ATP
別表記:アデノシン三リン酸
アデノシン三リン酸(ATP)とは、アデノシン(adenosine)とリン酸(phosphoric acid)からなる化合物の名称です。リン酸の分子は3つあるため「3」を意味する接頭辞 tri- が加えられ、Adenosine TriPhosphate、略して「ATP」とも呼ばれます。生物が体内でエネルギーを貯蔵したり使用する際の媒体となる物質であり、その意味であらゆる生物のあらゆる活動にとって必要不可欠の物質です。
アデノシン三リン酸は分子内にエネルギーを蓄えておく役割と、必要に応じてエネルギーを放出し消費可能にする役割があります。体内のアデノシン三リン酸は加水分解により、3つあるリン酸分子のうち1つが切り離されて「アデノシン二リン酸」(ADP)に変化します。この変化に伴い蓄えられていたエネルギーが放出され、活動に必要なエネルギーが筋肉などに供給されるというわけです。
アデノシン三リン酸には血管を拡張する作用もあります。2010年代現在では眼精疲労や胃炎などの症状を抑える医薬品の成分としても活用されています。
アデノシン三リン酸は1920年代に発見され、1930~1940年代にはアデノシン三リン酸が筋肉の収縮などに根幹的に関わっていることなどが解明されています。2017年には大阪大学が大規模シミュレーションによりアデノシン三リン酸のエネルギーの構造や分子メカニズムを解明したと発表しています。
アデノシン‐さんりんさん【アデノシン三×燐酸】
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