サアロア族の昔話・伝説・民話とは? わかりやすく解説

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サアロア族の昔話・伝説・民話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:10 UTC 版)

サアロア族」の記事における「サアロア族の昔話・伝説・民話」の解説

北斗七星由来 昔々、6名の猟師一匹狩り獲物追っていたため、聖貝祭遅刻してしまった。部落帰っても、見えない壁さえぎられるように、祭場にどうしても入られなかった。どうにかして入ろうとした最中に、6人と一匹は、宙に浮き漂い、空を飛び、天に昇って北斗七星になってしまった。貝の神様天罰加えられた末だという。 太陽射る 昔々両親失った少女が池に洗濯行った。すると1枚木切れの板が度々漂ってきて、彼女の仕事邪魔した何度捨てて放り投げても同様である。困り果てた彼女は股間で板を挟んで洗濯し続けた洗濯がようやく終わるころ、奇妙なことに股間の板はいつの間に無くなっていた。数月後、彼女は相手居ないのに妊娠した村人に「旦那さんも無いのに、なんで妊娠したの?」と、嘲笑れた少女恥ずかしさで家に引き籠るうち男子生まれたHla’ungaliと名付けられその男子はまるで風のように成長して一夜でもう隣人の子供と一緒に遊べた。隣人の子供にはいろん玩具があり、Hla’ungaliは羨ましいので、母に「なんで僕は玩具が無いの?」と質問をした。母はHla’ungaliが欲し玩具があれば、何とかして手に入れHla’ungaliにあげていた。 Hla’ungaliは立派な青年になり、村人連れ立って狩り行った。しかし、いつもHla’ungali一人だけうまく獲物捕らえるので、仲間から妬まれるようになったある日、ほかの猟師Hla’ungaliに水汲み言いつけた。Hla’ungaliが不在の内に彼が持っているカバン改めたところ、中から一本の短い動物の骨が見つかった村人らはHla’ungalを虐めるため、骨を勝手に捨てたHla’ungaliは汲んで帰り自分カバン勝手に開けられ中身見られたことを悟り悲しんで帰った。母は「気にしないでね。神器があっても彼達も不器用なんだから」と慰めたが、それ以降Hla’ungaliはもう団体での狩猟参加せず自分一人狩りに行くようになった当時、空に2つ太陽があった。そのため激烈な暑さ畑作物は実らず狩猟で糧を得ていた。人々暑さため息もできず、Hla’ungaliは自分太陽射る任務決めた。 母に頼み、縄を作って貰ったHla’ungaliはを家の前に挿し、縄をに結び、「任務完成して、縄を2回引いたら、二人とも無事だ1回引いたら、ただ1人のみが無事だ」と母に伝え友人と共に太陽住処目指し出発した艱難辛苦の末、太陽住処至ったHla’ungaliは「速く隠れろ!俺は太陽射る隠れたら、絶対出て来るな!」と友人忠告したHla’ungaliは徐々に昇って、昇る太陽射落すや岩の陰に隠れた。しかし友人好奇心のせいで頭を上へ突き出して覗いため、太陽噴き出す血を浴びて池に落ちあえない最期を遂げた世界暗くなり、闇に沈んだHla’ungaliはさっさと持ってきた縄を引いた。縄はただ一回引かれたので、母は心配したり、悩んだり、いったい誰が生きて帰るのか不安で緊張しながら待っていた。 一方生き永らえたもう一つ太陽意気消沈し沈み込んだままだった。太陽は昇らければ光が無く世界暗黒に包まれた。照明用に燃やす無くなりと臼までとして焚いてしまった。どうすればいいのか?人間と動物一緒に会議開き討論する。そして太陽供え物捧げるとの結論至った。だが、ミミズ反対した。ミミズ土地の下に、水の中暮らしているので、太陽の光など必要ない。そのため今でもミミズ土地から離れ水の中から離れば、すぐ死んでしまうという。 だが、皆でいくら捧げ物をしても、唄い踊っても、もう一つ太陽沈み込んでいた。あたかも日本記紀神話にある、天照大御神天岩戸に引き篭った逸話と同様であった。 皆が困りはてていると、雄鶏おんどり)が太陽話しかけた。雄鶏慄く太陽に「恐れるものではない。どうか話を聞いてほしい。私が1回目鳴いても、出て来なくてもいい2回目鳴き声出しても、出て来なくてもいい。でも3回目鳴き声鳴くと、もう安全だから、ぜひ出てきてほしい。私が守ってるから」。こうして太陽説得してから、雄鶏戻り、体が一番頑丈な人間探した雄鶏その人一緒に熊の皮虎の皮用意し太陽住んでいる山に登った。 雄鶏は「もし私の3回目鳴き声とともに太陽出てきたら、虎の皮かぶって先回りしてほしい。そして、太陽逃げる道を妨げてほしい」と、人間考え伝えた一回目の鳴き声と二回目鳴き声でも、天地はまだ暗かったが、雄鶏見込んだ人物はすでに準備をしていた。そして3回目鳴き声とともに太陽本当に山から出てきた。人間がさっそく太陽退路妨げたので、太陽はかつてのように東の山頂から歩いて、西の山下向かった翌日、また山頂から出て歩いて山下向かった。こうして、一つ太陽が東から昇り西へむようになった。 一方太陽射落としたHla’ungaliは長い旅の末に実家戻った。母は年齢重ね、すっかり老いた安楽得た人々感謝の気持ち込め彼にリーダー任務依頼した。これがサアロア族頭目(rahli)の由来だそうである。そして、雄鶏知恵記念するため、サアロア族女性今でも雄鶏羽根を髪に飾る。 表門裏門守護神 サアロア族伝統的な分布圏に、表門裏門がある。現在、高雄市六亀区宝来温泉街から桃源区高中里への道の側にあり、Araraiという岩壁表門で、守り神は'Avisavulangahlaである。一方、さらに山奥高雄市桃源区和里向こうにある巨大な岩Curuvakaは裏門で、守り神はHlipurimacuである。 表門守護神'Avisavulangahlaは、非常に慈悲深く、いつもサアロア族守っている。かつて他の部族侵入試みたものの、'Avisavulangahlaに術をかけられ、自ら武器捨ててしまった。正気戻った彼らは丸腰になったことに気が付き恐れて退却した。これを悔しがった彼らは再度サアロア族部落への侵攻試みた今回軍勢多く武器強力だった。だが、またしても表門で術を掛けられ武器捨てたままの姿でサアロア族部落入りサアロア族にあっさり捕らえられた。以来、他部族恐れてサアロア族部落に手をかけなかった。 一方裏門守護神Hlipurimacuは意地悪くサアロア族彼の悪戯悩んでいた。Hlipurimacuの陰茎は非常に長く背負い籠入れなければ歩けないほどだった。ある時、Hlipurimacuはふざけて自分陰茎裏門向かいにある山で働いている婦人投げつけた。驚いた婦人陰茎大蛇だと思って、鋤で殴った痛みに耐えかねたHlipurimacuは手早く陰茎収めようとしたが、陰茎棘に刺されてしまった。やむを得ずに、翌日サアロア族婦人たちに頼んでトゲ抜いて貰った。その作業中に、列の最後婦人油断し、Hlipurimacuの陰茎刺殺されてしまった。そのためサアロア族はHlipurimacuが大嫌いだそうである。 ある日、Hlipurimacuは裏門を守らなければならない自身立場に不満を持ち、'Avisavulangahlaを訪ねて話し合った。'Avisavulangahlaは「山頂から巨大な石を投げ、Hlipurimacuが山下キャッチできたら、当番位置交代しよう」と提案した最初、Hlipurimacuは山麓で岩をうまく捕らえ、'Avisavulangahlaに投げ返した。だが彼はHlipurimacuが投げ戻した石を真っ赤に焼き、Hlipurimacuに投げ降ろした山麓で岩を受け止めたHlipurimacuはそのまま焼死してしまった。 その岩は現在でも当地にある。1950年代まで、石の表面には、Hlipurimacuの体、胸、手の付け跡がはっきりと残っていたという。現在では風化作用のせいで、跡をうかがうのは難しい。だが、幾人かのサアロア族高齢者は、かつて焼き付けられた跡を見たことを回想している。 踊る鬼火 サアロア族母語伝統文化復興運動実践家、Amahlʉ Salapuana(1948年生まれ台湾華語名前:游仁貴)は、何回鬼火(apuhlu'ihlicu)を目撃した語っている。 氏が11歳の時、夜更け現在の高中部落から川の向かいにある美蘭部落眺めた川向こう台地状の地形であり、部落の隣にデイゴ(梯梧サアロア語sana’ʉ)の木があり、墓場もある。最初は、一灯かがり火のような発光体が出、続いて誰かが火をともしたように、次から次へ発光体現れた。鬼火行列デイゴの木の位置消えたデイゴサアロア族にとって魔除け御守りだ。鬼火はしばらく台地の上(現在の美蘭部落聖貝祭祭場位置)に移動しようとしていた。鬼火輪状隊形集まり、輪の真ん中にはもう一つのような鬼火がある。まるで、向こうに大人数集まって手で松明持ち山道を登ったり、下ったり、ずっと歩いているようだった。闇夜で、鬼火の光以外、何も見えなかった 当時のAmahlʉ Salapuana氏は、川の方向走り、近づいて行った。だが誰の姿も見えず、誰の声も聞こえなかった。鬼火群れ飛んで踊って、やがて消えてしまった。 「あまり怖くないけど、驚いた。いったい何物か?正体分からない」氏は思い出しつつインタビュー答えた小学5、6年生の頃から、氏は何度もこの現象目撃しているとのことだった。「他の人に聞いても、誰も見なかったようだ」。氏も学校美蘭部落住んでいるクラスメート聞き込んだが、クラスメートは「午前0時に、誰が眠らず外で松明持ってぶらぶらしているか?あり得ないだろう?まさか!」と答えるばかりだった。 氏は19歳故郷離れ兵役済ませ都会就職し26歳実家帰り農業携わっている。氏は夜中カエルを捕る折り(台湾人カエル料理する食文化がある)、向かいにある美蘭部落踊っている鬼火目撃していたが、30歳次女生まれた後は一度見ていないという。

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