 hogshead 119.240471196 L
石油バレル (bbl)
oil barrel
42 gal , 23 hogshead 158.987294928 L
ホッグスヘッド英語版
hogshead
63 gal , 8.421875 cu ft
524.7ポンドの水の体積
238.480942392 L

1米液量オンスは116米パイント、132米クォート、1128米ガロンに等しい。ティースプーン、テーブルスプーン、カップは、それぞれ1液量オンスの1612、および8倍として定義されている。液量オンスは元々質量1オンス常衡)の水の体積として定義されたために「オンス」という名前になっているが、慣用単位では1128米ガロンとして定義された。そのため、1液量オンスの水の質量は約1.041オンスになっている。

「世界中で1パイントは1ポンド("a pint's a pound the world around")」という言い回しは、1米パイント(16米液量オンス)の水の重さが約1ポンド(実際には4%ほど多い)であるという意味である。1英パイントの水は20オンス(1ポンドと1クォーター)である。

23.7米液量オンス(700 mL)入りのシャンプーのボトル。慣用単位とメートル法の単位が併記されている。

バレルは、量る物によってその値が異なる。ビールの場合は31ガロン、ウィスキや灯油の場合は40ガロン、石油の場合は42ガロンなどである。液量のための一般的なバレルの基準は、31.5ガロンまたは0.5ホッグスヘッドである。基準でないが、様々な製品や廃棄物を保存して輸送するための一般的な55ガロン入りのドラム缶の容積は1バレルと時々混同される。

アメリカでは、飲料は通常液量オンス単位で測られる。牛乳は、通常半パイント(8液量オンス)、パイント、クォート、半ガロン、ガロンの単位で販売される。シンク、浴槽、池、プールなどの水量は、通常ガロンや立方フィートで測られる。気体の量は、通常立方フィート(1気圧下において)で与えられる。ミニム、ドラム、ジルは、現在はめったに使われない。ジルは、「ハーフカップ」としばしば呼ばれる。

乾量

乾量
単位 定義 SI換算
乾量パイント (pt)
dry pint
33.60 cu in 0.5506105 L
乾量クォート (qt)
dry quart
2 pt 1.101221 L
乾量ガロン (gal)
dry gallon
4 qt , 268.8025 cu in 4.404884 L
ペック (pk)
peck
2 gal 8.809768 L
ブッシェル (bu)
bushel
4 pk , 1.244 cu ft 35.23907 L
乾量バレル (bbl)
dry barrel
7056 cu in , 3.281 bu 115.6271 L

小さな果物や野菜は、しばしば乾量パイントや乾量クォートの単位で販売される。米乾量ガロンはあまり用いられておらず、多くの州で測定法の典拠と認めるハンドブックに含まれていない[16][17]ペックブッシェルは、特に農業地域のブドウ、リンゴなどの果物の計量に時々用いられる。

質量

換算
種類 単位 定義 SI換算
常衡 グレーン (gr)
grain
17000 lb 64.79891 mg
ドラム (dr)
dram
27+1132 gr or 8.859 carats 1.7718451953125 g
オンス (oz)
ounce
16 dr 28.349523125 g
ポンド (lb)
pound
16 oz 453.59237 g
ハンドレッドウェイト (cwt)
US hundredweight
100 lb 45.359237 kg
ロングハンドレッドウェイト
long hundredweight
112 lb 50.80234544 kg
トンショートトン
short ton
20 US cwt , 2000 lb 907.18474 kg
ロングトン
long ton
20 long cwt , 2240 lb 1016.0469088 kg
金衡 グレーン (gr)
grain
17000 lb av , 15760 lb t 64.79891 mg
ペニーウェイト英語版 (dwt)
pennyweight
24 gr , 7.776 carats 1.55517384 g
トロイオンス (oz t)
troy ounce
20 dwt 31.1034768 g
トロイポンド (lb t)
troy pound
12 oz t , 13.17 oz av 373.2417216 g
斜体は、よく使われる単位であることを示す。
太字は正確な値であることを示す。

歴史的に、イギリス単位には以下の5種類の質量の単位の系列がある。

  • タワー衡 (tower system)
  • 薬衡 (apothecaries' system)
  • トロイ衡(金衡) (troy system)
  • 常衡 (avoirdupois system)
  • メートル法化 (metric system)

これらのうち、アメリカで最も一般に使われるのは常衡である。他に、貴金属の計量には金衡(トロイ衡)が用いられる。かつて薬剤師は薬衡を使用していたが、これはメートル法に置き換えられた。タワー衡はイギリスで1527年に禁止令が出されて使用されなくなっていたため、アメリカでは使用されたことがない。

慣用単位の質量の基準である常用ポンド(常衡のポンド)は、正確に453.59237 グラムと定義されている。これは、1959年のアメリカ・イギリスおよび英語圏諸国の間で結ばれた協定による。他の質量の単位は、これを基準に定義されている。

常用ポンドは法的には質量の単位である[18]。しかし、実際にはの単位としても用いられている。ほとんどの場合、「ポンド」は質量の単位として用いられているが、文脈によっては重量ポンドの意味で「ポンド」という言葉が使用される。スラグ(slug)は、重量ポンドから定義された質量の単位である。

金衡・薬衡・常衡は同じ単位、グレーンから組み立てられており、どの系でもグレーンの大きさは同じである。しかし、それぞれの系で同じ名前の単位があっても(オンスとポンドは全ての系にある)、グレーンとの比率は系により異なる。例えば、薬衡と金衡の間で、ポンドとオンスは同じ大きさであるが、常衡のポンド・オンスとは異なる。 グレーンとオンスの間で、それぞれの系により異なる単位を持つ(薬衡はスクラプル(scruple)とドラム(dram)、トロイ衡はペニーウェイト(pennyweight)、常衡はドラム(dram, drachm))。常衡のドラムは、薬衡のドラムの半分以下である。体積の単位の液量ドラムは、薬衡の1ドラムの水の重さに基づく。

混乱を軽減するために、常衡以外の単位を使用するときは系を明示するのが一般的である。例えば、貴金属は金衡で計量されるが、単に「オンス」と書くと常衡の意味に取られてしまうので、明示的に「トロイオンス」と表示する。

ポンドとそれ以下の単位では、米国慣用単位とイギリスの帝国単位は同じである。しかし、ポンドより大きな単位では、同じ名前の単位でも値が異なる。

アメリカでは、オンス・ポンド・トン(ショートトン)が広く用いられる。ハンドレッドウェイトは農業や貿易で用いられる。グレーンは、小銃の弾薬の推進体と発射体の質量を記述するのに用いられる。また、薬品や他の非常に少ない質量を計るのにも用いられる。

穀物

農業分野において、ブッシェルは、体積1ブッシェル分の質量の単位として用いられる。よって、穀物の密度によって1ブッシェルの質量は異なることになる。

取引においては、1ブッシェルはこれらの名目の重さを指すのに用いられる語であるが、これさえ異なる。オート麦について、カナダは34ポンドのブッシェルを使い、アメリカでは32ポンドのブッシェルを使う。

調理用

英語圏諸国の一般的な計量器の大きさ
計量器 オーストラリア カナダ イギリス アメリカ アメリカFDA[19]
ティースプーン
Teaspoon
5 mL 5 mL 4.74 mL 4.93 mL 5 mL
デザートスプーン
Dessertspoon
10 mL 9.47 mL
テーブルスプーン
Tablespoon
20 mL 15 mL 14.21 mL 14.79 mL 15 mL
液量オンス
Fluid ounce
28.41 mL 29.57 mL 30 mL
カップ英語版
Cup
250 mL 250 mL 284.13 mL 236.59 mL 240 mL
パイント
Pint
568.26 mL 473.18 mL
クォート
Quart
1136.52 mL 946.35 mL
ガロン
Gallon
4546.09 mL 3785.41 mL

アメリカやその他の国で調理用の計量に用いられるのはティースプーン、テーブルスプーン、カップであり、その半分、3分の1、4分の1、8分の1として量が指定されることもある。ポンド、オンス、液量オンスのような単位や、1缶(量は製品により異なる)、1瓶、1かけ(チョコレートなら約1常用オンス)、1本(バターなら約4常用オンス)のような単位、また野菜や果物については半分や1個といった単位も使用される。

温度

アメリカの温度の計量には、科学のほとんどの分野以外では華氏度(ファーレンハイト度)が使用される。熱力学では絶対温度の単位としてランキン度が使われることもある。科学者は世界的にケルビンや摂氏度(セルシウス度)を使用する。アメリカのいくつかの工業規格は華氏度で表記されている。アメリカの医師は体温を華氏度で計測する。

華氏度と摂氏度の関係は線形的であるが、0度の点が異なるため(1気圧において、水の融点は32 °F = 0 °C、沸点は212 °F = 100 °C)、単に係数を掛けるだけでは換算ができない。換算式は以下のようになる。


米国慣用単位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 07:18 UTC 版)

ヤード・ポンド法」の記事における「米国慣用単位」の解説

詳細は「米国慣用単位」を参照 1776年独立宣言以前、後にアメリカ合衆国になる13植民地ではイギリスと同じ単位使用していた。アメリカ合衆国憲法先立つ連合規約では、中央政府に「アメリカ合衆国至る所における度量衡標準固定する唯一かつ排他的な権利権限」を付与したアメリカ合衆国成立の後、憲法において「度量衡標準固定する議会権利再確認したが、商業度量衡管理する権利個々の州に保留した1789年アメリカ合衆国第1議会英語版)において、トーマス・ジェファーソン新し共和国使われる通貨度量衡計画作成するよう命じられた。翌1790年報告書の中で、既存度量衡しっかりした物であるが、その基準となる物がアメリカ合衆国管理下にないことに言及した彼の報告書では、アメリカ合衆国独自の標準作成し十進ベースシステム採用するのが適切であると提案されていた。結局既存度量衡のまま維持された。 長年計量単位一致確実にするための行動は、連邦レベルでは行なわれなかった。初期の入植者もたらした単位は、彼らの目的にかなうように見えた議会も何もしなかった。しかし、東海岸測量局の本部長のフェルディナンド・ルドルフ・ハスラー(英語版)は、彼の故郷スイスフランスMètre des Archives当時メートル原器)の写しを得ることができた。1810年、フェルディナンド・ハスラーは、計測器原器を得るために、財務省によってヨーロッパ送られた。 1827年米国大臣アルバート・ギャラティンロンドン英国政府所有していたトロイポンド原器の「正確な写し」を得た。それは翌1828年アメリカ合衆国重量参照するのに採用された。 1821年当時国務長官ジョン・クィンシー・アダムズは、1817年上院によって委任され研究に基づく、メートル法採用推薦した報告書提出した。しかし、議会は何もしなかった。 1832年財務省関税目的のための長さの単位として36インチヤード重さの単位として7000グレーン常用ポンド体積の単位として231立方インチガロンアン女王ガロン)と2150.42立方インチブッシェル採用した議会がしたことはヤードガロンサイズ固定することだけで、アメリカ合衆国全域標準普及させるためには何もしなかった。 19世紀の間、個々の州で独自の標準発展し体積ではなく重量質量)に基づく様々なブッシェル登場した。それらの値は州によって、対象商品によって異なっていた。この統一性欠如は州の間の取引麻痺させた。そこで、1905年国立標準局は、統一され標準欠如行政監督の手段を議論するための州の会議招集した会議翌年開催されその後米国計量会議英語版)(NCWM:National Conference on Weights and Measures)として知られる年次集会になった1915年米国計量会議最初典型的な標準発表したブッシェルは完全には標準化されなかった。シカゴ・マーカンタイル取引所は、2013年5月現在でも商品ごとに異なブッシェル使用している。例えば、トウモロコシの1ブッシェル56ポンド小麦の1ブッシェル38ポンド大豆の1ブッシェル60ポンド、赤冬小麦英語版)(硬質軟質とも)の1ブッシェル60ポンドである。他の商品取引は、ポンドショートトン、またはメートルトン行われる議会1866年に、取引でのメートル法使用承認した。これは、ラテンアメリカでのメートル法化プロセス真っ最中行われたまた、1875年メートル条約批准し1897年メンデンホール指令の下で、ポンドヤード国際キログラム原器国際メートル原器基づいて定義した。1ヤード1200⁄3937 mと再定義されこのためイギリスアメリカで多少数値違い発生することになった1901年度量衡管理連邦機関国立標準局)に移管された。国立標準局1988年国立標準技術研究所(NIST)となった19世紀米国の経済成長麻痺させていた議会不活発さと度量衡統一性欠如国立標準局設立つながり1905年の州の会議の招集結果米国計量会議英語版)が始まった国際度量衡総会政府間組織)への加盟のような国際関係に関して米国政府自体主導しなければならないが、米国内度量衡の「事実上の」制御はこの民間組織が行っている。 1959年7月NISTおよびオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・南アフリカ・イギリスの相当する組織の間で、ヤードポンドキログラムメートル基づいて定義する合意署名された。これらの新し単位は、国際ヤード・ポンドとして知られる議会は、この行動対し支持拒否もしなかった( § メートル法との関係参照)。なお、フィートについての古い値は測量用に残された(測量フィート)。 アメリカ合衆国は、1875年締結されメートル条約原加盟国であり、以降法律上メートル法を公式の単位系としている。ヤード・ポンド法customary unit慣用単位)と呼んでいるのは、そのためである。しかし、メートル条約加盟から1世紀以上も経過している今日でも、アメリカ合衆国では一般にヤード・ポンド法の方が広く使用されている。1992年以降日常的に使用する単位メートル法国際単位系)へ移行するための連邦政府取り組みメートル法化)もあるが、法的にヤード・ポンド法使用禁止されていない商品ラベルメートル法のみで記すことは、ニューヨーク州以外では認められている。アメリカ合衆国では、今でもメートル法への移行反対する運動がある。

※この「米国慣用単位」の解説は、「ヤード・ポンド法」の解説の一部です。
「米国慣用単位」を含む「ヤード・ポンド法」の記事については、「ヤード・ポンド法」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「米国慣用単位」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「米国慣用単位」の関連用語

米国慣用単位のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



米国慣用単位のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの米国慣用単位 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヤード・ポンド法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS