しのぶセンセにサヨナラ
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「浪花少年探偵団」の記事における「しのぶセンセにサヨナラ」の解説
しのぶセンセは勉強中 初出:『小説現代』1990年2月号別冊 鉄平の頼みで商店街の草野球にピンチヒッターとして参加したしのぶ。その後、鉄平と共に相手側の「西丸商店」会長・西丸仙兵衛宅の豪邸に招かれたしのぶは、その勝気さを仙兵衛に買われ、社長秘書にスカウトされる。しのぶがすぐさま席を立とうとしたその時、販売部長の米岡が豪邸近くの会社から転落死した。しかし米岡の死は自殺か他殺、どちらかの見解に疑問をつけるように不可解だった。一度は新藤・漆原との関わりを避けようとしたしのぶも事件に関わり、やがて「西丸商店」の社員たちが抱えていた事情にも光を当てていく。西丸 仙兵衛…制服や作業着を製造直売している「西丸商店」会長。社長の座を息子に譲り、大友福子という女性をお手伝いにし、隠居生活を送っている。安物をさも高級品のよう着飾る筋金入りのドケチで押しの強い性格。 西丸 昭一…仙兵衛の息子で「西丸商店」社長。標準語。仙兵衛とは異なり、ドライな性格で会社を合理的な方針で経営している。 米岡 伸治…「西丸商店」販売部長。目立たない、気の弱いと評され、人の恨みを買うような人物ではないことが窺える。高所恐怖症。 富井…「西丸商店」社員。仙兵衛の腹心の部下で、よく彼の周りに付き従っている。 しのぶセンセは暴走族 初出:『小説現代』1990年11月号 自分が車を知って交通事故から子供たちを守ると高い決意を持って車の免許を取得するため自動車学校に通うしのぶ。そんな中、しのぶは原田の母・日出子の誘いで、教官の若本と共に交通量の少ない早朝の秘密特訓に参加する。だが特訓が終わって帰ると、部屋の前に犬の糞が放置された日が続き、しのぶが犯人を捕まえようと特訓を休んだその日、日出子が事故に遭い、若本が意識不明の重体に陥ってしまう。日出子の乗る車に衝突した車が逃げ出し、日出子の過失が大きくなる可能性が強める中、話を聞いた新藤の一言から犬の糞の件を含め事故が仕組まれたものだという疑惑が浮上する。事件の真相に近づいた時、仮免中のしのぶの嵐のドライビングテクが炸裂する。原田 日出子…原田の母親。しのぶと同じく免許取得のため「大阪グリーン自動車教習所」に通っている。二つのことを同時に出来ないほど不器用で、より多く時間外講習を受けている。 若本…「大阪グリーン自動車教習所」教官。担当の車番号は32番。三十代半ばの男前。元レーサー志望で、身寄りが無い。日出子が配車手続きの係と親交を持ったため、3回も日出子の講習を担当している。 しのぶセンセの上京 初出:『小説現代』1991年5月号 東京に引っ越したかつての教え子・中西からの手紙で彼の境遇を案じ、友人の結婚式に出席する機会を使って鉄平と原田と共に上京したしのぶ。中西家に来訪したしのぶたちだが、両親の様子は険悪で、さらに3人は中西夫人の頼みで中西氏が利用するホテルに宿泊することに。3人がホテルまでの道に迷って東京にいる本間に助けてもらうまでの間に、中西家に電話を掛けたしのぶは電話口の様子から中西家で誘拐事件が起きていることを知る。犯人は身代金に5千万円を要求、受け渡し場所に東京ディズニーランドのホーンテッドマンションを指定していた。中西 雄太…元大路小学校6年5組の生徒。卒業後、父親の仕事の関係で東京に引っ越す。周囲を柵で覆った、庭付きの洋風の自宅に住む。 中西 景子…雄太の姉。高校生で、振る舞いはしっかりとしている。 中西夫人…雄太の母親。いかにも上流階級の雰囲気で礼を尽くすタイプ。家庭に目を向けない夫に不満を抱く。 中西氏…雄太の父親。典型的な仕事人間といった人物で、忙しさから雄太と言葉を交わす機会が少ない。 中西 利広…雄太の弟で誘拐事件の被害者。まだ幼稚園児ぐらいの年頃。 しのぶセンセは入院中 初出:『小説現代』1992年6月号別冊 畑中からお好み焼きを奢ってもらった鉄平と原田。畑中の羽振りの良さに何か違和感を覚えた2人はしのぶに相談しようとするが、当のしのぶは盲腸で入院していた。そんな中、しのぶと相席になった老婆・藤野の夫が泥棒に襲われる事件が発生。手口はプロの者ではなく、犯人が金目の物もない藤野の家に入った理由が分からない上に、今度はしのぶの病室に侵入者が出現し…。藤野…帯状ヘルペスで入院している老婆。煙草屋をしていて近所の鉄平とは顔見知り。偏屈な性格で、その上金に関してずる賢い。 藤野 与平…藤野の夫。 しのぶセンセの引っ越し 初出:『小説現代』1992年6月号 東成区大今里の2階建て住宅に侵入した男性が住人の老婦人に撲殺された。その老婦人の稲子と男性に面識は無いため正当防衛の線も浮かぶ中、男の身元が判明し、新藤は男の住所先でしのぶのいるアパートを訪問する。そのころしのぶは、内地留学を終え教師に復職するため、鉄平と原田と共に実家への引っ越しの準備を進めていた。だが、新藤から事件を聞き、しのぶも隣室で起きた問題に足を踏み入れていく。稲子と男の繋がりの有無が掴めぬ中、教師としての勘の鈍さを懸念していたしのぶは両者を繋ぐある接点を発見する。松岡 稲子…事件の加害者となった62歳の老婦人。夜中に2階の和室を物色している男に襲われそうになって反撃して殺してしまったと主張。最近老人ホームに入居するため、銀行で400万引き下ろしている。 安西 千鶴…芳子の娘。芳子と彼女の死んだ夫との間に産まれる。小学校5年生ぐらいの美少女で尾崎豊の曲を好んで聴く。看護婦になることが将来の夢。しのぶと知り合うが、事件に話が及ぶと距離を取ってしまう。 安西 芳子…しのぶの住むアパートの隣室の女性。夫の死後、飲み屋で働くようになり、勤務先で永山と知り合う。 永山 和雄…事件の被害者。芳子の内縁の夫で、彼女の部屋を出入りし、芳子の稼ぎを巻き上げ、暴力も振るっていた。麻薬取締法違反で逮捕された前科がある。 しのぶセンセの復活 初出:『小説現代』1992年12月号 内地留学後、阿倍野の文福小学校に赴任し4年2組の担任となったしのぶ。だが、この4年2組、素行に問題はないが、転勤した前担任の山下の影響力が強すぎて何かにつけて山下を引き合いに出し、なかなか素直に言うことを聞かないのであった。そんな中、山下が生徒の渋谷が跳び箱の練習中に跳び箱が倒れたことで怪我をしたことで、学校を辞めたという事情を知ったしのぶ。跳び箱が簡単に倒れるのだろうかと疑問を挟みながら、担任交代によって生じる問題を危惧し、生徒や親そして山下にも話を聞くことに。その中で渋谷の事件の真相を知ったしのぶは、新藤との恋に一つの答えを出し、教師として新たな出発を迎えるのだった。上原 美奈子…文福小学校4年2組生徒。生意気かつませた性格だが、頭も良く学内の情報通でもある。クラスで最もしのぶの言うことを素直に聞かないものの、最初にしのぶと親しくなった。ファッションや下世話に目が無い。 渋谷 淳一…文福小学校4年2組生徒。運動音痴な上に何をするにも鈍臭く、クラスからは「ドン渋」の渾名で呼ばれている。 芹沢 勤…文福小学校4年2組生徒。運動神経抜群で容姿もよい。山下を敬慕していたが、それゆえに山下が辞める要因となった渋谷に陰湿な嫌がらせをしている。そのため、しのぶには中々心を開かない。 山下 博夫…文福小学校4年2組が3年生だった時の担任教師。肩幅が広くがっちりとしたスポーツマン然とした体型。教師としても非の打ちどころのない人物で、中学のころからスポーツに打ち込みインターハイで3位を取り新聞に載ったこともある。 芹沢 郁子…生命保険会社の外回り。家で仕事をするデザイナーの夫が独立したのに伴い、2年前に現住所に引っ越してきた。 渋谷の母…PTAの役員。叔父が市会議員で発言力もあり、息子が怪我をした責任を山下に追及し転勤に追いやった。
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