番組内のコント・ネタなど
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 20:11 UTC 版)
「志村けんのバカ殿様」の記事における「番組内のコント・ネタなど」の解説
当初からパターンが決まっている場合が多く、コントの流れは定番化している。コントの流れは下記に示すとおりである。 怒りの定番パターン 家老や上島などに「バカ」と言われると尺八の効果音が鳴って奇妙な表情をしてから扇子を落とし、背後に置いてある刀を抜いて斬りかかろうと脅す。この時だけ、いつものバカ声から急にドスの利いた低音で激昂する。その後ちょっとしたきっかけで、すぐ元に戻る。他にも「バカ野郎」・「アンポンタン」・「ケチ」と言われても激昂する。ほかには上島に「白いドスケベ」といわれてキレたこともある。 どう見てもささいなことでいきなり無意味な尺八が響き、キレて野太い声で脅すギャグも全員集合時代から登場していた。全員集合版(舞台セット)では首を回して表情を一変させるだけであったが、ドリフ大爆笑版はキレる瞬間片手に持った扇子を落とすアクションを追加。 家老に怒る時、なぜか牛やライオンなど動物の鳴き声や『阪神タイガースの球団応援歌である六甲おろし』や『ようかい体操第一』の歌を発したりする。また、これらの効果音がかなり連続して流れると殿が疲れ果てて「ついていけない」とぼやく。過去には武富士のCMソングであったジョー・リノイエの「SYNCHRONIZED LOVE」が流れた事もある。 キレたバカ殿が爺や家臣に向かって桜吹雪ならぬ「このBCG(予防接種の跡)が黙ってねーぞ」と言う。「この(ゴルフの)日焼けの跡が黙ってねーぞ」と言ったこともある。 『ドリフ大爆笑』時代(特に1980年代前半)は、よく由紀さおりが腰元として出演していた。由紀は城に長年仕える腰元という設定で、殿が周囲の若い腰元に「年はいくつじゃ?」と聞き、その若さに満足した後、どう見ても年増の由紀に(嫌々ながら)年齢を聞くと「15歳でございます」などとサバ読みで返された途端尺八の音がし、殿がキレる(動作は後述のパターンと同じ)というパターンが定番であった。由紀は最初は19歳だと名乗っていたが、まわりに若い腰元が増えるにつれ本人も若返っていき、最終的には11歳と名乗るまでエスカレートした。殿は刀を抜きながら「てめぇ◯◯歳の女がママさんバレーをするか!」、「小学生が更年期障害に悩んで命の母を飲むか!」や「こやつはお肌の曲がり角どころか人生の曲がり角だわ!」とツッコむ。また、由紀が欠席の際は小柳ルミ子などが代わりにその役を演じた。このサバ読みネタは全員集合時代から行われており、八代亜紀などのベテラン女性タレントが役を担当した。 その他の定番パターン 時々隠居として、家老に内緒で城下町に下りていくが、その城下町が現在の都会の場合がある。大体は若い町娘の事が目的であるが、男性タレントが演じる入水しようとした町民の男性などを助ける事がある。また、ダチョウ倶楽部の3人は町民の借金を取り立てに来たヤクザの役としても出演する事がある。 酒井若菜・木村佳乃・板野友美・足立梨花がゲストに迎えた際には、「病気のお父つぁんコント」を行って最後は父親(演じているのはすべて志村)が病気の身であるにも関わらず、娘から神社でのお百度参りを無理矢理させられ、途中で倒れて「これ(お百度参り)お前がやるんじゃねぇのかよ!」とツッコミを入れながら亡くなり、娘は号泣するまたは「お父つぁーん!!」と叫びながら悲劇な結末を迎える(というオチ)。なお、このオチのパターンは『志村けんのだいじょうぶだぁ』の「貧乏親子物語」と同じであり、同コントは本番組の一部の回でも行われている事がある。 家老などにおべんちゃらを言われ「そりゃそうだ!」と言いながら喜ぶ。 腰元に好意を寄せられるなど、うれしくなると「うれしいなぁ」と叫びながら立ち上がり妙な音楽とともに踊りを踊り「照れるなあ」と締める。この踊りは後述の女性ゲストにもレクチャーし真似させることがある。 若手女性タレントやフジテレビの女性アナウンサーがゲストで来たときは、まず年齢を聞き、「○○歳でございます」と言うと、「○○歳か、これ爺、布団敷け」と言うのが定番になっている。 「殿に仕官したい」という目的で来たゲストは、爺や側用人(ダチョウ倶楽部)と家来の座を賭けてゲームを行う。内容は殿が3種類の珍味(塩辛・納豆・豆板醤などで、時にはマムシ・イモムシ・タガメなどの出オチ食材もある)をミキサーでかき混ぜたドリンクを出し、中身を当てるというもの。ドリンクだけではなく、3種類の珍味をミキサーでかき混ぜためんつゆに蕎麦をつけて食べるなどのケースもあった。なお、女性の場合は対象物がお土産に変わる。 殿が家老をおちょくったり、無断で城下へと出かけようとするなどして、怒った家老と城内で追いかけっこをする。お互いに様々な仕掛けやイタズラを行い、城内の構造物の数々に忍者屋敷のようなからくりが施されていることも多い。また、この途中で殿がダチョウ倶楽部の3人を1人ずつある部屋に連れて行き、その部屋で謝罪(礼)するが、それと同時に上から振り子式ハンマーが下りてきて肥後と寺門が当たる事になる(ただし、上島の時は上島も礼をしてしまうので、先に礼を終えた殿に当たる)。 宴会の際にしりとり歌合戦をすることになったが、爺や側用人は使われにくい文字だけで攻め、それに対し殿は指名された文字とは違う曲目に無理矢理指名された文字を組み入れて通そうとする(例:側用人が「の」から始まる歌を指名する→殿が『ドリフ大爆笑』のオープニングの頭文字を無理矢理「の」に変えて「ノ・ノ・ノリフの大爆笑」と歌う)ズルで対抗し、爺や側用人から諌められても逆ギレしたり言い訳をする為、最終的にゲームはグダグダとなって、お互いに料理を投げつけ合う乱闘になり、最後には爺が投げられ壁に激突して大怪我をしてしまう。 蜘蛛の巣に掛かった昆虫の恩返しや初夢、虫の鳴き声など、リメイクしつつ流用したネタも多い。例として、昆虫の恩返しネタでは蝶を捕まえた蜘蛛を踏み潰した殿が蜘蛛に仕返しされたり、御用人が蜂に襲われる、初夢ネタでは枕の下に隠した本にまつわる夢を見ていた殿に初夢のネタをすり返られた御家老と御用人が殿に仕返しする、など。さらに、御用人に御家老が結構スケベだと聞いた殿が、御用人といっしょに御家老の夢をすり返るという逆パターンもある。 基本的にコント中に登場する酒類は全て本物であり、時には本番中にも関わらず志村や共演者が酔ってしまい、コントにならなくなってしまう事もある。特に有名なのが志村が悪代官を演じ、桑野信義が演じる越後屋と結託して悪巧みする『悪代官』コントであるが、その際に代官が焼酎やウォッカなどのアルコール度数の高い酒を越後屋と飲み比べた結果、最終的にお互いに泥酔し、呂律が回らない、支離滅裂な会話を交わす、その場では悪徳商人役の桑野を「爺」と呼んでしまうなど、実質、コントとしては破綻した状態になってしまっていた。 殿に仕える腰元の歴代総数は、2008年10月時点で332人に、2012年4月3日時点で、453人に 達している。 2000代以降はキレた時だけでなく普段でも、裏声を生かしたバカ声ではなく低音の利いた地声でしゃべることが多くなっている。もっとも過去のギャグには、低音で家臣にくだらない相談をしたり命令を出すことも多かった(定番のパターンでは、実行に移しても大抵は失敗して自身がとんでもなく酷い目に遭う)。 殿が歌を歌う時には、その超オンチぶりから家臣全員がひっくり返り、殿が「ごめんなさーい!!」と叫ぶのが定番だった。しかし、後にそれがさらにエスカレートし、あまりの酷さに城が全壊したり、城下町が大規模な地割れに見舞われたり、腰元の顔 が爆発したりするようになった。家老がトイレにいて、殿の歌が始まると同時に便器の中に落ちてしまうというパターンもあり、これも定番化している。 殿が病に倒れ、家来一同で看病している時、殿は朦朧とした意識の中で天国の夢を見る。夢の内容は殿が「ここから天国」と書かれた標識に従って進むと天女(細川ふみえ・優香・壇蜜)が手招きしており、天女は色仕掛けで殿を誘惑する。天女の誘惑に乗った殿はそのまま三途の川を進んでいき、現実では夢の進行状況に応じて脈が弱まる、手が冷たくなるなど容態が徐々に悪化。最終的には家来の呼び掛けを完全に無視した殿が天女に手を引かれ、天蓋付きのベッドに入り「昇天」したところで息を引き取り、現実の殿はいやらしい笑みを浮かべたまま亡くなる(という夢オチ)。 番組初期、特に夏場の時期になるとホラーを題材としたコントが放送される事が多かった(例:「城に住み着く悪霊に取りつかれた殿が腰元に襲い掛かる」「腰元と密着したいがために田代をオバケ役にして腰元を驚かしていたが、その後本物のオバケに遭遇してしまう」「城の火事に逃げ遅れて腰元(渡辺美奈代)と白骨化する」など)。時にはグロテスクな描写もあり、オチもバッドエンドとなる事がほとんどであった。しかし90年代後半以降より、このようなコントは減少傾向にあり、2020年現在はホラーを題材としたコントは全く放送されなくなっている。
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