風邪 風邪の概要

風邪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/13 13:13 UTC 版)

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風邪
Rhinovirus.PNG
ヒトライノウイルスの表面分子構造
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
家庭医療
ICD-10 J00.0
ICD-9-CM 460
DiseasesDB 31088
MedlinePlus 000678
eMedicine med/2339
Patient UK 風邪
MeSH D003139

多くの場合、単に風邪と言えば急性上気道炎(普通感冒)を指し、それ以外を風邪と呼ぶことは少ない。西洋医学的には「風邪症候群」と呼ぶことが多い。俗称として、消化管のウイルス感染によって嘔吐下痢腹痛などの腹部症状と上記全身症を来した状態を、「感冒性胃腸炎」「お腹の風邪」(もしくは胃腸かぜ、一部地方では腸感冒)と呼ぶこともある。

成人は平均して年間2-3回の風邪に罹患し、児童ではそれ以上である[4]。風邪に対してワクチンはない。最も一般的な予防法は、手洗いの実施、洗っていない手で目・鼻・口を触らない、病人と同じ空間に居ない事である[4]。いくつかの根拠はマスクの使用を支持している[7]

治療法は存在せず、罹患期間を短縮させる方法もないが[1][4]、症状は緩和可能でありイブプロフェンなどのNSAIDsは助けとなるであろう[8]。根拠によれば、抗生物質は使用すべきではなく[9][10]総合感冒薬の使用も支持されない[3]

症状

症状は、咳嗽(咳、症例の50%[2][1][11]咽頭痛(40%[2][1]鼻汁鼻づまり[11]など局部症状(カタル症状)、および発熱[11]倦怠感[11]頭痛[11]筋肉痛(50%[5])など。

鼻汁は通常、風邪の初期はさらさらとした水様で、徐々に粘々とした性に変化する。

病原体

原因の7-8割がウイルスである[12]

ウイルス

ライノウイルス (30%–80%)[13][14]
普通感冒といわれている。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが主症状で、年齢を選ばない。
コロナウイルス (15%)[15][16]
冬に感染しやすい。SARSはコロナウイルスの新種と言われる。
インフルエンザウイルス (10%–15%)[17]
英語では "flu" とされる。
アデノウイルス (5%)[17]
夏に流行。プールで感染するプール熱として知られる。
パラインフルエンザウイルス
インフルエンザという名称が入っているが、インフルエンザウイルスとは別のウイルスである。
喉頭と下気道に感染しやすい。子供がかかる場合が多い。
RSウイルス
小児発症の原因病原体として最多であり、気管支炎や肺炎を起こしやすい。乳幼児は重症になる場合もある。冬の感染が多い。
エコーウイルス
エンテロウイルス
下痢を起こしやすい。夏に流行する。

感染経路

病原体の感染経路には、以下の3種類がある。

空気感染飛沫核感染
結核麻疹水痘などの病原体が直径5µm以下の微小飛沫核となって長時間空中を浮遊し、空気の流れによって広範囲に伝播される感染様式で、空調設備のある個室への隔離や特殊なマスク(N95マスク)の着用が必須とされる。
飛沫感染
インフルエンザ、風疹、マイコプラズマなどの病原体が咳、くしゃみ、会話などで直径5µm以上の飛沫粒子となって飛散し、約1m の距離内で濃厚に感染を受けるもので、通常のマスク装着による飛沫予防策も有効とされている。
接触感染
上記を除く急性上気道炎、MRSA(黄色ブドウ球菌)、O-157(大腸菌)、赤痢菌ノロウイルスロタウイルスなどの急性下痢症、A型肝炎などで見られ、感染源との接触した手・体による直接接触、あるいは患者に使用した物品や環境表面との間接接触によって成立する。手洗いの励行は勿論、病原体に応じて手袋・ガウンなどの使用、聴診器など器具の共用禁止、消毒薬の使用、個室隔離など、様々な接触伝播経路における予防策が必要となる。

診断

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、以下のケースでは医療機関に受診すべきと勧告している。

  • 体温が摂氏38度以上の場合[4]
  • 症状が10日以上継続する場合[4]
  • 症状が深刻か、普通でない場合[4]
風邪とインフルエンザの違い[11]
風邪(Cold) インフル (Flu)
発熱 まれ 頻出(37-38℃)
頭痛 まれ 頻出
疼痛 わずか 大部分、重度となりえる
疲労・脱力 時々 大部分、2-3週続く
極度の疲労 なし 大部分
鼻汁 頻出 時々
くしゃみ 頻出 時々
のどの痛み 頻出 時々

風邪の多様な症状は、様々な病因によって発生し、稀に淋病が喉粘膜に発生することでも、風邪によく似た症状が出る。この他にも風邪と紛らわしい初期症状を示す病気は数多くあり、これらを風邪として扱ってしまいがちなことが「風邪は万病のもと」と言われる所以となっている[18]

インフルエンザ(流行性感冒、Flu)やマイコプラズマ肺炎等の症状も、風邪に含める場合もある。特にインフルエンザについては風邪と呼ばれるケースが多い。「インフルエンザを風邪と呼ぶべきではない」とする者もいるが、これは「インフルエンザは命にかかわる病気なので油断すべきではない」という警鐘である。歴史的にも「スペインかぜ」や「アジアかぜ」など、大勢の死者を出した大規模なインフルエンザのパンデミックは「風邪(かぜ)」と呼ばれている。

風疹麻疹流行性耳下腺炎などは、症状が非常に特徴的であり、疾患名が特定しやすいので、いわゆる風邪には含めない(ただし流行性耳下腺炎は、俗に『おたふくかぜ』と称する)。

鑑別疾患

他にもあらゆるウイルス、マイコプラズマクラミジア、細菌が風邪の原因となり、その数は200種類以上といわれる。風邪となる病原は非常に多く、またライノウイルスを例に挙げると、数百種類の型が存在するためワクチンを作ることは事実上不可能であり、どのウイルスまたは細菌が原因なのか診断するのも困難である。

逆に言えば、病原となるウイルスまたは細菌が特定できた場合は、それらはそれぞれの疾患名で呼ぶべきであり、風邪という症状名で呼ぶのは適切ではないということになる。例えばインフルエンザウイルスによる風邪に関しては、特に症状が重いことと、検査方法が確立していることから、原因が特定され、その場合は「インフルエンザ」という疾患名で呼ばれることとなる。それについて次項参照。

細菌性の感染かウイルス性の感染かは血液検査を行い、CRP値と白血球数を参考にする。

風邪の原因となるウイルス・細菌の種類は極めて多く、原因が特定されない場合が多いが、原因が特定できた場合においては、その原因によって疾患名が確定する。また「風邪は万病の元」と言われるが、あらゆる疾患の初期症状は「風邪」として片づけられることも多く見られる。そして疾患が進むと、風邪症状の範疇には収まらない、その疾患の特有の症状が発現することになる。

このため、数日で軽快しない場合は、「あらゆる疾患」が鑑別にあがる。

以下にあるのはその一部分である。




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