暗黒科学帝国デスダーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 20:36 UTC 版)
「大戦隊ゴーグルファイブ」の記事における「暗黒科学帝国デスダーク」の解説
大昔から科学技術を悪用した悪魔の科学を用いて人類史に多くの厄災を招き、過去にいくつもの文明を滅ぼしたと言われる暗黒科学者の集団。その歴史は5000年に及ぶと言われ、総統タブーと呼ばれる謎の支配者の下に初めて勢力が統一され、1980年代になって本格的な世界征服に乗り出している。暗黒科学の技術を結集して造られた浮遊要塞暗黒巨大城デストピアを本拠地とし、モズーと呼ばれる合成怪獣やコングと呼ばれる巨大ロボット、戦闘機デスファイターを繰り出す。 各キャラクターの身長・体重などの設定はない。 初期企画での名称は暗黒科学帝国ダークマズーであった。幹部の名称はこの時点で決定していた。 総統タブー デスダークの支配者。太古の昔から群雄割拠していた暗黒科学者たちを統一して、5000年前にデスダークを築き上げた存在と言われるが、その真の姿を見た者は最終決戦の時まで誰もいなかった。デストピアの内部にある謁見の間の曇りガラスの奥から黒いシルエットだけを見せて指令を下し、赤い巨大な一つ目を光らせて、幹部たちを威圧する。 一方でクマモズーの讒言で反逆者とされたデスギラー将軍に対し最後の出撃を許すなど、支配者としての度量を見せることもある。 その正体は暗黒科学が生み出した複数の遺伝子が合成された「究極にして、最強の遺伝子」である超遺伝子であった。デザインは久保宗雄が担当。前2作の首領格がアクティブなキャラクターであったため、差別化として『バトルフィーバーJ』のサタンエゴスと同様に実態のわからないキャラクターとして位置づけられた。 巨大タブー 最終話に登場。全ての部下を失い、デストピアを破壊された総統タブーが、ハイトロンエネルギーにより巨大化した姿。ゴーグルファイブの劇中では唯一、自ら巨大化した敵である。ゴーグルロボと最後の対決を行い、巨大な一つ目からのハイトロンビームでゴーグルロボを圧倒。電子銀河斬りで胴体を切られながらも上半身だけで襲い掛かるが、最後は唯一の弱点である一つ目に地球剣・電子銀河ミサイルを食らい、爆発四散した。デザインは渡部昌彦が担当。遺伝子の集合体という設定であるが、DNAの二重螺旋は認知度が低かったため、神経細胞をモチーフとしている。 デスギラー将軍 第1 - 49話に登場。ドクロを模した兜を被った、デスダークの指揮官。作戦立案を行うだけでなく、自らも前線に立って戦闘を行う。剣の達人でもあり、ゴーグルレッドを特にライバル視する。短気で冷酷ではあるもののデスダークへの忠誠心は厚く、武人としての一面も持っている。第15話でのゴーグルレッドとの一騎討ちの最中、マズルカの指示によるハチモズーの妨害に怒り、「邪魔をするな!」とハチモズーを突き飛ばして一騎討ちを続行、互角の勝負を繰り広げた(結局、双方乱入で引き分け)。第48話ではマズルカの自爆に巻き込まれ傷を負うが、赤間の「命の尊さに気付いてほしい」という願いから、ゴーグルファイブから手当てを受ける。その後、クマモズーを退けてゴーグルファイブへの借りを返した上で、クマコングに自ら乗り込み、最後の勝負を挑む。ゴーグルロボとの激闘の末、クマコング共々壮烈な最期を遂げた。作中では過去が描かれたことは無かったが、第34話の準備稿段階では、同話数のゲストキャラクターである河田ちえみを妹のように育てていた、という過去が描かれる予定であった。デザインは赤坂徹朗が担当。兜は骸骨とドイツ軍のヘルメットがモチーフとなっている。 マズルカ 第1 - 48話に登場。デスダークの諜報部長。爆撃や麻酔ガスを放つスティックが武器。変装を得意とするが、第4・39話で変装して活動していた際、子供に「おばさん」扱いされ、怒ったこともある。 第48話でハイトロンエネルギーの力で透明になって未来科学研究所に潜入するが、その体にはデスマルク大元帥の手によって、爆弾が埋め込まれていた。衰弱していたマズルカは組織から切り捨てられたと知るや自暴自棄になり、デスギラー将軍から爆弾のコントローラーを奪い取り、将軍を道連れにするつもりで研究所と共に自爆した。 イガアナ博士とザゾリヤ博士の存命中は2人よりも格が下であったが、不甲斐ない2人に皮肉を浴びせたこともある。デザインは赤坂徹朗が担当。準備段階ではデスギラー将軍と同じく骸骨と軍服をモチーフとしたデザインであったが、プロデューサーの吉川進から女性キャラクターに骸骨を用いることに苦言を呈され、女性のラインを活かした露出の多いデザインへ変更された。 イガアナ博士 第1 - 15話に登場。爬虫類風の衣装を着た豪快な性格の男性科学者。怪獣的イメージのコングの製作を得意としており、ロボットは自分の手で製造すべきだという性格をしている。度重なる作戦の失敗により、総統タブーとデスギラー将軍の怒りを買い、デスマルク大元帥から「役立たず」と見做され、ザゾリヤ博士と共に処刑された。デザインは久保宗雄が担当。当初はザゾリヤ博士とともにエスニック調の唐草模様が衣装にあしらわれていたが、ゴーグルファイブのデザインと被るために修正された。 ザゾリヤ博士 第1 - 15話に登場。サソリの衣装を着た冷酷な女性科学者。メカの特性を生かしたコングを製作することを得意とし、大勢の助手に命じて設計図通りに製造させる。劇場版で「度重なる失敗で身の危険を感じて逃げ出した」という嘘をついてゴーグルファイブを罠にはめたこともあったが、第15話で本当に作戦失敗を理由にイガアナ共々処刑された。 前述のコングの設計について「ザゾリヤはメカ型・イガアナは怪獣型」というのは企画書にも明記されているが、作中では生物モチーフのマンモスコング(第3・4話登場)もザゾリヤが製造している。デザインは久保宗雄が担当。実際に作中に登場したザゾリヤは女性で、企画書がまとめられた時点ですでに女性設定だったが、企画当初は武闘派のイガアナ博士と対になる痩せた頭脳派の男性であった。 デスマルク大元帥 第15 - 50話に登場。デスダークの最高幹部で、暗黒科学の伝説的英雄。南極の氷の下に埋められていた棺の中で、2000年の長い眠りについていたが、総統タブーの命令で蘇生された。2000年の眠りの間、総統タブーから催眠教育を受けていたため、現在のデスダークについての情報は完全に把握している。性格は冷酷かつ残忍。総統タブー以外の幹部全員から恐れられる強大な暗黒パワーの持ち主で、天候を自由に操り、物体を転送する稲妻状光線が使える。両手からは人間を消滅させる光線を出し、イガアナ、ザゾリヤ両博士をこれで処刑した。ゴーグルファイブには第15話の時点で名前だけは知られていたが、本人はデスギラー将軍が戦死するまでの間、デストピアの内部から指令を下し、ゴーグルファイブの前に姿を現したのは最終話が初めてであった。戦闘時には妖刀暗黒剣を振るい、ブラックサンダーなどの技を使い、ゴーグルファイブを圧倒したが、スピア風車で暗黒剣を破壊され、自身も致命傷を負い、総統タブーの名前を呼びながら絶命した。デザインは赤坂徹朗が担当。初稿では司教や祈祷師をイメージしていたものから、最終的にツタンカーメンの黄金マスク風のデザインでまとめられた。 ベラ&ベス 第15 - 50話に登場。デスマルク大元帥に仕える2人の侍女で、デスマルクと共に復活した。デスマルクの命令にのみ忠実に従い、言葉は一切話さない。最終話では女剣士に変身し、短剣を武器に戦うが、ゴーグルブルーのブルーサファイアジェットリングとゴーグルピンクのピンクダイヤバトンを受けて倒された。デザインは赤坂徹朗が担当。当初はマダラマンにあわせて複雑な模様で考えられていたが、吉川からの要望によりシンプルなデザインとなった。 合成怪獣 通称モズー。遺伝子マルチサイザーによって選ばれたデスダークが所有する動植物の特殊遺伝子をスーパーコンピューターのサイバネティクスプログラムに基づいて、スーパー増殖機でタンパク質と混合しながら増殖・培養し、金属原子と結合させることによって生成される怪物。動植物の能力と機械の能力を併せ持つ。当初は左右非対称な姿だったが、中盤からは新金属ネオメタルで強化されたスーパー合成獣が登場し、機械と生物が均等に入り混じった姿になる。終盤では超エネルギー・ハイトロンによって、さらに強化された(47話以降、モズーの腹部ないし左胸にハイトロンカプセルが備わる)。デザインを担当した久保宗雄は、前作の機械生命体との差別化として半身がメカの左右非対称のデザインとしていたが、プロデューサーの鈴木武幸からの要望により生物と機械の合成という大枠のみになった。 マダラマン デスダークの戦闘員。身体は機械で構成されており、名前の通り、マダラ模様の服で身を覆っている。基本的には無言だが、口がきけないわけではなく、たまに仲間同士で会話をしたり、人間に命令することがある。一部には白衣を着て合成怪獣・巨大ロボの製造や各種実験に携わる者もいる。また、指揮を執る合成怪獣に合わせた能力を持った特殊部隊や大元帥直属の鎧武者に似た戦闘員も存在する。デザインは久保宗雄が担当。JACの忍者映画に登場する迷彩柄の忍者装束がモデルとなっている。 初期企画での名称は兵士メカメカであった。
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