怪盗“X”と協力者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 08:19 UTC 版)
「魔人探偵脳噛ネウロの犯罪者」の記事における「怪盗“X”と協力者」の解説
ネウロの命を狙う世界的な犯罪者、怪盗“X”と彼に力を貸す者。中心はあくまでXとアイの2名、協力者自体は何人もいるようだが作品に関わるほど登場したのは蛭のみ。 怪盗X(かいとう サイ) 声 - 朴璐美(アニメ版)/ 斎賀みつき(ドラマCD版) 世界を騒がす怪盗・殺人鬼。「怪盗X」の呼び名は邦訳であり、正しくは未知を表すXと、不可視 (Invisible) を表すIを合わせた“怪物強盗X.I(monster robber X・I)”。作中では「X(サイ)」と略されることが多い。美術品を盗むと同時に人を一人誘拐し、遺体を「赤い箱」に加工して返却するという、類を見ない手口で恐れられている。全く目撃されない上に証拠一つ残さない手際の良さや後述の特徴を、海外のメディアは「怪物強盗X.I」と名付けた。ネウロのライバルだが、ネウロにはなかなか勝てない。 人間の突然変異とも言うべき存在で、細胞を操作し、子供から老婆、果ては犬にまで姿を変えることが可能。理屈は癌細胞であるらしい。便宜上、普段は幼い少年の姿をとっている。殺した人間に化けることで、一般人から著名人まで多くの人間に「なって」おり、普段は行方をくらませている。 人間を一撃で叩き潰すほどの怪力と不死に近い体力を持ち、傷の治りも非常に速い。弱点はあるが、「関節を砕く」「電流で筋肉を麻痺させる」など、せいぜい数秒の時間が稼げる程度。だが最大の欠点は、脳細胞も常に変化するため記憶がその都度失われてしまうこと。故に年齢や性別などを含め、自身の正体が自分でも分からず、「作った奴の中身が全部詰まった」美術品を盗んだり、他人を解体(殺害)して中身を「箱」詰めして観察することで、自分が何であるかの答えを探し出そうとしている。 性格は極めて無邪気で残酷だが、内面には「自分の中身がわからない」故の苦悩と不安を抱え込んでいる。新たに知った「魔人」ネウロに深く興味を持ち、純粋な関心と自身の中身の所在の可能性を見て、彼の中身を見ることに執着している。自分の正体を魔人かもしれないと疑うも、魔人ネウロからは「間違いなく人間」と断言される。 記憶破壊と並行して能力の進化も加速しており、ネウロと何度か戦う過程で進化する。3度目の作戦では、HALⅡを吸収して電子ドラッグを修得し、弥子を洗脳する。だがそれでもネウロに勝てず、さらにシックスに捕まり連れ去られる。記憶を消されてXI(イレブン)となり、また細胞を抽出されて「新しい血族」の戦闘員に流用される。それ以降の経歴は「絶対悪」と「新しい血族」の項を参照。 その正体は、シックスのクローンに改造を施した実験体「験体11」。出生は17年前で、生まれた時の性別は雌(女性)。代理母も処分されている。名前すら与えられず識別番号で呼ばれるだけの実験動物として、完全密閉の科学施設で飼われていた。実験のために社会に送り出されたときに怪盗Xとなったが、アイに出逢い、行方をくらます。被害者をガラス張りの箱にするという手法は、(シックスによる)笹塚家の惨殺現場を訪れたときに、アイが「ガラス張りならもっとよく見える」と助言したことから。 アニメ版では刑事に化けて弥子の父・誠一を殺害した犯人であり、アニメ版における最終的な敵である。また、シックスが登場しないため正体も異なっている。 アニメ版の正体は、南米のシャラート村で非業の死を遂げたセレンの子であり出生は20年前。セレンもまたX同様に顔を自在に変化させることが出来たらしく、Xは自分がネウロと同じ魔人なのではと考えていたが、それはネウロから否定されている。また作中、弥子の父・誠一との親子関係、及び弥子との異母姉妹関係が仄めかされた。 アイ / イミナ 声 - 上原さやか(ドラマCD版) 怪盗Xの従者を名乗る女性。めちゃくちゃなXの後方支援を担当。性格は寡黙で礼儀正しく、冷徹で常に無表情。 前身は某国の最も優秀な特殊工作員(テロリスト)。航空機を墜落させ、間接的に数多の要人を暗殺していたことから飛行機落としのイミナとの異名を持つ、国際的指名手配犯。工作員時代の彼女は「優秀な自分も、愚かな祖国も、大差なく限界のある人間にすぎない」と考え、淡々と任務にあたっていた。だが常識を打ち壊す「人間」Xと出会い、価値観が一変する。「イミナはXに殺され、iが生まれた」と自称する。 Xの正体を知りたいと思い、共に行動する。Xは彼女の中身にも興味を持っているが、「Xの中身を見つけるのが先、アイの中身を見るのは後」と断っている。支援役として超優秀で、シックスの組織によるXへの追跡を完全にまいている。新たな仲間である葛西善二郎のことも危険視して追い出している(彼はシックスからのスパイのため、正解である)。 Xの相方が務まる唯一の人物。Xのパワフルさに呆れつつも対応できるだけのスペックがある。コミカルな側面もあり、弥子いわく「Xにツッコミできるのは彼女しかいない」(=生半可な者ならツッコんだら殺されるだけ)。 弥子を「魔人ネウロ以上のキーマンではないか?」と目をつけていた。ネウロとXの3度目の戦いが終わり、敗れたXを連れて撤退する直前、シックスの拳銃で頭部を撃たれて絶命する。 本名は「季 美兒(イ ミナ)」。1月7日生まれ、25歳。身長166cm、体重52kg。特技は諸事全般。Xとの関係は「日によって主人、子守り、友人、恋人、兄弟、姉妹、他人のいずれか」。 アニメ版にはほとんど登場せず、第19話で後ろ姿が僅かに描かれているのみとなっている。 大菅 依(おおすが より) / 蛭(ひる) 未解決殺人事件の犯人溶解仮面(ようかいかめん)。今までに犯した殺人と同じ数のコウガイビルの刺青を体中に彫っている。元は長野県にある農村出身のおとなしい青年だが、進学した都会の名門高校で嫉妬と差別によるリンチを受けた。復讐として、押さえつけた相手の顔に狐を模した仮面から消化液を垂らすという手口で、自分をいじめていた学生を何人も殺した(アリバイ工作のため未解決未逮捕)。この頃に怪盗Xと出会い、仲間になる。Xからは「依(よる)・蛭(ひる)」と名付けられており、依と蛭=昼と夜という彼の二面性を意味する。 怪盗Xの電子ドラッグで強化され、ネウロへの刺客となる。ネウロを殺すために故郷の村で地主の狸崎登志男(さとざき としお)を殺害し、『謎』を作り上げた(ネウロ曰く、養殖まがい物の謎)。トリックを解かれた後、初期の計画通りにネウロをおびき出し、戦うが一蹴される。この裏でXは弥子を拉致しており、陽動としての役目は果たした。使い捨てにされてなお、Xへの信望の念は変わらず、魔人ネウロに人間の可能性を力説しながら力尽きた。逮捕されたが、Xへの記憶は電子ドラッグによって消されており、完全に抜け殻と化した。 9月27日生まれ、21歳。身長177cm、体重69kg。故郷のことは「それなりに好き」。心の故郷は「スタンド・バイ・ミーの沼」だと思っている。
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