騒動・不祥事
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アップル対アップル訴訟 詳細は「アップル対アップル訴訟」を参照 ビートルズが所有したアップル・コアと「Apple」の名称およびロゴの使用をめぐって裁判で争ったことがあり、Apple Computerが音楽事業を行わないことで和解していたが、iPodやiTunesの登場によって契約違反として再度訴訟問題となった。この問題は2007年に、Apple Inc.がアップル・コアに5億ドルを支払って「Apple」に関連する商標権を保有し、アップル・コアがライセンスを得て使用することで最終的に和解した。 電子書籍の価格操作で独禁法違反 2013年7月に米連邦地裁は、Appleが電子書籍の価格をつり上げるために出版大手5社と共謀したと認定、独禁法違反であると判決を下した。大手出版社やAppleと交わしている電子書籍のエージェンシーモデル価格契約を違法であるとアメリカ合衆国司法省が2012年5月に告発した裁判で、Appleに有罪判決が下った。本裁判を担当したマンハッタン連邦地裁のデニス・コート判事の判決文によると、「2009 - 2010年当時の状況に絞って考えると、Amazon.comの独占に対抗するために、Appleや大手出版社が価格を引き上げようとした動機は理解できるが、その行為自体は法的に正当化されるものではない」と判決理由を明らかにしている。 2014年4月に、Appleが電子書籍の分野で、大手出版社5社と価格カルテルを結んでいたとして33州・領土の検事総長らが提起した訴訟について、米連邦裁判所のデニス・コート判事は、Apple側の訴訟の取り下げ請求を棄却した。今回の判断により、検事総長らは損害賠償請求を進められることになった。コート判事は7月、Appleが電子書籍の価格をつり上げるため、2009年 - 2010年に出版社と共謀し、公正な競争が阻害されたとの判断を下した。Appleは州当局が損害賠償を請求する法的根拠はないと主張。判事はこうしたAppleの主張を退けた。 スイス連邦鉄道の時計デザイン盗用問題(和解) Appleのモバイル端末向けOSのiOS 6に搭載される時計ウィジェットアプリが、スイス連邦鉄道の時計のデザインを盗用しているとして、スイス連邦鉄道がAppleを相手に法的措置に踏み切った。Appleはスイス連邦鉄道に対し、ライセンス料として2000万スイスフラン(約16億7000万円)を支払うことで和解した。 島野製作所との訴訟(Apple勝訴) MacBook、MacBook Proに使われていたMagSafeのポゴピン(英語版)に関して、Appleの日本における下請会社のひとつである島野製作所が、2012年にAppleから増産を指示され、これを受ける形で設備投資を行ったものの、直後に取引を急減させられたうえ、納入価格を半額にするよう要求され、さらに約1459万ドルのリベートも支払うよう求められた。同社はこれらについて、不当取引であるとして東京地方裁判所に100億円の損害賠償を求め提訴。この訴訟に関連して、「両社間の紛争はアメリカの裁判所で解決する」と両社が合意していたことの有効性についての中間判決が2016年2月15日に同地裁で言い渡され、「合意が成立する法的条件を満たしておらず無効」として、日本国内で審理することが決まった。 2016年3月18日、Appleを訴えていた島野製作所が請求を棄却され敗訴した。その後、島野製作所は控訴したが、島野製作所の特許は無効との判断が示され、棄却された。 子会社の源泉徴収漏れ Appleの子会社であるiTunes株式会社が、東京国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘され、約120億円を追徴課税されていたことが、2016年9月に判明した。音楽・映像の配信事業において、アイルランドのグループ企業に資金移転し、タックス・ヘイヴンでの利益の一部について、源泉所得税を納める必要のある「配信事業でのソフトウェア使用料」に相当すると判断された。 iPhone販売契約における独禁法違反の疑い 2018年7月11日、公正取引委員会の報告書によって、AppleがNTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク(※以下、キャリア3社)それぞれと、iPhone販売方針に関する「iPhoneアグリーメント」と呼ばれる契約を結んでいたことが発覚した。Appleに独占禁止法違反の疑いがあるとして、2016年10月から公正取引委員会による調査が行われたことにより、この契約が明るみに出た。この契約によりAppleは、本来、キャリア3社が毎月の通信料の引き下げに充てるはずの資金を、iPhoneの割り引きに充てるように義務づけていた。 独占禁止法は、取引相手のビジネスを不当に縛る行為を禁じており、公正取引委員会は、「iPhoneアグリーメント」が壁になり、キャリア3社が月々の通信料が安いプランを消費者に提供できない状態が続いたことが問題だと指摘した。これらの問題を受けて、Appleがキャリア3社との契約を改定するとの申し出をしたことにより、公正取引委員会による調査は終了した。 iPhoneを取り扱う店舗には、「数か月ごとに訪れる締め日までに一定台数のiPhoneを販売できなければiPhoneを取り扱えなくなる」というような、iPhoneの販売ノルマが課されているケースがある。このノルマが、Appleとキャリアとの間で結ばれている「iPhoneアグリーメント」が理由なのか、キャリアと代理店の間で独自に設けられたものなのかは定かではないものの、販売現場がiPhoneの販売台数を追いかけなければならない状況にある。 iPhoneの地図アプリにおける竹島表記問題 2018年8月29日、iPhoneのマップでの竹島表記を、日本語設定以外ではすべて独島表記に一本化されていることが明らかになった。現在、iPhoneの言語設定で「日本語」を選んだ場合は竹島と表記されるが、「English」など日本語以外の設定ではすべて独島と表記され、竹島は完全に削除される形となった。 アメリカ国家安全保障局への協力 2013年6月のエドワード・スノーデンの内部告発に始まるアメリカ国家安全保障局(NSA)の一連の騒動によって流出した内部資料から、AppleがNSAの運用する極秘の監視プログラムPRISMに対して2012年より協力していることが明らかになった。[要出典] 米マイクロソフトや米Googleをはじめとする他の協力企業と比較すると数年ほど遅れて協力しているが、その理由は故スティーブ・ジョブズ元CEOが生前NSAへの協力をかたくなに拒んでいたからであるとされる。[要出典] Epic Gamesからの訴訟 「Epic Games対Apple訴訟」を参照 2020年8月、Epic Gamesの規約違反を受けて、Apple、GoogleはそれぞれApp Store、Google PlayからFortniteを削除した。 その後Epic GamesはApple、Googleに対し訴訟を起こした。しかし、判決はAppleの主張が妥当であると認められ、Epic Gamesの開発者アカウントは削除された。 「ウイグル人強制労働防止法」に反対するロビー活動 2020年11月、Appleは、中華人民共和国による新疆ウイグル自治区でのウイグル人への拷問や監視下による強制労働で作られた製品の取引を禁止するアメリカの「ウイグル人強制労働防止法案」に対し、その条項を緩和させるためのロビー活動を行っていると報道されたが、内容が事実と異なり「Appleは強制労働を許容しない」「ウイグル人労働を使用していないことを確認した」とAppleの広報担当ジョシュ・ローゼンストックが反論している。 住宅火災に対する日本法人の損害賠償責任を求める裁判 2019年秋に愛知県で2階建ての住宅が全焼する火災が発生し、就寝していた住人夫婦が気道熱傷により死亡した。死亡した女性は火事の約2週間前にiPhone XRを購入して1週間ほど使用しており、火元とされる1階リビング中央の火燵テーブルの下には純正の充電器に繋がれたiPhoneが置かれていた。また、炬燵に布団は掛けられておらず、電源を切ってコンセントが抜かれた状態だった。これに関して、消防による調査報告書では「特定に至らず不明」としながらも「携帯電話機からの出火の可能性が考えられる」と指摘されていた。 その後、2021年2月25日に遺族の男性が製造物責任法による約1億4400万円の損害賠償を求めてApple Japanを提訴した。 App Storeでの手数料に関する独禁法違反の疑い(審査終了) Appleが運営しているApp Store内において、音楽や電子書籍、動画などを販売している業者に対して、Appleが独自の課金システムで30%の手数料を課しており、多くの業者はその手数料分を料金に上乗せしているため、ユーザーは通常よりも高い料金を払い続けているという状態となっていた。これを問題視した日本の公正取引委員会は2016年10月から独占禁止法違反の疑いで審査を行っていた。 2021年9月、Appleは公正取引委員会に対し、改善措置を実施すると申し出て、その後2022年3月までにApp Store以外での外部決済方法について、アプリ内でユーザーに通知することが出来るようにすることを発表した。これを受けて、公正取引委員会は「独占禁止法の懸念は払拭される」と判断し、審査を終了した。なお、この措置は日本だけでなく、全世界で適用される。
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