イヌノフグリとは? わかりやすく解説

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いぬ‐の‐ふぐり【犬の陰嚢】

読み方:いぬのふぐり

オオバコ科二年草道端や畑に生える。下部は地をはい、長さ15センチ卵円形。春、淡紅紫色小花を開く。実は扁平な球形で、名は実の形に由来ひょうたんぐさ。天人唐草(てんにんからくさ)。《 春》


犬の陰嚢

読み方:イヌノフグリ(inunofuguri)

コマノハグサ科の二年草


犬陰嚢

読み方:イヌノフグリ(inunofuguri), イヌフグリ(inufuguri)

ゴマノハグサ科二年草


犬陰嚢

読み方:イヌノフグリ(inunofuguri), イヌフグリ(inufuguri)

ゴマノハグサ科二年草

学名 Veronica didyma var.lilacina


イヌノフグリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/18 07:22 UTC 版)

イヌノフグリ
Veronica polita var. lilacina
(2010年4月3日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: クワガタソウ属 Veronica
亜属 : V. subg. Pocilla
: イヌノフグリ(広義)
V. polita
変種 : イヌノフグリ
V. p. var. lilacina
学名
標準: Veronica polita Fr. var. lilacina (T.Yamaz.) T.Yamaz. (1983)[1]

広義: Veronica polita Fr. (1817)[2]

シノニム
英名
Grey Field-speedwell

イヌノフグリ(犬の陰嚢、学名: Veronica polita var. lilacina)は、オオバコ科[注 1]クワガタソウ属越年草

和名の由来は、果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に見立てたことから名付けられている[7]。江戸時代の『草木図説』にイヌノフグリの図の記載がある[7][8]。別名でヒョウタングサともよばれ、語源は果実の形を瓢箪にみたてて名付けられたものである[7]

形態・生態

越年草は這って先だけが立ち、長さ7 - 15センチメートル (cm) になる[7][9]。茎にはごく短い毛が生える[7]

は短い柄がついてほとんどが互生[7]、卵円形[10][11]。葉縁には2 - 3対の鋸歯ついて短毛が生え、葉の上面はほぼ無毛である[7]

花期は3 - 5月。葉の腋に、1個ずつ淡いピンク色をした3 - 5ミリメートル (mm) のをつける[7]花柄は葉とほぼ同じ長さ[7]花冠には紅紫色のスジが入り、深く4裂して平らに開く[7]雄蕊は2本、雌蕊は1本で、花の中央に立つ[7]は長さ3 - 4 mmで、花後も残って果実を抱く[7]

果実は、2個の球が接した形で両面が膨れ、全体に細かい軟毛が生える[7]。果実の中には10個前後の種子が入り、種子の長さは1.5 mmほどである[7]

分布

東アジア亜熱帯から暖帯に広く分布する[7]日本では本州中部以南に見られる在来種であり、かつては路傍畦道などで普通に見られた雑草であった[7]。しかし、近年は近縁種の帰化植物であるオオイヌノフグリVeronica persica)やフラサバソウVeronica hederifolia)にその生育地を奪われ、その数を大幅に減らしている[7]

保全状況評価

環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)に指定されている。

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[12]

脚注

注釈

  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではオオバコ科(Plantaginaceae)に分類されるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)に分類される[1]

出典

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica polita Fr. var. lilacina (T.Yamaz.) T.Yamaz. イヌノフグリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica polita Fr. イヌノフグリ(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica polita Fr. subsp. lilacina (T.Yamaz.) T.Yamaz. イヌノフグリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica caninotesticulata Makino, nom. nud. イヌノフグリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica didyma Ten. var. lilacina T.Yamaz. イヌノフグリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Veronica didyma auct. non Ten. イヌノフグリ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月18日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 長田武正 1976, p. 111.
  8. ^ 飯沼慾斎. “『草木図説』前編 巻一”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2023年4月7日閲覧。
  9. ^ 野草見分けのポイント図鑑』 27頁。
  10. ^ 野に咲く花』 480頁。
  11. ^ 野草見分けのポイント図鑑』 26頁。
  12. ^ 環境省自然環境局生物多様性センター. “絶滅危惧種情報”. 生物多様性情報システム. 2014年4月10日閲覧。

参考文献

  • 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1 
  • 『野草見分けのポイント図鑑』林弥栄総監修、講談社、2003年、26-27頁。 ISBN 4-06-211599-9 
  • 平野隆久写真『野に咲く花:写真検索』林弥栄監修、門田裕一改訂版監修(増補改訂新版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、480-481頁。 ISBN 978-4-635-07019-5 

関連項目

外部リンク


イヌノフグリ

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精巣」の記事における「イヌノフグリ」の解説

果実形状から。

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