陰囊とは? わかりやすく解説

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いん‐のう〔‐ナウ〕【陰×嚢】

読み方:いんのう

陰茎基部にあって精巣睾丸(こうがん))および精巣上体副睾丸)を入れている袋状のもの。特殊な平滑筋層をもち、その収縮弛緩(しかん)によって温度調節をする。ふぐり。


ふぐり【陰嚢】

読み方:ふぐり

金玉(きんたま)。睾丸(こうがん)。いんのう

松ぼっくり松かさ

橋立の—も入り海の波もてぬらす文殊しりかな」〈咄・醒睡笑・五〉


陰嚢

読み方:インノウ(innou), フグリ(fuguri)

哺乳類の雄の陰茎基部にあって精巣などを内部に含む袋


陰嚢

英訳・(英)同義/類義語:scrotum

動物雄性生殖腺睾丸)を納める器官
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個体の器官や組織など:  間充織  間脳  関節  陰嚢  陰核  陰茎  陰葉

陰嚢

【仮名】いんのう
原文scrotum

男性の、精巣入っている体の外側にある嚢。

陰嚢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 21:34 UTC 版)

陰嚢
男性器の解剖図
(1.膀胱 2.恥骨 3.陰茎 4. 陰茎海綿体 5.亀頭 6.包皮 7.尿道口 8.S状結腸 9.直腸 10.精嚢 11.射精管 12.前立腺 13.尿道球腺 14.肛門 15.精管 16.精巣上体 17.精巣 18. 陰嚢)
英語 Scrotum 
動脈 前陰嚢枝
後陰嚢枝
静脈 精巣静脈
神経 後陰嚢神経
陰部枝
会陰枝
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陰嚢(陰囊、いんのう、: Scrotum)は、一部の哺乳類オスが持つ皮膚筋肉脂肪から成る器官精巣睾丸)を包む袋状の突出部[1]腹部の延長線に位置し、主にヒトやその他の一部哺乳類の場合、付け根は思春期以降陰毛によって覆われる。女性では、陰嚢は大陰唇に相当する。

一般に精巣と混同される事があるが、精巣睾丸)すなわち性器自体を指すのに対し、陰嚢はそれを包む袋を指す。布久利(ふぐり)とも言い、俗に、(玉袋、皮袋)、いなり(おいなりさん)とも言われる。東北地方の一部の地域では、じじこまたはすずこ(ずの発音はじに近い)とも呼称される。

概要

現生哺乳類のうち、有袋類北方真獣類の大多数が持つ器官である。ただし、それぞれで独自の進化を遂げており、有袋類では陰茎の前側に位置し、ヒトを含む大多数の北方真獣類とは位置が異なる[2][注釈 1]

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ヒトの陰嚢 左:温暖条件では弛緩している 右:寒冷条件では収縮している
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ヒトの陰嚢 中央に陰嚢縫線が見える

ヒトの場合、男性のみに存在し、陰茎の付け根にあり、体外に膨らむ。表面はメラニン汗腺が多い。皮下脂肪はなく、表面から順に、表皮真皮、肉様膜、コールス筋膜、4層の被膜、睾丸鞘膜の9層の薄い平滑筋で構成する。厳密に言えばとは違うが、人間の皮の中で一番厚いと言われる。陰嚢の真ん中の線を陰嚢縫線という。中の2つの睾丸は平行でなく、一般的に左側の睾丸が右側よりも垂れ下がっている[4]

精子の形成に適切な温度(34-35度)を維持する機能を持ち、温度によって伸展または収縮し、暑い時は広がって放熱を促進し、寒いときは縮まって放熱を抑止する。また、陰茎が勃起した際に皮が引っ張られ、性行為等における射精直前には縮み上がる。

陰嚢は男性器のタナー段階Iは思春期前・幼児型、II・III・IVで発達、Vで成人型となる

色は思春期前は肌色に近く、男性器タナー段階IIで思春期は始まる精巣容量が4ml以上になると共に(この段階で思春期に入った事に気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(陰毛のタナー段階II、男性器のタナー段階IIIになってから約1年後)した時点で思春期に入った事に気づきやすい[5][6])陰嚢が増大し、しわがきめ細かく赤みが帯びる。IIIでさらに増大し、IVで陰嚢がさらに増大すると共に黒ずんでくる[7]

疾患

脚注

注釈

  1. ^ しかし一部の北方真獣類は位置が異なり、アナウサギ等では有袋類と同じように陰茎の前側に、アフリカイエローハウスコウモリでは肛門の後側にある。 [3]

出典

  1. ^ 陰のう水腫 (いんのうすいしゅ)とは”. 社会福祉法人 恩賜財団 済生会. 2022年3月30日閲覧。
  2. ^ Kleisner, Karel; Ivell, Richard; Flger, Jaroslav (2010). “The evolutionary history of testicular externalization and the origin of the scrotum”. Journal of Biosciences 35: 27-37. 
  3. ^ ドリュー, リアム 著、梅田智世 訳『わたしは哺乳類です : 母乳から知能まで、進化の鍵はなにか』インターシフト、合同出版、2019年(原著2017年)、注(2)頁。ISBN 9784772695640 
  4. ^ Bogaert, Anthony F. (1997). “Genital asymmetry in men”. Human Reproduction 12 (1): 68–72. doi:10.1093/humrep/12.1.68. PMID 9043905. オリジナルの2015-05-28時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150528142617/http://www.hawaii.edu/hivandaids/Genital_Asymmentry_in_Men.pdf 2015年6月29日閲覧。. 
  5. ^ 「思春期早発症」とは(武田薬品工業)
  6. ^ 思春期早発症の症状(武田薬品工業)
  7. ^ 大山建司「<総説> 思春期の発現」『山梨大学看護学会誌』第3巻第1号、山梨大学看護学会、2004年、3-8頁、doi:10.34429/00003695ISSN 1347-7714 

関連項目


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