【M2】(えむつー)
- 12.7mm重機関銃M2
ブローニングM2参照。
- M2カービン
M1カービンに30発の箱型弾倉を採用し、フルオート能力を付与した改良型で、突撃銃に近い性格のものだったが、性能が中途半端だったため、少数が生産されただけで製造は打ち切られた。
- FFV M2 Karl Gustav
スウェーデン製の携帯型無反動砲。
カールグスタフ参照。
- M2 60mm迫撃砲
アメリカ軍が第二次世界大戦からベトナム戦争にかけて使用した軽迫撃砲。
第二次世界大戦以降も、1942年に制式採用された60mm迫撃砲M19と共に朝鮮戦争やベトナム戦争で使用された。
- M2軽戦車
1935年に開発されたアメリカ陸軍の戦車。
T1戦闘車をベースとして1933年に開発されたT2軽戦車に更にいくつか改良を加え、M2A1軽戦車として制式化された。
特に目立った特長はない平凡な作りではあったが、エンジン、サスペンション、キャタピラなどは後にアメリカで開発・生産された全ての軽戦車、中戦車に踏襲されるものとなり、本車がアメリカ戦車のスタイルを確立したと言っても過言ではない。
M2軽戦車はM2A1~A4まで4種類が開発され、第二次世界大戦ではほとんどが訓練用に使用されたが、M2A4軽戦車の一部は、太平洋戦線の初期に実戦に投入されている。
また、レンドリース法成立に伴い、初めてイギリスに供与された戦車にもなった。
【性能諸元】 乗員 4名 全長 4.43m 全高 2.65m 全幅 2.47m 重量 11.6t エンジン コンチネンタルW-670-9A 星型7気筒空冷ガソリンエンジン(最大出力262hp/2,400rpm) 速度 58km/h 行動距離 320km 主砲 M5 53.5口径37mm戦車砲×1門(砲弾数103発) 副武装 M1919A4 7.62mm機関銃×5挺(銃弾数8,470発) 装甲厚 6~25mm
- M2中戦車
1938年に開発されたアメリカ陸軍の戦車。
戦車創成期において試行錯誤が繰り返されながらようやく戦車の形となった。
開発中はT5試作中戦車と呼ばれ、既に制式化されていたM2軽戦車と部品を共通化する事が求められたため、構造的には若干古臭いものとなった。
武装は、全周旋回式砲塔に56口径37mm対戦車砲M3と、7.62mm機関銃M1919A4を同軸に装備し、車体左右にもM1919A4を合計4挺配置、さらに対空用にもう1挺装備した結果、6挺もの機関銃を装備していた。
さらに、M2中戦車として制式化され量産型になると2挺追加されることとなり、合計8挺の機関銃を持つ戦車となった。
全方向に機関銃で弾幕を張るという野心的なものであったが、重武装の割りには実力がまったく伴わず、実用性は低かったと言う。
その後、装甲とエンジンを強化したM2A1中戦車が第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線に投入されようとしたが、ドイツの戦車にはまったく歯が立たないことが判明し、100両弱が生産されたところで中断。
1941年6月には後継となるM3中戦車の引き渡しが開始されたため、M2A1中戦車はその存在意義を失い、訓練用としてわずかに使用されただけであった。
【性能諸元】 乗員 6名 全長 5.385m 全高 2.845m
2.743m(M2A1)全幅 2.616m 全備重量 17.246t
18.74t(M2A1)エンジン ライトR-973 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン(最大出力350hp/2,400rpm)
ライトR-975-EC2 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン(最大出力400hp/2,400rpm)(M2A1)最高速度 41.84km/h 行動距離 200km 主砲 M3 53.5口径37mm対戦車砲×1門(砲弾数200発) 副武装 M1919A4 7.62mm機関銃×8挺(銃弾数12,250発) 装甲厚 6.35~28.58mm
6.35~31.75mm(M2A1)
【バリエーション】
・T2E1
試作軽戦車T2シリーズの発展型。後にM2A1として採用された。
・M2A1
初期生産型。砲塔には12.7mm機銃×1門と7.62mm機銃×1門を搭載。
・M2A2
二つの砲塔を持つモデル。左右の砲塔に1丁ずつ機銃を搭載した。
・M2A2E1
試験用車両。ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載。
・M2A2E2
試験用車両。改良型サスペンションを搭載。
・M2A2E3
試験用車両。誘導輪を接地式とし、GM製ディーゼルエンジンを搭載。
・M2A3
M2A2の装甲強化型。転輪間を長くし接地面積を拡大している。
・M2A3E1
試験用車両。ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載。
・M2A3E2
試験用車両。試作の電動型変速機を搭載。
・M2A3E3
試験用車両。M2A3ベースだがM2A2E3と同様の改修が加えられた。
・M2A4
最終生産型。一つの大型砲塔を搭載、主砲は37mm戦車砲となった。
・スチュアート(Stuart)
英国に供与されたM2A4に付けられた名称。
- M2 Bradley(ブラッドレー)
アメリカ陸軍の現用主力歩兵戦闘車
歩兵6名を輸送し、この車輌1輌で1個機械化歩兵分隊を構成する。
M1戦車に随伴して行動し、砲塔のM242・25mmチェーンガンとM2407.62mm機関銃によって有効な支援を行うことができるため、歩兵にとっては欠かせない存在である。
また、対戦車兵器としてBGM-71「TOW」対戦車ミサイル2連装発射機が搭載されている。
1979年に採用されて以降、A1・A2・A3型に逐次近代化改修がなされており、バリエーションとして強行偵察型のM3騎兵戦闘車、砲塔横にFIM-92 スティンガー4連装発射機を追加した対空型のM6「ラインバッカー」が造られている。
【性能諸元】 乗員 3名+兵員6名 全長 6.452m 全高 2.972m 全幅 3.20m 全備重量 22.797t 懸架・駆動方式 トーションバー エンジン カミンズVTA903-T500 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼルエンジン 最大出力 500hp/2,600rpm 最大速度 65.98km/h(地上)
7.24km/h(水上)行動距離 483km 装甲 アルミニウム/鋼 武装 M242「ブッシュマスター」25mm機関砲×1門(銃弾数900発)
M240 7.62mm機関銃×1挺(銃弾数2,200発)
BGM-71「TOW」対戦車ミサイル連装発射機×1基(ミサイル7発)
FGM-77「ドラゴン」対戦車ミサイル(M3)
FGM-148「ジャベリン」対戦車ミサイル(M3)
【バリエーション】
・M2A0 (M3)
1982年に採用された初期量産型。
赤外線画像処理装置とM242「ブッシュマスター」25mm機関砲の照準器を統合したシステムが標準装備されている。
・M2A1(M3A1)
1986年に採用された。
TOW II対戦車ミサイルに換装し、消火システムなど防御力を意識したシステムを導入。
NBC排ガスフィルターも装備された。
・M2A2(M3A2)
1988年に採用された。
エンジンの出力向上やサスペンションの改良を受け、弾薬保管庫の改善や防弾ライナーと爆発反応装甲の追加など防御が大きく改善された。
・M2A2 ODS/ODS-E(M3A2 ODS)
1996年から運用が開始された。
名称のODSは砂漠の嵐作戦から取られ、実戦での運用経験を経て、より実用的な歩兵戦闘車となった。
レーザー測距器 (ELRF)、戦術ナビゲーション (TACNAV)、GPSレシーバー (PLGR)、デジタルコンパス (DCS)、有線誘導ミサイル妨害装置、戦場認識データリンクシステム (FBCB2) などが追加された。
他にも内部のシステムや構造も大幅に改造され、座席は両側2つで定員6名となった。
・M2A3(M3A3)
2000年に採用された。
目標補足能力と火器管制能力を改善するため完全デジタル化、あるいは電子機器のアップグレードが行われた。以前のシリーズのうち、600台以上がアップデートされている。
【その他の派生型】
・M6「ラインバッカー」
M2A2 ODSの派生型で、砲塔横にFIM-92の4連装発射機を追加した自走対空砲モデル。
アメリカ陸軍では退役する予定である。
・BSFV (Bradley Stinger Fighting Vehicle)
SAM携行歩兵(対空特技兵)の輸送と支援を行うために設計されたモデル。
・ウォーハンマー・ブラッドレー
M2A2 ODSの派生型で、対戦車戦闘能力向上型。
FGM-148 ジャベリンを2基搭載し、照準器を改修。
・M7 ブラッドレー FSV
既存の観測車両と交代するため、ブラッドレーをFSV(火力支援車)に改修。
慣性航法装置、コントロールパネルと目標指示システムなどが追加されている。
・M270「MLRS」
多連装ロケットシステム発射機。ブラッドレーの基本車体の設計が利用されている。
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