体内での役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 08:47 UTC 版)
食事から摂取された炭水化物は小腸でグルコースに分解され、ナトリウム-グルコース共輸送体タンパクのSGLT-1およびSGLT-2により大量のグルコースが体内に吸収される。 詳細は「グルコーストランスポーター#能動輸送 - 共役輸送タンパク」を参照 グルコースは、小腸から吸収されてから、体内で主要なエネルギー源として利用されており、特に脳での通常時のエネルギー源として利用されている。 詳細は「解糖系」を参照 グルコースの分子は極性を有するため、細胞膜を通過するのには特別な膜輸送タンパク質を必要とする。 詳細は「グルコーストランスポーター」を参照 グルコースが細胞に取り込まれると直ちにリン酸化が起こり、グルコース-6-リン酸が生成される。このリン酸化は、グルコースが細胞外に拡散してしまうのを防ぐためである。リン酸化により電荷が導入されるので、グルコース-6-リン酸は容易に細胞膜を通過することができない。リン酸化されたグルコースは解糖系等の代謝経路に入る。 詳細は「グルコース-6-リン酸」を参照 体内でのグルコースは、エネルギー源として重要である反面、高濃度のグルコースは生体に有害であるため、インスリンなどによりその濃度(血糖)が常に一定範囲に保たれている。 詳細は「血糖」を参照 食後に大量のグルコースが体内に吸収されるが、体内のインスリンが十分に機能しないと血糖のコントロールができなくなり病的症状が現れる。 詳細は「糖尿病」および「高血糖症」を参照 グルコースはそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(糖化反応、メイラード反応参照)があり、グルコースによる修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じる。細胞内に入ったグルコースはすぐに解糖系により代謝されてしまう。インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のグルコースにさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症する。
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