大リーグボール3号
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「大リーグボール」の記事における「大リーグボール3号」の解説
バットをよける遅球。下手投げのスローボールで、球を放す刹那、親指と人差し指で球を押し出し、本塁近くで球の推進力が零に近くなり、バットの風圧で浮き沈みする。原作で最初にこれを「バットをよける球」と言ったのは張本勲で、彼は「3号は1号と逆」と表現(「ある座談会」)。飛雄馬自身の分析によれば、誰が投げてもそうなるのではなく、自身の球質の軽さも手伝っているのではないか、という。 弱点として、ボールを浮沈させるほどの強振をしない、ローパワーヒッターには弱い、という点がある。そのために、ほかをノーヒットにおさえながら投手に安打を許すようなケースが多く、他球団には謎とされた。完成までに特訓を積み重ねたものの、ライバル達に次々と攻略された1号・2号と比較して、短期間で完成した3号は左腕の崩壊という犠牲を払いながら最後まで攻略される事はなかった。 ヒント 小指を負傷した京子の投げた林檎を左門が捕り損ねた場面を飛雄馬が目撃したことによる。左門はこの醜態を自分が慌てたせいと思い、相当後悔していた。のちに飛雄馬からの速達で、この原理を知ることになる。 開発特訓 原作では移動中の新幹線で上記の様子を見た飛雄馬が直後のオールスターで「ぶっつけ本番」で3号を投げた。 アニメでは試合前の移動の新幹線で勝手に降りて無断で失踪し(飛雄馬の失踪癖は日常茶飯事)、京都の竹藪で練習を行い、試合の後半に球場に駆けつけた。 野村克也、ジョージ・アルトマン、張本勲が連続三振。制球力が定まらず、3人相手に投げた飛雄馬は疲れてベンチで倒れた。 その後、大洋戦までグランドで調整し、制球力と体力をつけた。 花形と大リーグボール3号の初対面 花形は明子と一緒にスタンドから飛雄馬の「謎の下手投げ」を見ており、「大リーグボール3号らしい」という感想を明子に語っていた。打席では「星君、初めてお目にかかる大リーグボール3号、いや、それらしき物をじっくり拝ませてもらう」と言っている。 花形はノックアウト打法で3号を打ちサード長嶋のグラブを飛ばすが、飛雄馬の美技に敗れる(長嶋のグラブも手に戻っている)。ここで花形は飛雄馬の「破滅」を直感し、ショックで戦意喪失。次の2打席ではバットを振れず三振。花形はまた惜しいところで魔球打倒の機会を失った。 花形が飛雄馬の「破滅」に気づいた理由 花形が飛雄馬の「破滅」に気づいた理由は原作とアニメで少し異なる。 原作では飛雄馬が無表情、無感動になって性格が変わったように見えながら、長嶋の落球をカバーしたときは高校野球顔負けの敢闘プレーだったので、この矛盾から花形は「星は野球への情熱は失ってはいないが、投手生命が残り少ない事を悟って冷たくなっているのでは」と分析した。 アニメでは花形は花形モータースの科学班に依頼して3号を再現できるピッチングマシーンを作ってもらい、このシミュレーション(模擬実験)の時点で「3号はノックアウト打法で打てる」という事が判明する。しかし、機械に予想以上の負担がかかり、マシーンは爆発。ボールを持った機械の腕は部品の境目でなく途中でちぎれ、もし飛雄馬が本当にこの機械と同じ原理で投げているなら彼も破滅すると推察。花形は試合で3号の「本物」と対戦し、星の球がノックアウト打法で打てる事を確認し、「星は血ぞめだ」と確信した。これにより、アニメでの「飛雄馬の果敢な守備」はただ花形をアウトにしただけという位置づけになった。 アニメでは花形、左門、オズマが3号を相手に飛雄馬との最後の決戦を行っている(花形・オズマは試合ではない)。花形はこの魔球を攻略寸前まで読み切り、大リーグボール1号打法を試みたが、飛雄馬がとっさに上手投げに切り替えたことで打破はならず、左門は花形より先に大リーグボール1号打法を思いつき欠点を克服するためにスパイクを普通のシューズにし打撃後体をスピンさせ負荷を回避する改良するも踏ん張りが利かないためにヒットにはならなかった。またオズマは、3号が「見えないスイング」に対して効果抜群であり2球打てず、3球目を1号の時に培った2段スイングで叩こうとするが、その瞬間ベトナム戦争で負った背中の傷が痛みだしてスイングを途中で中止、しかしかろうじてボールはバットに当てている。 アニメでは、一徹が飛雄馬の投球フォームを真似て、伴に大リーグボール3号を投げるが、1球投げた直後腕に激痛が走り、そのままうずくまってしまい、その原因を知るために病院に行き、その激痛の理由を知る。1号が自分の教えたコントロールを最も活用したもので、2号も自分の魔送球の応用であるのに対し、3号は飛雄馬が編み出した新しい魔球である事を認める。 左腕編、最後の打球の方向 原作『巨人の星』最終回、伴が大リーグボール3号を打った打球はライトのポール(柱)の方向に飛び、外野手2名が追って球はフェンスに激突。ライトから一塁王への送球はなぜか二塁経由の遠回りだった。アニメでは打球はレフトに飛んでおり、セカンドが中継に入る形となっている。 「左腕の破壊」の具体的症状 3号による「左腕の破壊」とは、劇中の医者の話では「左腕の肘と手首の間の屈筋と伸筋肉が切れ、左手の指を永遠に動かせなくなる」というもので、それが真実なら左腕破壊後の飛雄馬はバットを握ることもボールを捕ることも難しくなり、打者や右腕投手としての復帰の道も断たれ、日常生活すら困難になったはずである。しかし『新・巨人の星』では飛雄馬は単に左腕では「遠投ができない」だけになっており、指の動きは問題ないようで日常生活に支障はなく(左手でスポーツバッグを持つ場面も存在した)、肩を壊したのと同じような設定になっている。また、飛雄馬は一度、飲食店で客同士の喧嘩に遭遇したとき、片方の男がナイフを持った右手に左腕で皿を投げつけて叩き落している。手首のスナップや肘には問題は無いようで、やはり肩を壊したという設定になっている。 アニメ版『新・巨人の星』の第3話では、草野球のグラウンドで一徹が過去を回想したところで「飛雄馬は完全試合達成の瞬間に左肩を、左腕を破壊し尽くされ……」と語っており、花形の車に乗り込んだ飛雄馬も「完全試合で俺が肩を抜いたときに……」と語っている。 堀井憲一郎著『「巨人の星」に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ』でも、この「左腕の破壊」に言及している。 一徹の2号と3号に対する態度の違い オズマが魔球2号について「ワンバウンドで土けむりを立ててボールを隠す」と推理したのに対し、一徹は「わしの子をなめるな」、「あいつが大リーグボールと名づけるものがそんなちゃちなものか」と激怒していたが、3号について一徹は「飛雄馬の投球フォームと球速の急変に打者が戸惑った結果」という過小評価。結果、一徹は伴に「大根切り」を命じ、失敗している。 上記の花形のノックアウト打法も、3号を打ったときは「大根切り」だったが、伴の「大根切り」は当たらず、花形がやった場合に当たったのは新・巨人の星で自身が語ったことに察するとノックアウト打法自体に馬力がなく、狙って出来るのはアマチュアレベルかスローボール位であり、更にスローボールの3号では、効果的だったと言える。 アニメでは一徹は3号を「1号の応用ではないか」(打者の動きを推測し、バットをかわすように変化させている)と考え、再来日したオズマも同じような推理をした。 一徹・伴コンビと大リーグボール 1970年初頭、星一徹は伴宙太をトレードする理由として、「中日優勝のためには星投手の消える魔球の2号も3号も4号もたたく」と言っていた。 しかし、伴は2号と3号を打つには打っても打倒はできずアウトになり、移籍後の伴は飛雄馬に対して3打席無安打1三振。これは伴のせいではなく一徹が飛雄馬に負けたからである。 この年、中日は優勝を達成できず、一徹と伴は飛雄馬の消えた野球界に用がなくなり、シーズン終了と同時に中日を退団している。 また、「大リーグボール4号」に当たる「右1号」では、一徹と伴は打倒どころか開発に協力している。アニメでは、一徹のみだが花形に打倒策を授け協力している。 一徹と伴は長嶋茂雄と同様、巨人OBであるが、長嶋は番記者から「なんで元中日の伴なんかにつきあって草野球の選手(飛雄馬とは記者が気づかなかった)を見にいったのか」と聞かれ、伴が一徹と巨人Vを祝おうとしたときも一徹は「君は中日OBだろう」と述べている。 伴宙太は3号を打ったとき、走る力も失われ、アニメでは完全に1塁アウトになった。原作では伴の抗議で塁審が「セーフ」と言いなおし、今度は王貞治が抗議。一徹が負けを認め、提訴試合に発展したものの、『新・巨人の星』では「完全試合達成」という設定になっている。このように3号は誰にも打倒されることなく、飛雄馬の左腕の破壊で終わり、それによって飛雄馬の左投手としての選手生命は終わりを告げた。
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大リーグボール3号
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大リーグボール3号
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失意の中、オールスターファン投票で平松政次を押さえ、堀内恒夫、江夏豊に次ぐ3位に食い込む。今度は失踪したりはせず、一応オールスター戦に臨むが、気力の低下は否めなかった。そんな頃の移動日、飛雄馬は車中で出合った不良少女・京子(後の左門豊作の妻)のリンゴを投げた姿に天啓的ヒントを得て、大リーグボール3号を編み出す。3号は1号・2号を打ち込んだライバル達をも攻略に手こずる魔球として絶対的な威力を発揮、この時期、彼は少なくとも記録上はプロ野球人生史上最も輝かしい時期をおくる事となった。
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大リーグボール3号(第168話)
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「飛雄馬の大リーグボール3号取得」を再現。野村克也相手にタイミングよくボールを投げ、ストライクを入れられるかどうか。
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