新庁舎建設計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 06:09 UTC 版)
2008年まであったNHK秋田放送局旧局舎 ほぼ同一地点より撮影した秋田市庁舎 1964年(昭和39年)に完成した旧本庁舎は、建設から半世紀近くが経過し老朽化が激しいことから、佐竹敬久市長時代に全面改築が検討されていたものの、一身上の都合により辞職したため着手を前に先送りされる形となり、後継の市長を選ぶ2009年(平成21年)の市長選挙では、建設の見直しや移転新築・従前の庁舎の改修などが争点となっており、隣接するNHK秋田放送会館跡地を利用することを含めた現地建替えについてはどの候補者も否定的であった。 しかし、2009年(平成21年)に行われた耐震診断調査で、当時の本庁舎を含む周辺の5庁舎(1985年(昭和60年)建設の消防庁舎は調査の対象外)いずれもが耐震の指数を下回っていたため、佐竹の後任となった穂積志市長が、移転・建て替え・耐震補強等、費用面やその他効果などの算出を関連する業者等にさせたところ、大規模改修では約60億円の経費がかかることが判明した。費用対効果から、2010年6月に新庁舎の建設が決定した。建設にあたっては、中央地区の市民サービスセンターを併設(2,3階)するほか、現庁舎北側にある分館も活用するものとした。新庁舎は、現庁舎東隣のNHK秋田放送会館跡地(市役所駐車場として使用)への建設が計画され、2013年度に着工し、2015年度に竣工および分館改修、2016年度に旧庁舎解体および外構整備を行う計画とした。 建物本体は鉄筋コンクリート造地上7階、地下1階建て、延床面積約30,980m2規模を予定し、旧本庁舎では議場棟が分かれていたのに対し、新庁舎では市庁舎5階南西角に議場を配置した。環境配慮型ビルとして再生可能エネルギーの活用が重視され、建物中央には1階から6階まで貫通する吹き抜けが配され、トップライトからの自然採光と、吹き抜けを利用した自然換気により、光熱費の低減を狙っている。また、建物正面が西を向くことから、西日による自然光採用、太陽光パネルの設置、雨水再使用による節水なども行われる。新庁舎では災害対策拠点としての性格も重視され、免震構造を採用、また津波や河川の氾濫といった大規模浸水に備え、盛土により建物1階を周囲より約1.8m、現庁舎より約0.7m高く設定。3階に災害対策本部設置を準備し、機械室、非常用発電設備等も3階以上に配置することで、大津波への対応と、災害時の自立した電源供給を可能とする。中央市民サービスセンターの諸室は、災害時の対応スペースとしての機能も担う。新庁舎建設後、旧庁舎は解体されるが、跡地は駐車場として整備され、旧本庁舎1階部分は「市民の広場」とされる。旧本庁舎地下1階部分は公用車用の駐車場として整備される予定だったが、これは建設費の縮減のために中止された。また、新庁舎完成後は分館を書庫などに改修、市の将来人口減少とそれに伴う職員数削減に合わせ、将来的に分館等を廃止し新庁舎に集約していくことで、トータルコストの削減を図っている。 事業費については、東日本大震災後の全国的な建設資材価格の高騰、人件費の上昇の流れを受け、2013年(平成25年)は2度の入札が不調に終わり、3度目の入札でようやく清水建設JVが落札したものの、当初見込みを大幅に上回る結果となった。当初計画では、予定価格95億9,900万円で、地元企業を代表者とした電気、管の各工種1社を含む3社以上のJVに限るとの条件付で公募型指名競争入札を実施予定だったものの、予定価格と見積もりが見合わないとして6月25日の期限までに参加申し込みが無く、26日入札を中止することとなった。市では資材単価や人件費を再算定して予定価格を105億4,400万円に増額し、入札参加要件を緩和して市外企業が代表者となるJV(ただし市内企業も含むものとする条件付)にも参加を認めた上で7月29日に再公告したものの、なおも予定価格と企業側との見積もりとの間に大きな開きがあり、8月20日の期限までに参加申し込みが無く、21日に異例の入札再中止となった。市では更に再精査した上で、一部仕様の変更などでコストを縮減し、さらに入札への単独企業の参加を認めるなど参加要件を緩和して3度目の公告を行った結果、11月15日複数企業が入札に参加、清水建設JVが115億9,000万円(税抜,予定価格は116億0,488万円であり、落札率99.9%)で落札することとなった。11月21日には契約額125億1,720万円(税込)で同JVと仮契約を交わしている。しかし、2度の入札の不調から3度目の入札が行われるまでの間に安倍政権による消費税の増税(5%→8%)が決まっており、契約が増税実施の半年前までに間に合わず、消費税率8%適用となった事で、事業費をさらに約3億7千万円増額することとなってしまった。総事業費は約135億7,000万円に上る見通しである。 こうした経緯を経て、2016年5月6日より、現在の秋田市庁舎が業務を開始した。
※この「新庁舎建設計画」の解説は、「秋田市役所」の解説の一部です。
「新庁舎建設計画」を含む「秋田市役所」の記事については、「秋田市役所」の概要を参照ください。
新庁舎建設計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 15:45 UTC 版)
本館の竣工から歳月を経て狭隘化・老朽化が進み、近接地に別館を建設(1964年)したものの、本庁の各部局が周辺の民間オフィスビルに分散して入居する状態に至った。この状況を改善するため、大阪府は1989年に黒川紀章建築都市設計事務所の案を採用して「大阪府庁舎・周辺整備基本計画」を策定し、新庁舎の建設に着手した。ところが新別館南館・北館が竣工し、警察棟(大阪府警察本部庁舎)を着工した時期に府の財政危機が顕在化したため、行政棟と議会棟の建設が凍結され、2007年、新庁舎建替えの正式な見送りを発表した。また、府庁舎本館は、今後発生が予想される南海地震・東南海地震などの大規模地震で倒壊する危険性があることが判明し、耐震補強工事が実施されることとなっている。 2008年8月5日、大阪府知事(当時)の橋下徹が、大阪市の第三セクターである株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディングが所有する、当時の大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC, 現:大阪府咲洲庁舎)に、府庁舎を移転する考えがあることを表明した。二次破綻が確実視されるWTCを抱える大阪市長(当時)の平松邦夫は、この考えを歓迎した。また、橋下は、WTCがある大阪南港地域は、将来道州制における関西州の州都になり得るため、道州制をも視野に入れてWTC移転を検討している旨を明らかにした。 2009年2月24日、橋下は「大阪府庁の位置を定める条例制定の件」として大阪府議会に提案するも、地方公共団体の事務所の位置を定める条例の議決には地方自治法の規定により、出席議員の3分の2の多数による同意が必要だが、3月24日、無記名投票による採決の結果、出席議員の半数以下の賛成しか得られず否決された。しかし、2009年10月27日の本会議では、再度府庁舎全面移転案は否決されたものの、WTCの所有権移転については可決された。その後、WTCは大阪府庁第2庁舎(咲洲庁舎)として使用されるようになった。 2011年3月11日に発生した東日本大震災で咲洲庁舎は、天井の落下や床の亀裂など360箇所が損傷、防火戸の破損、エレベーター全26基が緊急停止するなど、耐震性への不安が露呈した。このため、橋下知事は咲洲庁舎について耐震補強する考えを示したが、専門家から地盤と建物の共振による耐震性の欠如を指摘されたことなどを受け、「災害対応拠点としては難しい」「本庁舎としては難しい。全面移転はない」として全面移転案を正式に断念した。
※この「新庁舎建設計画」の解説は、「大阪府庁舎」の解説の一部です。
「新庁舎建設計画」を含む「大阪府庁舎」の記事については、「大阪府庁舎」の概要を参照ください。
- 新庁舎建設計画のページへのリンク