登場する艦船・兵器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/10 15:26 UTC 版)
「LAST EXILE」の記事における「登場する艦船・兵器」の解説
シルヴァーナ デルフィーネのクーデターによる弾圧から逃げたハミルトン、ダゴベール、バシアヌス家の残党の乗艦のユニットを使いアナトレーにて極秘裏に建造された艦。ユニットだけでなく各種の技術もギルドから脱出した人々が保有していたものである。装甲、艦砲を始めとした各種の艤装はギルド協定に違反しており、ギルド戦艦と対等に戦うことが出来る。外観上の特徴としては、船体がアナトレー標準型戦艦に比べかなり小型であること、基調色が黒いことである。ヴァンシップ母艦として機能しうるがアナトレー標準型戦艦に比して搭載可能機数はかなり少ないようである。 また特徴的な艤装として多連装徹甲噴進弾が挙げられる。しかし多連装徹甲噴進弾は設定において混乱が大きかったようで、8話で初登場した際は回転砲のように発射する武装として描かれ、ウルバヌス、ギルドとの戦闘で使用した際は多数の発射口からいっせいに推進力を持った小型の弾頭を発射する武装として描かれた。また小説版では「しりから火を吹く巨大な砲弾」と描写され(アニメでの多連装徹甲噴進弾は通じて小型の砲弾を多数発射する兵器として描かれている)、むしろウルバヌス級の魚雷に近い兵器として捉えられている様子である。なお、ウルバヌスとの戦闘において製作現場では機関全開と多連装徹甲噴進弾の発射が混乱されていたようで、不自然な演出、作画になっている。村濱章司のブログの記事によると、企画、文芸面を担当した鈴木貴昭がかなり細かく複雑な設定を作り、監督も設定を完全には把握しきれない、という状況であったようである。 ウルバヌス級戦艦 アナトレーの次期主力戦艦と目された新鋭戦艦。対ギルド戦を想定してアナトレーの秘密工廠にて建造され、すでに数隻が就役している(同型艦:マルティヌス、ゲオルギウス、セバスティアヌス、ユリアヌス、エウスタキウス)。当初はスコロペンドラ砲と合せてアナトレー皇帝、ヴィステリウスらのギルド制圧戦略の根幹を担う艦とされ、シルヴァーナと交戦したこともあったが、皇帝、ヴィステリウスの死後はソフィアの指揮の下で主力艦として活躍した。その最大の特徴はユニットがギルドのものではなく、アナトレー独自のものであるという点である。これにより一切の航行をギルドの制約なしに行うことが可能になった。このユニットはヴァンシップのクラウディア機関と同じ原理によるもので、クラウディア管の中にクラウディアを高速に循環させることにより浮力を得る。船体そのものはシルヴァーナよりさらに小型であるが、この巨大なクラウディア管が船体後方より突き出ていてかなり異様な艦形になっている。このユニットはギルドユニットを凌駕する性能を持ち、完全無音航行を実現している。 各種の艤装もギルド協定の制限を越えたもので、主砲はギルド戦艦の装甲を一撃で貫通し撃沈させることが可能な威力を有し、ギルド戦艦と互角に戦うことが可能である。なお主砲塔は通常時には装甲下に収納されており、発砲時には装甲の一部を開き、主砲塔を露出させ発砲する。艦首には魚雷発射管を有し魚雷攻撃を行うことができる。この魚雷もかなりの威力を有しスコロペンドラ砲を一撃で破壊した。また、クラッシュラム、巨大チェーンソーなど接近戦向けの武装を搭載していることも特徴的である。 ヴァンシップ母艦としての機能を有しているかは不明であるが、少なくともヘヴィカーゴの離発艦は可能である。 アナトレー標準型戦艦 アナトレーの主力戦艦。ユニットはギルドから貸与されたもので、各種艤装もギルド協定の制約の範囲内(標準型のギルド戦艦の装甲は貫通出来てはならない、など)のものである。ヴァンシップ母艦としての機能を有している。基調色は緑。 レパラシオン級戦艦 デュシスの主力戦艦。ユニットはギルドから貸与されたもので、各種艤装もギルド協定の制約の範囲内であることなどはアナトレー主力戦艦と同じ。主砲が船体下部にあること、グランドストリームの暴風に耐えるため流線系の船体をしていることなどが特徴的。ヴァンシップ母艦としての機能は有しない(そもそもデュシスにはヴァンシップは存在しない)。基調色は白。 ヴァンシップ アナトレーの小型の複座飛行艇。前座にパイロットが、後座に航法、周辺警戒、弾薬装填などを行うナビが座乗する。主に運び屋として活躍しているが、軍用機としても用いられる。クラウディア管の中にクラウディアを高速で循環させることにより浮力を得て飛行する。このようにギルドに依らない独自のユニットを搭載し、本来であればギルド協定に違反する存在ではあるが、規模が小規模なので黙認されている。しかし、そうしたこともあってヴァンシップ乗りは荒くれ、アウトローとして認識されており、当のヴァンシップ乗りたち自身もそれを誇りに思っている者が多い。よって、ヴァンシップ乗りの一大根拠地であるノルキアは危険な街であると考えている者も多い。 ヴァンシップを用いたレース競技も各地で行われており、草レースから賞金レース、チーム力が求められる耐久レースまで規模は様々である。 軍務においては従来、連絡機程度の役割しか与えられておらず、ヴァンシップへのマイナスイメージも相まって、軍内ではヴァンシップ乗りへの蔑視感情が存在する。 しかしながらアレックスはヴァンシップの戦術的有効性を早くから認識しており、ヴァンシップによる強行偵察、雷撃によってデュシス艦隊に効果的に打撃を与えてきた。こうした事実を元に、ソフィアは対デルフィーネ戦において、ヴァンシップを基軸においた戦術を立て、ギルド艦隊に対し凄まじい打撃を与えた。 ヘヴィカーゴ 大型のヴァンシップ。クラウディア管を上下に2本搭載している。物資、要人の輸送などに用いられる。 ギルド戦艦 ギルドの主力艦。船体は十字架様でかなり巨大である。装甲は非常に堅固であり、グランドストリームの暴風にも完全に耐えることができる。装甲はアナトレー、デュシスの戦艦ではダメージを与えられない。中央正面にガラスの物質で張られた司令室が設置されており、この部分の装甲のみ脆弱で、ヴァンシップに搭載可能な小型のロケット弾で破壊することが可能である。十字架の左右翼の部分に砲塔を多数備えているが、これはどちらかというと防御的な役割を担うもので、威力はそれほど高くない。攻撃の主力は球雷という兵器である。これは極めて強力でウルバヌス級の戦艦であっても直撃すれば一撃で撃沈させることができる。 オドラデク母艦としての機能を有しているかは不明。 ギルド戦艦デルフィーネ専用艦 デルフィーネが座乗する艦。主要諸元はギルド戦艦と同じ。バラを好むデルフィーネに合わせ船体の基調色が赤い。バラの花びらを振りまく機能を有している。 ギルド立会船 アナトレー、デュシス間の戦闘を監督、監視することを主目的とした艦。その他にも、アナトレー、デュシス、ギルド間の対話の場としても機能する。 オドラデク母艦としての機能も有しており、アルヴィス奪取、シルヴァーナ攻撃などの軍事作戦行動の指揮艦として行動したこともある。 オドラデク ギルドの単座の小型飛行艇。アナトレーなどからはギルド星型と呼称され、オドラデクという名称は小説版にしか登場しない。機動力に優れており、要人誘拐から戦艦攻撃まで幅広い任務に従事する。主要武装はショックカノンとニードルガン。ガンコントロールは自動化されそれなりに高い命中率を持つ。小型でありながら装甲もある程度堅固であるが、いくつか脆弱な場所があり、コツを知っている人間(アレックス、ゴドウィン等)であればライフル、無反動砲等で破壊することも可能。乗員保護システムを搭載し、撃墜、大破された場合でも乗員の安全をある程度は保証する。ギルドテクノロジーを生かし製作されているため、ヴァンシップと比して機動性が高く、ホバリングに近い機動も可能である。一方、耐久力に関しては圧倒的な性能差を有しているわけではなく、ヴァンシップに搭載されている機銃で撃破することができる。 クラウディア・ユニットをコクピット周囲に配置しており、乗員の安全のため全力戦闘可能時間が20分に制限されている。膨大な熱を発する戦闘行動でなければ、その航続距離は2000海里と長大である。 エグザイル 太古の人類が荒廃したもとの世界(地球)からプレステールに移民する際に使用した移民船。発着のためのエアロックはデュシスの湖の下にあるのだが、第一次移民作戦の後はアナトレーとデュシスの中間部に停泊し、もとの世界の受け入れの準備が整うのをかなりの期間に渡って待機していた。この際嵐を使った防壁を構築していたが、これがグランドストリームである。ギルドはこのことを隠し伝説化させ、過去の人々のテクノロジーを独占したことと併せ、プレステール支配の基盤とした。 アルヴィスはエグザイル再起動のための生体キーであり、彼女が生誕したことは即ちもとの世界への帰還作戦発動のための環境が整ったことを意味している。またアルヴィスをキーとして動作させるためのパスワードをミュステリオンとしてギルド四家に伝承させていた。アルヴィス生誕を捕捉したデルフィーネはプレステールの支配権の根拠であるエグザイルが自分のもとを離れることを警戒し、アルヴィスをおよび全てのミュステリオンを自らのもとに確保することを企図した。これが『LAST EXILE』の物語の全ての発端であると言える。 待機モードのエグザイルは船体を強固な装甲で覆っており、近付くものは全て触手で攻撃する。この触手の威力は甚大でウルバヌス級戦艦やギルド戦艦をも一撃で沈めることができる。 スコロペンドラ砲 アナトレーの帝都に設置された巨大な要塞砲。形状からみて多薬室砲(ムカデ砲)の一種と思われる。運用には多数の兵員を要するが、一撃でディシス戦艦を撃沈する程の威力がある。ただ連射、速射が出来ない上、巨砲ゆえに砲口部分が無防備であり、そこを付け込まれ、ウルバヌスから発射された魚雷によりあっけなく破壊されてしまう。 なおスコロペンドラとはギリシャ語でムカデクジラを意味する未確認海生生物の意。
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