Chief of Staffとは? わかりやすく解説

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参謀長

(Chief of Staff から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/04 01:06 UTC 版)

参謀長(さんぼうちょう、ドイツ語Stabschefフランス語Chef d'État-Major英語Chief of Staff)は、軍隊に於いて複雑な組織や機関などの指揮命令系統上(これを俗に「ライン」と言う)にいる指揮官や責任者を補佐するため、各種実務を計画し、その指導監督をする参謀(いわゆる「スタッフ」という)または幕僚の長。外国語から日本語に翻訳する際には、文脈や対象となる国家の制度や慣習などにより幕僚長(ばくりょうちょう)と訳す場合もある、逆もまた然りである。

英語の“Chief of Staff”のように、他の言語では文官や民間組織の役職にも同じ言葉が使われることがあるが、“White House Chief of Staff”(アメリカ合衆国大統領首席補佐官)のように文民職で使用されている場合は首席補佐官(しゅせきほさかん)等と訳される。

一般的に、参謀長(幕僚長)は該当する組織とその最高責任者との間に立って緩衝機能を提供する。つまり上意下達型の組織にあって、上位機関からの指揮・命令・指導を調整し、それらを下位機関に伝えて実行させることにある。また、逆に下位機関からの意見具申や上申などを参謀機関で検討し上位機関に伝える事のほか、上位機関に対して各種軍事活動に関して補佐する事が求められる。これらの機能の責任者として参謀総長(幕僚長)が充てられる。現在、大多数の国の軍隊では参謀機関の長たる参謀総長が一軍の最高幹部に任ぜられているが、一部の国では総司令官と参謀総長が別々に設けられている場合もある。

参考文献

  • J・D・ニコラス他『統合軍参謀マニュアル』野中郁次郎、谷光太郎訳、白桃書房、1987年。
  • 高井三郎『現代軍事用語 解説と使い方』アリアドネ企画、2006年。

航空幕僚長

(Chief of Staff から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/03 09:05 UTC 版)

日本
航空幕僚長
Chief of Staff, Air Self Defense Force
航空幕僚長(乙)階級章
航空幕僚長旗
現職者
空将森田雄博(第38代)

就任日 2025年令和7年)8月1日
組織 行政府
防衛省
種類 自衛官
所属機関 航空幕僚監部
任命 防衛大臣
初代就任 上村健太郎
創設 1954年昭和29年)7月1日
ウェブサイト 防衛省・自衛隊

航空幕僚長(こうくうばくりょうちょう、: Chief of Staff, Air Self Defense Force)は、防衛省航空幕僚監部の長[1]航空自衛官の最高位である。日本語略称は空幕長(くうばくちょう)。

概要

航空幕僚長 階級章略章

防衛大臣の指揮監督の下[1]航空自衛隊の任務および隊員の服務を監督し、それらに関する最高の専門的助言者として大臣を補佐する。航空自衛隊の人事、教育訓練、防衛力整備、後方補給などを司るフォースプロバイダー(練度管理責任者)として部隊を管理し、部隊運用に際しフォースユーザー(事態対処責任者)の統合幕僚長に航空自衛隊の部隊を提供する役目を担っている[2]防衛省に設置される特別の機関の一つである防衛会議の構成員で、次官級審議官と同等の政令指定職7号[注釈 1]の役職である。階級は空将であるが、通常の空将が空軍中将に相当するのに対し、航空幕僚長は統合幕僚長と同じ特別の階級章が定められているため、空軍大将相当である。特別の階級章とは、通常の空将の階級章は桜星が3つであるのに対し、統合幕僚長および航空幕僚長たる空将は桜星が4つ[注釈 2]となっている。自衛隊において旧軍や諸外国軍の大将に相当する処遇を受けるのは統合幕僚長陸上幕僚長海上幕僚長・航空幕僚長の4人だけだったが、2025年より統合作戦司令官が追加される。遡って自衛隊の元となった組織では、警察予備隊の中央本部長、その改組後の総隊総監たる警察監、保安隊の保安庁第一幕僚長たる保安監、海上警備隊の海上警備隊総監たる海上警備監、その改組後の警備隊の保安庁第二幕僚長たる警備監も大将に相当する。

定年

空将たる航空自衛官は60歳を以て定年退官となるが、航空幕僚長たる空将の定年は62歳となっている。

空将の定年を超えて航空幕僚長の職位にある航空自衛官が航空幕僚長の職務を辞任したり、解任された場合はその時点で定年に達したものとみなされ自動的に定年退官となる。

歴代の航空幕僚長

歴代の航空幕僚長
氏名 写真 在職期間 出身 出身校・期 前職 後職
01 上村健太郎 1954.7.1 - 1956.7.2 兵庫 東京帝国大学
昭和5年卒
保安庁長官官房長 退職
調達庁長官
→1957.7.30
02 佐薙毅 1956.7.3 - 1959.7.17 愛媛 海兵50期・
海大32期
航空幕僚副長 退職
03 源田実 1959.7.18 - 1962.4.6 広島 海兵52期・
海大35期
航空総隊司令 退職
04 松田武 1962.4.7 - 1964.4.16 山口 陸士39期・
東京帝国大学[注釈 3]
航空幕僚副長 退職
05 浦茂 1964.4.17 - 1966.4.29 石川 陸士44期・
陸大52期
航空幕僚副長 退職
06 牟田弘國 1966.4.30 - 1967.11.14 東京 陸士43期 航空総隊司令官 第4代統合幕僚会議議長
07 大室孟 1967.11.15 - 1969.4.24 鹿児島 陸士45期 航空幕僚副長 退職
08 緒方景俊 1969.4.25 - 1971.6.30 鹿児島 陸士46期・
陸大55期
航空幕僚副長 退職
09 上田泰弘 1971.7.1 - 1971.8.9 熊本 陸士49期・
陸大58期
航空幕僚副長 退職[注釈 4]
10 石川貫之 1971.8.10 - 1973.6.30 大分[3] 陸士50期 航空幕僚副長 退職
11 白川元春 1973.7.1 - 1974.6.30 東京 陸士51期・
陸大58期
航空幕僚副長 第8代統合幕僚会議議長
12 角田義隆 1974.7.1 - 1976.10.14 熊本 海機49期 中部航空方面隊司令官 退職
13 平野晃 1976.10.15 - 1978.3.15 鹿児島 海兵69期 航空幕僚副長 退職
14 竹田五郎 1978.3.16 - 1979.7.31 福岡 航士55期 航空総隊司令官 第12代統合幕僚会議議長
15 山田良市 1979.8.1 - 1981.2.16 長崎 海兵71期 航空総隊司令官 退職
16 生田目修 1981.2.17 - 1983.4.25 茨城 航士58期 航空幕僚副長 退職
17 森繁弘 1983.4.26 - 1986.2.5 東京 航士60期 航空幕僚副長 第16代統合幕僚会議議長
18 大村平 1986.2.6 - 1987.12.10 東京 名幼48期・
東京工業大学
昭和28年卒
航空幕僚副長 退職
19 米川忠吉 1987.12.11 - 1990.7.8 神奈川 青山学院大学
昭和30年卒
航空総隊司令官 退職
20 鈴木昭雄 1990.7.9 - 1992.6.15 北海道 防大1期 航空総隊司令官 退職
21 石塚勲 1992.6.16 - 1994.6.30 秋田 防大3期 航空総隊司令官 退職
22 杉山蕃 1994.7.1 - 1996.3.24 兵庫 防大4期 航空総隊司令官 第21代統合幕僚会議議長
23 村木鴻二 1996.3.25 - 1997.12.7 山口
(満洲)
防大6期 航空幕僚副長 退職
24 平岡裕治 1997.12.8 - 1999.7.8 鹿児島 防大8期 航空幕僚副長 退職
25 竹河内捷次 1999.7.9 - 2001.3.26 広島 防大9期 航空総隊司令官 第24代統合幕僚会議議長
26 遠竹郁夫 2001.3.27 - 2003.3.26 鹿児島 防大11期 航空幕僚副長 退職
27 津曲義光 2003.3.27 - 2005.1.11 福岡 防大13期 航空支援集団司令官 退職
28 吉田正 2005.1.12 - 2007.3.27 大阪 防大14期 航空教育集団司令官 退職
29 田母神俊雄 2007.3.28 - 2008.10.31 福島 防大15期 航空総隊司令官 航空幕僚監部付[注釈 5][4][5]
→2008.11.3退職[6]
- 岩﨑茂 2008.10.31 - 2008.11.6 岩手 防大19期 職務代理(本務:航空幕僚副長)[注釈 6]
30 外薗健一朗 2008.11.7 - 2010.12.23 鹿児島 防大18期 情報本部 退職[注釈 7]
31 岩﨑茂 2010.12.24 - 2012.1.30 岩手 防大19期 航空総隊司令官 第4代統合幕僚長
32 片岡晴彦 2012.1.31 - 2013.8.21 東京 防大20期 退職
33 齊藤治和 2013.8.22 - 2015.11.30 福井 防大22期 退職
34 杉山良行 2015.12.1 - 2017.12.19 静岡 防大24期 退職
35 丸茂吉成 2017.12.20 - 2020.8.24 群馬 防大27期 航空幕僚副長 退職
36 井筒俊司 2020.8.25 - 2023.3.29 千葉 防大30期 航空総隊司令官 退職
37 内倉浩昭 2023.3.30 - 2025.7.31[7] 鹿児島 防大31期 航空総隊司令官 第8代統合幕僚長[7]
38 森田雄博[7] 2025.8.1[7] - 埼玉[7] 防大33期 航空支援集団司令官[7]

脚注

注釈

  1. ^ 自衛官#自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較を参照。
  2. ^ 1962年(昭和37年)12月1日、自衛隊法施行規則の一部改正により現在の階級章が制定された。それ以前は他の空将と同じ階級章であり、左胸に幕僚長であることを示す幕僚長章を着けていた。
  3. ^ 員外学生として東京帝国大学工学部機械工学科に派遣され、工学士号を取得。技術将校としてのキャリアを歩んだ。帝国陸軍における人事上は、陸大卒業者と同等の処遇を受けた。詳細は「陸軍大学校#陸大卒業者と同等に扱われた者」を参照。
  4. ^ 全日空機雫石衝突事故により引責辞任。
  5. ^ 田母神論文問題により更迭。
  6. ^ 「幕僚長に事故があるとき、又は幕僚長が欠けたときは、その職務を行う。」(防衛省設置法第25条の2の規定による)
  7. ^ 航空自衛隊事務用品発注官製談合事件による引責辞任。

出典

  1. ^ a b 防衛省設置法 第二十一条
  2. ^ 統合運用について 防衛省 2010年3月
  3. ^ 朝鮮京城府生まれ。
  4. ^ 防衛省発令(将人事)2008年10月31日(2009年1月23日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  5. ^ “読む政治:前空幕長論文問題(その2止) 「危険人物」不安現実に”. 毎日Jp. (2008年11月9日). オリジナルの2008年12月28日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/YRtvd 2009年2月17日閲覧。 
  6. ^ 防衛省発令(将人事)2008年11月3日(2009年1月23日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  7. ^ a b c d e f 防衛次官に大和太郎氏、統合幕僚長に内倉浩昭氏を起用”. 日本経済新聞 (2025年7月15日). 2025年8月3日閲覧。

関連項目

外部リンク


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