にほん‐けいいどげんてん〔‐ケイヰドゲンテン〕【日本経緯度原点】
日本経緯度原点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 01:22 UTC 版)
日本経緯度原点(にほんけいいどげんてん、Japanese origin of longitude and latitude[1])は、日本国内の測量の基準点。東京都港区麻布台二丁目に位置する[2]。
注釈
- ^ ウィーンのクフナー天文台にある1886年製のレプソルド子午環。
- ^ グレゴリオ暦1871年9月12日
- ^ 発足当時は兵部省海軍部水路局。その後、海軍省水路局(1872年)、水路寮(1872年)、海軍水路局(1876年)、水路部(1888年)と名称が変遷した。
- ^ これらの経度の数値は、1869年(明治2年)にイギリスが横浜で決定した数値をもとにしていた[9]。
- ^ 長崎には1871年(明治4年)に海底ケーブルが敷設されて国際的な電信網と接続していた。電信法は遠隔地で電信を用いて時刻を揃え経度を求める方法で、クロノメーターを運搬して行う従来の方式より精度が高かった[10]。
- ^ United States Coast and Geodetic Survey. 当時の日本では「米国海陸測量局」という訳語が当てられた。1970年に国立気象局及び商用漁業局と統合されアメリカ海洋大気庁となった
- ^ 別出典では東経139度44分30秒30とあるが[13]、後述の1885年の調整後の数値と思われる。
- ^ 1876年(明治9年)9月1日に水路寮から「海軍水路局」に名称変更。その後、1888年(明治21年)に「水路部」と改称。
- ^ さきにイギリスによって測定されていたマドラス(インド)と長崎の経度差を測定した
- ^ のちに廃点となるため「東京(旧)」と呼ばれる
- ^ メルツ・レプソルド子午環[18]
- ^ レプソルド子午儀。
- ^ 北野(1959)によれば南微東に95cm[14]。
- ^ 1959年(昭和34年)時点の状況は、出典[2]や、北野 (1959)を載せる『天文月報』第52巻第9号などに見られる。
- ^ 山岡光治によれば、旧子午環架台を利用して「原点標識」が設置されたとある。この「標識」の一部として、原点数値の位置に原点を示す金属標が埋設された。「これにより原点が目に見えるものになった」という[21]。
- ^ なお、この庁舎には、1963年(昭和38年)から1985年(昭和60年)にかけて国土地理院関東地方測量部が入っていた[27]。
- ^ 山岡光治によれば原点標識の改造は1962年(昭和37年)のことという[21]
- ^ 暦象年表では長らく「日本測地系に準拠しない独自の天文経緯度」による緯度を使っていた(経度は日本測地系と整合していた。地理経緯度と天文経緯度の違いについては経緯度参照)。暦書の緯度の数値は1892年(明治25年)以来東京天文台による測定値を採用しており、肝付点に由来する日本測地系の緯度と約1秒(約40m)の食い違いが生じていた。世界測地系の導入に際し、この数値を日本測地系とみなして単純に世界測地系に換算してしまったため、「不適切な」数値となった。
出典
- ^ Geodetic survey Japanese Geodetic Datum 2011 (JGD2011)による英語表現
- ^ a b 日本経緯度原点をご存じですか? 国土交通省 国土地理院 関東地方測量部、2017年3月作成
- ^ 中桐正夫 (2008-07-09). “メルツ・レプソルド子午環の写真発見” (pdf). アーカイブ室新聞 (40) 2020年12月16日閲覧。.
- ^ 日本経緯度原点を測った子午環と子午儀の再発見 (国土地理院広報第507号)アーカイブ(2017年4月11日閲覧)
- ^ 測量法施行令 第2条第1項第2号、イロハ
- ^ 測量法施行令の一部改正(日本経緯度原点及び日本水準原点の原点数値の変更)について 国土地理院北海道地方測量部、2011年11月15日
- ^ 日本の測地座標系 (国土地理院)
- ^ [1] 地心直交座標系(平成14年(2002年)3月14日 国土交通省告示第185号) 最終改正 平成23年(2011年)10月21日 国土交通省告示第1063号
- ^ a b c d e 村上正幸 1999, p. 234.
- ^ a b c d e f g h “海軍水路部と東京天文台”. 暦wiki. 国立天文台. 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g “日本経緯度原点”. 暦wiki. 国立天文台. 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c 清水靖夫「内務省地理局『東京実測全図』について」、2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c d e f 箱岩英一、2004、「測量・地図歴史散歩 3 日本の経度は金星日面経過観測から」、『測量』4号、日本測量協会 pp. 28-29
- ^ a b c d e f g h i j k l 北野芳徳 1959, p. 177.
- ^ a b c 北野芳徳 1959, p. 176.
- ^ a b “日本の本初子午線”. 暦wiki. 国立天文台. 2019年2月1日閲覧。
- ^ 北野芳徳 1959, pp. 176–177.
- ^ 日本経緯度原点を測った子午環と子午儀の再発見 (国土地理院広報第507号) アーカイブ(2017年4月11日閲覧)
- ^ a b 山岡光治『地図はどのようにして作られるのか』Kindle版位置No.920
- ^ “暦象年表に採用される経緯度について”. 暦計算室 トピックス. 国立天文台. 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c d e f 山岡光治. “第11章 占領下の地理調査所(昭和21年から昭和27年) p.26”. [地図作りを支えた技術者たちの道 -測量・地図150/2年史- http://www5a.biglobe.ne.jp/kaempfer/ac-main.htm]. 2019年3月2日閲覧。
- ^ “水平位置を求める歴史”. 国土地理院 (2011年6月17日). 2019年2月19日閲覧。
- ^ a b c d “移築されて今も残る観測機器(東京天文台)”. 港区. 2019年2月19日閲覧。
- ^ a b c d 北野芳徳 1959, p. 目次.
- ^ 北野芳徳 1959, pp. 目次, 177.
- ^ “日本経緯度原点”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典(コトバンク所収). 2019年2月19日閲覧。
- ^ “関東地方測量部の概要”. 国土地理院関東地方測量部. 2019年2月19日閲覧。
- ^ “日本経緯度原点を測量し直します”. 国土地理院 (2011年6月17日). 2019年2月19日閲覧。
- ^ 山岡光治『地図はどのようにして作られるのか』Kindle版位置No.968
- ^ a b “暦象年表に採用される経緯度について”. 暦wiki. 国立天文台. 2019年2月1日閲覧。
- ^ a b c 2011年(平成23年)10月21日政令第326号「測量法施行令の一部を改正する政令」による改正。同日施行。測量法施行令の一部を改正する政令について (国土地理院)
- ^ 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う基準点測量成果の改定(国土地理院時報 2011 No.122)[2] (P.64 表-6)(国土地理院測地部)
- ^ [3] 中根顧問の部屋>基準点測量講座>楕円体面の座標系と地心直交座標系間の換算
- 1 日本経緯度原点とは
- 2 日本経緯度原点の概要
- 3 脚注
- 日本経緯度原点のページへのリンク