北米測地系とは? わかりやすく解説

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測地系

(北米測地系 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/18 06:05 UTC 版)

測地系(そくちけい、英語: geodetic system)は、地球上の位置を経緯度経度緯度)および標高を用いる座標によって表すための系(システム)を指す。

  • 現代では準拠楕円体、測地座標系、ジオイド面の3要素を特定することにより定められる。
  • 測量の前提であり、地図を作成する際には一貫性が求められる。

全地球的測地系

全地球的測地系とは、測地系のうちで適用範囲が全地球に及ぶことも可であるもの。

  • 測地座標系の原点及び準拠楕円体中心を地球重心[注釈 1]に一致させる定義とする(地心座標系)。座標系のz軸及び準拠楕円体の短軸は地球の自転軸に一致させる。このような準拠楕円体は地球楕円体と呼ぶことがある。
  • これと対照的な方式による測地座標系は局所座標系(地域座標系)。
  • なお、北米測地系North American Datum)は、1983年の改訂により全地球的測地系の要素を大きく取り入れた結果、世界測地系1984(WGS84)との差はほぼ1 m相当に収まっている。

各種の全地球的測地系

相互間における経緯度値の差はかなり小さい。

測地系の3要素

測地座標系

直交座標系としての定義

  • 原点
  • x軸方向
  • z軸方向

準拠楕円体

二要素によって定義(通常は長半径及び扁平率

準拠楕円体の例:

  • GRS80(1980年改訂)楕円体
    • 長半径は 6 378 137 m、扁平率は 1/298.257 222 101
  • WGS84で用いる準拠楕円体
    • 長半径は GRS80に同じ、扁平率は 1/298.257 223 563

ジオイド面

ジオイド面は標高の基準。

世界測地系という呼称

全地球的測地系の範疇に属し、個々の国で採用されている測地系には、世界測地系という呼称を持つものがある。各々を混同してはならない。

米国の測地系:世界測地系(WGS84)

日本の測地系:世界測地系(JGD2011)

  • 学術的名称は、日本測地系2011[注釈 2]
  • 日本国内の法令上名称と通用名は「世界測地系」
  • 国土地理院が策定し日本が採用(測量法改正2002年4月1日)した測地系を指す[2]
  • WGS84とJGD2011のずれは数cm~数十cm程度。

一般的呼称:世界測地系

国際的測地成果を用いて実現した全地球的測地系を意味して、世界測地系と呼ぶ考え方もある。国外に通じるかは不明。

各国の測地系

アメリカ

WGS

アメリカ国防総省が、1960年に北米測地系North American Datum)との差が少なくなるよう本初子午線及び全地球的測地系を策定し[注釈 3]、「世界測地系(World Geodetic System, WGS)」と名付けた。現行の各種の全地球的測地系はどれもこれと同様の考え方を元にしている。

  • これは、トランシット(GPSの前身となる最初の全地球航法衛星システム)の開発に合わせて策定された。

WGS84

世界測地系1984(WGS84)は、1984年に大きく改訂された版をいう。

  • GPSで使用されている。
  • WGS84楕円体は長半径は GRS80に同じ、扁平率はごく僅か異なり、 1/298.257 223 563 だが、実用上は全く問題とはならない差異である。
  • 精密な陸地測量の分野では、WGS84ではなく、できればITRF系を用いることが推奨される。
  • 海域の測地系としてWGS84が標準的である。
  • GPSから得られた成果が盛り込まれ、数回の小改訂が行われている。
  • 2013年10月16日から用いられているWGS84(G1762)はITRF2008に基いており、ITRF2008との差は平均1,2 mm程度となっている[3]

日本

旧日本測地系

日本では、1918年から2002年3月末までは、旧日本測地系東京測地系、Tokyo Datum)と呼ばれる測地系を用いてきた。

  • 局所座標系の範疇に属する測地系(日本周辺にのみ適用することが前提)
  • 準拠楕円体はベッセル楕円体
    • 楕円体中心のずれは、事実上の日本測地原点である「東京大正三角点[4][5]」において、

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