アデノシン3リン酸(ATP)は、アデノシンという物質に3つのリン酸基(P)が結合しています。ATP分解酵素の働きによってATPが加水分解すると、ひとつのリン酸基(P)がはずれてADP(アデノシン2リン酸)になり、その際にエネルギーを放出します。このエネルギーを使って筋の収縮が行われます。筋繊維の中に蓄えられているATPの量はわずかなので、激しい運動では短時間で使い果たしてしまいます。したがって、長時間運動を続けるにはADPからATPを再合成してATPを供給し続けなければなりません。この仕組みをエネルギー産生機構といいます。酸素を必要としない無酸素性(嫌気的)エネルギー産生機構と酸素を消費する有酸素性(好気的)エネルギー産生機構の2つに大別され、前者はさらにクレアチンリン酸機構と乳酸性機構に分かれます。
ATP
「ATP」とは、アデノシン三リン酸・抗頻拍ペーシング・納期回答・男子プロテニス協会のことを意味する表現である。
「ATP」とは・「ATP」の意味
「ATP」は主に、「アデノシン三リン酸」という意味で使用される言葉である。「adenosine triphosphate」を略して、「ATP」となる。ATPは、動物や植物に関係なく、全ての生物の細胞内に存在している物質である。そして、生物の体内で、至るところにエネルギーを届けるという役割を担っている。ATPは、遺伝子に含まれる物質であるアデニンと、糖の一種であるリボースに、リン酸が3つ付いた構造となっている。エネルギーを生み出す器官であるミトコンドリア内で作られたATPは、ミトコンドリアの外でリン酸をひとつ切り離して、ADP、アデノシン二リン酸となる。その際に、エネルギーの受け渡しが行われる。その後、ADPはミトコンドリア内でリン酸をひとつ付け、ATPとなって改めてエネルギーの受け渡しを行う。その一連の流れが、ATPの体内での役割であり、生物が生きるためには欠かせない。ただ、より具体的な働きは、非常に複雑である。そのため、学問としてATPの仕組みを把握しなければならない人の中には、理解ができず、Yahoo!知恵袋などに助けを求める人も少なくない。
アデノシン三リン酸を意味するATPは、医療用語でもある。医療現場では、ATPを主成分とした薬剤が使用される。ATPを使った薬剤には、素早いエネルギー供給によって血管を拡張させたり、内臓器官の働きを促進させたりする働きがある。ATPは、内服薬や注射薬など、色々な形で体内に投入され、医師だけでなく看護師が使用することもある。そして、心不全や偏頭痛など、様々な症状に対して使われる。
また、医療現場では、抗頻拍ペーシング(antitachycardia pacing)の略称として、ATPが使われることもある。心臓で、命の危険に繋がりかねない不整脈が発生した際に、電気ショックによって脈を止めるというものである。不整脈よりも短い周期で、脈を止めるという仕組みとなっている。ATPは、そのような不整脈を止める方法を指す言葉であるが、心臓に使用するペースメーカーに搭載される機能の名前としても扱われる。
ビジネスシーンでは、ATPは、納期回答(available to promice)の略称として使用される。納期回答は、顧客の注文に応じて、確実に用意できる商品の量を指す言葉だ。商品を即時引き渡しする場合は、在庫の量がATPとなる。顧客が指定した納期が先である場合は、その納期までに確実に用意できる量がATPと見なされる。
ATPは、男子プロテニス協会(association of tennis professionals)の略称としても使用される。世界的に展開する協会であり、男性がテニス選手として活躍し、賞金を得るためには、ATPに加盟しなければならない。ATPに加盟した選手は、毎年1月から11月まで、およそ1年をかけてトーナメント形式での大会に参加する。その大会は、ATPツアーと呼ばれる。
ATPツアーには、ATPと連携したITF(国際テニス連盟)が主催するグランドスラムを始めとして、複数の種類がある。ATPの選手は、自身のランクに応じた種類に参加する。そして、それぞれの大会ごとにポイントが割り振られていて、獲得ポイントによって選手のランキングが決まる。そのランキングはATPランキングと呼ばれ、上位30位に入った選手は、翌年の予選が免除されるという恩恵を受けられる。また、それと同時に、主要大会への出場が義務付けられることとなる。
ATPエネルギーとは
「ATPエネルギー」は、アデノシン三リン酸、ATPによってやり取りされるエネルギーを指す言葉である。エネルギーという言葉は、幅広い意味合いで使用される。そのため、数あるエネルギーの中から、ATPに関連するものに限定するために、ATPエネルギーという言葉を使用する。また、ATPそのものは、エネルギーを媒介するためのものだ。よって、ATPと、ATPが貯蔵や運搬をしているエネルギーを区別する目的で、ATPエネルギーという言葉が使われることもある。ATP
別表記:アデノシン三リン酸
アデノシン三リン酸(ATP)とは、アデノシン(adenosine)とリン酸(phosphoric acid)からなる化合物の名称です。リン酸の分子は3つあるため「3」を意味する接頭辞 tri- が加えられ、Adenosine TriPhosphate、略して「ATP」とも呼ばれます。生物が体内でエネルギーを貯蔵したり使用する際の媒体となる物質であり、その意味であらゆる生物のあらゆる活動にとって必要不可欠の物質です。
アデノシン三リン酸は分子内にエネルギーを蓄えておく役割と、必要に応じてエネルギーを放出し消費可能にする役割があります。体内のアデノシン三リン酸は加水分解により、3つあるリン酸分子のうち1つが切り離されて「アデノシン二リン酸」(ADP)に変化します。この変化に伴い蓄えられていたエネルギーが放出され、活動に必要なエネルギーが筋肉などに供給されるというわけです。
アデノシン三リン酸には血管を拡張する作用もあります。2010年代現在では眼精疲労や胃炎などの症状を抑える医薬品の成分としても活用されています。
アデノシン三リン酸は1920年代に発見され、1930~1940年代にはアデノシン三リン酸が筋肉の収縮などに根幹的に関わっていることなどが解明されています。2017年には大阪大学が大規模シミュレーションによりアデノシン三リン酸のエネルギーの構造や分子メカニズムを解明したと発表しています。
エー‐ティー‐ピー【ATP】
読み方:えーてぃーぴー
エー‐ティー‐ピー【ATP】
読み方:えーてぃーぴー
《Association of Tennis Professionals》男子プロテニス選手協会。男子の世界テニスツアーの組織や選手の世界ランキングを決めるATPポイントを決定する。1972年設立。事務局はロンドン。→ダブリュー‐ティー‐エー(WTA)
エー‐ティー‐ピー【ATP】
エー‐ティー‐ピー【ATP】
ATP
分子式: | C10H16N5O13P3 |
その他の名称: | ATP、アジノール、アデトール、Triadenyl、Triphosaden、Triphosphaden、Striadyne、Myotriphos、Glucobasin、Atriphos、5'-ATP、ATP【nucleotide】、Atipi、Adynol、Adetol、ATP【ヌクレオチド】、トリホスファデン、トリホサデン、トリアデニル、ストリアジン、アトリホス、グルコバシン、ミオトリホス、Adenosinetriphosphoric acid、アデノシン三りん酸、Adenosine 5'-triphosphoric acid、アデニルピロりん酸、カルデノシン、ホスホビオン、Cardenosine、Adenylpyrophosphoric acid、Fosfobion、Adenosine-5'-triphosphoric acid、Triphosphoric acid α-(5'-adenosyl) ester、アデノシン三リン酸 |
体系名: | アデノシン-5'-三りん酸、アデノシン5'-三りん酸、三りん酸α-(5'-アデノシル) |
アデノシン三リン酸
英訳・(英)同義/類義語:adenosine triphosphate, ATP
アデノシンの5'OH基にリン酸が3分子ジエステル結合したもの。このうち2個のリン酸分子の結合は高エネルギーリン酸結合とよばれ、この結合が切れるときにエネルギーを生体内の様々な反応に利用している。
電子伝達系
英訳・(英)同義/類義語:electron transfer, electron transport system, electron transport systems, Electron transport chain, ETS, ATP (adenosine triphosphate)
ミトコンドリアや葉緑体に含まれる一連の電子伝達を行う物質の組(電子伝達系)があり、ATPなどへのエネルギー変換を行っている。
化合物名や化合物に関係する事項: | アデノシン5'-三リン酸 アデノシン アデノシン一リン酸 アデノシン三リン酸 アデノシン二リン酸 アドレナリン アフラトキシン |
ATP
アデノシン3リン酸
atp
ATP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/05 04:06 UTC 版)
ATP
- アデノシン三リン酸 - Adenosine TriPhosphate
- 男子プロテニス協会 - Association of Tennis Professionals
- ATP (鉄道) - Automatic Train Protection の略で、「自動列車防護装置」、「自動列車保護装置」と訳される。
- 自動列車警報装置 - Automatic Warning Systemと呼称するが、これもATPと称す場合がある。
- 社団法人全日本テレビ番組製作社連盟 - Association of All Japan TV Program Production Companies
- 汎用過渡現象解析プログラム(Alternative Transients Program) - 日本ATPユーザグループが運営。
- AppleTalk - AppleTalk Transaction Protocol
- プロップファン - Advanced Turbo Prop
- 厚木テレコムパーク(Atsugi Telecompark)(現:株式会社ATP) - 「厚木アクスト」(神奈川県厚木市)を運営する第三セクター。
- AT-P (装甲牽引車)(Artilljeriiskiy Tyagach -Polubronirovanny) - ソビエトで開発された砲兵トラクターのうちの一つ。アルファベット式表記で、原語のロシア語表記ではАТ-Пとなる。
- オール・トゥモローズ・パーティーズ - All Tomorrow's Parties
- アグレッシブ・タックス・プランニング
- 自動定理証明(automated theorem proving)
- 物流で「組立(Assembly)+検品(Test)+梱包(Packing)」の略。
AT-P(ロシア語: АТ-П(Объект 561)/(AT-P 45(АТ-П 45)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/01 07:29 UTC 版)
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「ATP」の例文・使い方・用例・文例
AT-P/と同じ種類の言葉
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