応援合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/02 07:27 UTC 版)
応援合戦(おうえんがっせん)は運動会や体育祭で行われる競技の一種。
概要
応援合戦は、学年単位やクラス単位、団単位で行う競技であり、BGMに併せて歌う、踊る、組体操等、多様なパフォーマンスをしチームやクラスを応援するものである。 得点に入れる場合と入れない場合があり、得点に入れる場合の採点基準は声の大きさやパフォーマンスの難易度などであるが、本競技は得点を争うよりも、チームの士気高揚を図る、団結力を保護者に見せるために行う事が多い。
また、応援合戦のパフォーマンスの優劣を競う場合もあり優秀なチームには賞が与えられる。この場合通常の競技の総合優勝と同じくらいの賞ととられる場合もあり、賞を目指して放課後や休み時間に練習することも多い。
関連項目
応援合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 21:26 UTC 版)
ここでは野球の応援合戦について触れる。両校応援(指導)部が応援に携わらないラグビーのような例を除けば、レガッタ・サッカーなどの各定期戦で華やかな応援合戦が展開されるが、そのもとは野球におけるそれからである。 早慶戦の歴史は応援合戦の歴史でもある。掛け声から拍手、応援曲・応援歌、エール交換など、早慶両校は競って新たな応援歌・応援スタイルを編み出してきた。ともすれば相手を貶め礼を失する応援(代表的なものがプロ野球における相手打者凡退時の楽曲演奏)がはびこる中、味方を熱烈に応援しながらも決して相手を貶めず尊敬を忘れない応援姿勢は、かつて早慶戦が応援の加熱から中止に至る、あるいは「リンゴ事件」などの大騒動を引き起こした苦い経験をもとにしたからであるが、今日まで日本におけるスポーツ応援の最高峰の位置を占め、日本のスポーツ応援に多大な影響を及ぼしてきた。現在は早稲田大学応援部と慶應義塾大学應援指導部の両団体が学生応援をリードしている。 応援歌として代表的な作品は、1927年発表の慶應『若き血』、それに対抗して早稲田が1931年に発表した『紺碧の空』の2曲。共に現在も両校の第一応援歌として、1回・8回・9回(延長)の攻撃時、味方の得点時(1988年以前は守備中の失点時にも)に歌われている。なお、7回攻撃時の校歌斉唱の際、慶應は『若き血』を右拳を振り上げながら歌う。これは塾歌が長いために歌っている途中に味方の攻撃が終わってしまうことがしばしばあったためだと言われている。 この他、慶應が1946年に発表した応援歌『我ぞ覇者』は「よくぞ来たれり好敵早稲田」、「早稲田を倒せ」という歌詞を盛り込み、『紺碧の空』を手がけた古関裕而に作曲を依頼するなど、早稲田への対抗心を露わにした作品であった。早稲田も対抗して翌1947年「慶應倒し意気あげて」の歌詞を盛り込んだ応援歌『ひかる青雲』を発表している。『ひかる青雲』もまた、古関の作曲になるものであった。このほか、慶應の応援歌は『三色旗の下に』など、藤山一郎の作曲によるものが多い。早稲田の応援歌は古関裕而作曲のものが多いが、青島幸男・タモリも作詞・作曲者に名を連ねている。 プロ野球の応援曲は選手個人のものが大半で、打者毎に演奏・歌われるのに対し、六大学の応援曲はチームに対するもので、攻撃開始時→出塁時→進塁時→チャンス時→得点時と、局面によって応援曲や拍手・コールを次々と変えて応援する。 戦後からしばらく、攻撃中の応援は拍手とかけ声、応援歌によるものだったが、早慶両校がこの応援形態に革命を起こした。早稲田は1965年『コンバットマーチ』を発表した。現役応援部員(当時)の三木佑二郎が、当時人気だったアメリカ作戦場ドラマ『コンバット!』のテーマ曲からヒントを得たこの作品は、従来の「応援歌」とは異なり、選手名や学校名、「慶應倒せ、オー!」等のフレーズを曲に合わせて叫ぶ「応援曲」であった。慶應も翌1966年『ダッシュケイオウ』を発表。この2曲の登場を追って、明治の『狙いうち』、法政の『チャンス法政』、立教の『立教ポパイ』、東大の『東大アトム』などが神宮に登場、6校で競って応援曲・応援パターンを開発してきた。これらの楽曲は高校野球の応援で多用され、それが電波を通して全国に普及、現在でも広く日本の野球応援で使用されている。また応援曲は攻撃中にとどまらず守備中にも使われてきたが、1988年の昭和天皇の重篤と周辺住民からの苦情を機に応援曲を使っての守備中応援は姿を消した。 応援スタイルにおいても、チアリーダー(1960年秋、早慶六連戦で慶應応援席に初登場)や吹奏楽団の使用、学ランではなくセーターを着ての応援、人文字、巨大デコレーション、紙製の角帽(早稲田)や三角帽(慶應)の使用など、両校様々な応援スタイルを考案している。 例年秋の早慶戦のみ、各学生席最上段に登場する巨大看板は早慶戦のもう一つの華で、時々の話題や優勝争いの状況などを盛り込んで、敵のキャラクターをやっつける姿が描かれたものとなっている。いずれも早慶の学生サークルが手作りしている。かつては早稲田が「フクちゃん」、慶應が「ミッキーマウス」をキャラクターにしていたが、いずれも著作権の関係からか姿を消した。 また1982年秋には、慶應の創設者である福澤諭吉が一万円札の肖像に選ばれた、という事態に対抗心を燃やしてか、早稲田側に大学創立100周年にちなんで、創設者の大隈重信を肖像にした「100万円札」の看板が登場した。 現在は、早稲田がOBの弘兼憲史作の、大学公式の熊のキャラクター「WASEDA BEAR(ワセダベア)」や、応援部独自のライオンのキャラクター「わーおくん」(応援歌「吼えろ早稲田の獅子」にちなむ)が、慶應は「ユニコン君」が登場する。 両校の附属校・系属校の生徒たちも学生席に入っての応援ができる。慶應側には幼稚舎の小学生たちと慶應湘南藤沢中高が三塁側に、早稲田側には早大学院・早大本庄・早稲田実業の小学生から高校生までの生徒たちが外野席に入ることがある(慶應湘南や早大学院、早大本庄、早実の場合授業扱い。来ない生徒は欠席扱いとされる)。 早慶戦のときは1日1試合であることから、他7週の試合では見られない様々な応援形態を見ることができる。先に述べた巨大看板もそうだが、午前中の応援合戦や両校による『早慶讃歌』の合同斉唱、試合前の応援席同士の掛け合い、エール交換の際の校旗入場などである。また、早慶戦のみ応援にマイクの使用が許されており、両校の放送研究会・無線工学研究会が放送を担当する。 エール交換の際の校旗入場も早慶戦独特のもの。早稲田は『早稲田の栄光』、慶應は『慶應讃歌』の吹奏のもと、応援(指導)部主将を先導に両校の第一校旗(早稲田は新大校旗、慶應は第一塾旗)が、学生席最上段から最前列に向かって入場する。応援(指導)部の所有する校旗の中でいずれも最も格式の高いものであり、入学・卒業式や早慶戦など、特別な場合にしか登場しないものである。また旗竿含め40kg以上の重い校旗を、体勢を崩さずに一歩一歩階段を下りる旗手(4年生が務め、早稲田は「旗手」、慶應は「旗手長」という幹部職である)は早慶戦応援の花形と言える。 入場の際には、それぞれの校旗・先導者・旗手の紹介を応援(指導)部員たち(主に3年生)がマイクを使って行い、先導者・旗手の紹介の際には部での役職の他に出身校・在籍学部も紹介され、紙吹雪の中を行進する。出身校紹介の際には有名校・無名校に関係なく「名門!」のかけ声があがる。この校旗入場があるため、通常は試合開始20分前のエール開始が早慶戦のみ25~30分前となっている(かつては内・外野別に入場式・エール交換を行っていたため、1時間前開始だった)。 なお、エール交換時には学生席は全員脱帽(肩にかけているものも外す)の上起立、相手校からの「フレーフレー」の声以外拍手はしないこと、歌唱・応援は応援(指導)部の指示のみによって行うことが、場を壊さないための最低限のマナーとなっている。 両校とも、試合終了後にはセレモニーを行っている(ただし優勝した時の最終戦後には行わない)。早稲田には『早稲田の栄光』、慶應には『丘の上』と、いずれも勝利したときにのみ肩を組みながら歌う勝利の歌がある。試合に敗れたときに歌われる歌もある(早稲田『えんじの歌』)。セレモニーではこの勝利の歌とともに「勝利の拍手」が行われる。 また、通常は応援台に一般学生が登壇することはないが、早慶戦に限っては登壇できることがある。かつては午前中に「素人演芸合戦」が行われたこともあり(世を忍ぶ学生姿のデーモン閣下が「田中角栄がバルタン星人に変身するまね」などの芸で人気を博した)、秋の早慶戦終了時には卒業する4年生たちが同じく最後の早慶戦となる応援部幹部・野球部員とともに応援台に上り、肩を組みながら校歌・応援歌を歌うというセレモニーが行われる(なかった年もある)。 戦前は応援の過熱によるトラブルが頻発したが、現代は時代背景の変化もあり、両校は「良きライバル」としての関係を強調している。試合開始前に応援部員が相手学生席を訪れる「陣中見舞い」(早稲田側では『ダッシュワセダ』、慶應側では「ワセダをた・お・せ!」に歌詞を変えた『コンバットマーチ』が歌われる)や、両校の学生が同時に歌う『早慶讃歌』等がその好例である。また小林克也作曲による「Blue Sky Waseda (Keio)」という応援歌は、試合中に同じ曲を歌詞(学校名のところ)だけ変えて早慶両校の応援席で使われる。 2007年、早稲田大学校歌が100周年、若き血が80周年の節目の年を迎えた。
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