世界測地系の導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:01 UTC 版)
人工衛星を用いた衛星測位システム(GNSS測量。いわゆるGPS)や超長基線電波干渉法(VLBI)など、宇宙測地技術を用いて地球全域を対象とする測量が行われるようになると、従来のように各国が異なる準拠楕円体を設けるあり方は変更されるようになった。 2002年4月1日、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行により、日本は新たな測地系である「日本測地系2000」を用いることになった。これは地球の重心を中心とするGRS80楕円体をもって準拠楕円体とする全地球的測地系(いわゆる世界測地系)である。日本経緯度原点は日本の法律上の測量の原点であるが、その数値は別の原点(地球重心)を有するものに変わったと言える。 緯度:北緯 35度39分29秒1572 緯度:東経139度44分28秒8759 なお、暦書の後継である暦要項・暦象年表(およびその一般向け公刊物としての理科年表)では、「東京」の代表地点として「旧東京天文台大子午儀跡」の位置を用い、日の出・日の入りをはじめとする時刻の計算の基準としていた。しかし世界測地系移行後「大子午儀跡」として採用していた数値に問題が浮かび上がったため、近傍にある格好の基準点として日本経緯度原点を採用することとした。2010年(平成22年)版の理科年表から、「東京」の経緯度基準は日本経緯度原点に変更された。もっとも、表値にほとんど違いが出ることはない。
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