武具、神器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 04:12 UTC 版)
「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の記事における「武具、神器」の解説
ニルダの杖 リルガミン初代王が精霊神ニルダから授けられた聖なる杖。王都全体を、まさに神の力といえる完璧な防護結界で包み、王都に害を及ぼすあらゆるものの干渉を退ける。地震や寒波を引き起こす超魔法を用いても通用せず、少しでも都市への害意を秘めた者の侵入を妨げる。また、遠隔地からの魔術による偵察も不可能で、その昔リルガミン侵攻を計画した他国の軍師の中には、あまりの情報の少なさに気がふれた者もいるらしい。 本作から約千年前の、魔神マイルフィックによる大災害からも都市を守り、その当時の魔法の文献も失われずにリルガミンに残された。しかし杖の力は、都市の内部に対しては働かないため、リルガミンで生まれ育った魔人ダバルプスの台頭だけは防げなかった。ダバルプスがリルガミンの僭主であった時期はその手元にあり、ダバルプスはニルダ神に杖の所有者として認めさせた上で、杖の結界内でリルガミンを魔界化しようとしたが、それはかなわなかった。結局ダバルプスはアラビク、マルグダ姉弟に打倒され、杖は崩壊した宮殿跡にできた地下迷宮に消えるが、多くの冒険者達の活躍で、再びリルガミンに取り戻される。 それからは以前と変わらない力でリルガミンを守ってきたが、今回の天変地異に際してはなぜか杖の魔法障壁が働かず、住人達を不安がらせている。杖を祀っていた祠が倒壊した時は、都市の住人を一時期恐慌に陥れた。 神秘の宝珠 龍神ル'ケブレスが保有するという、森羅万象の理を映し出すという宝珠。天変地異の原因を探り出すため、その入手が切望されている。ゲーム『リルガミンの遺産』における大目標であるが、本作ではこの宝珠の入手がほぼ確定したところから物語が始まる。 ハースニール 悪魔殺し(デーモンスレイヤー)として名高い、伝説の「ダイヤモンドの騎士」の聖剣。その異名のとおり、魔界の住人に対して絶大な威力を発揮し、相手の急所である「死点」を抉る。人間なら、かすっただけでショック死するほどの威力を持つらしい。かつてアラビク王子と、もう一人の「ダイヤモンドの騎士」の手にあった後は、人の手に余る神器として、ほかの「ダイヤモンドの騎士」の装備と共に封印されてきた。 苦難に挑もうとする女王ベイキの祈りに、かつてのニルダの杖を奪還した勇者達の魂が応え、ニルダ神にその祈りが聞き届けられる。ニルダ神は勇者達の魂をつうじて、最後の「ダイヤモンドの騎士」の血を引く者に渡すようにと女王にハースニールを授け、それまではベイキが用いるようにと告げる。戦闘においてベイキは、ハースニールにはめ込まれたダイヤモンドの魔力を用い、精神を集中することによってダイヤモンドが振動し、広範囲に空気の刃を発生させる、僧侶の高位攻撃呪文「空刃(ロルト)」を繰り出すことが出来る。 手裏剣 東方から伝わった、忍者のために造られたといわれる伝説の武器。20センチメートルほどの短い二等辺三角形型の両刃の短刀で、苦無(くない)ともいわれる。本作のジヴラシアのような、忍者装束のみを身につけ、そのスピードと体術で戦うという忍者特有の戦闘スタイルを全く阻害することなく、「死点」を抉る忍者の戦闘術を最大限に活かすことができる。ジヴラシアは手裏剣を用いて、素手よりも半径の大きい「真空刃」を放つことが出来る。アドリアンがジヴラシアに提供し、魔法の武具だけあって損傷は全くないものの、超高熱で炙られたと見られる染みがあり、幾多の戦闘を潜り抜けたことを窺わせる。 エクスカリバー ウィザードリィ#2における「ロングソード+5」に該当するアイテム。「梯子山」登攀に際してアドリアンがマイノスに提供した魔法剣。現実世界の伝説ではアーサー王の剣として有名だが、本作では独自の、しかも凄惨な由来を持つ。「貪るもの」という意味を持つらしく、ハースニールに並ぶ剣を造ろうという刀匠の執念が生み出した剣で、ハースニールよりも刀身を長くすることで、伝説の「悪魔殺し」の威力に近づけようとしたらしい。しかし、その製法が流布され、大量にその剣が作り出されることを恐れた時の王が、刀匠を捕らえて惨殺し、剣を自分のものにしたと伝えられている。実際血生臭い言い伝えに見合う、恐るべき斬れ味を誇り、自重のほとんど無い鳥の羽がその刃の上に舞い落ちただけで、綺麗に真っ二つになるほどである。剣に生きてきたマイノスはその斬れ味を目の当たりにし、言い伝えなどまるで関係なく、生涯最高の剣に出会った感動にしばらく陶酔していた。 聖なる鎧(アーマー・オブ・ロード) ロードのために造られたといわれる鎧。別名「君主の装束(ローズガーブ)」。エクスカリバーと同じく、アドリアンによってマイノスに提供された。虹を織り込んだといわれる繊維を用いて造られ、防具類の中では最高クラスの装甲度を誇り、徐々に傷や体力を回復させる力を持つ。更にこれを身につけたロードの持つ武器に、悪魔族や不死(アンデッド)怪物に対する攻撃力を倍増させ、急所を抉る力を与える。この鎧の力を付与されたエクスカリバーは、ハースニールに並ぶ力を持つといっても良い。またマイノスの華麗な剣技も、この鎧を身につけたことで数段飛躍し、普段なら筋や関節などを痛めるような動きも可能になり、超常的な体術を引き出せるようになった。鎧という名がついているが、防護服のようなもので、体に身につけると鎧の形をとる。普段は衣服のように折りたたむことが出来、「梯子山」登攀にも邪魔にならなかった。 達人の刀(マスターカタナ) 「梯子山」の護衛ミフネが手にしていた、侍のための片刃剣。本作の侍が得意とする『気』を利用した斬撃、『居合』を放つに適した武器である。 本来はウィザードリィ#5に登場するアイテムだが作者がシナリオ等を担当したウィザードリィ外伝Ⅱにも登場している。 魔除けの首飾り 魔力を秘めた薄紫色の金属の円板がついた首飾り。身を付けた者の疲労回復を促し、さらには害意を持つ者から身を護る効果をもつ。 アドリアンがベイキに提供した。冒険者達と違って、何らかの鍛錬を受けたことがないベイキにとって、過酷な「梯子山」登攀の大きな助けとなった。 アーメット 鋼鉄製のフル・ヘルメット。「梯子山」の迷宮の探索を進める中で見つけられた古代の逸品。上質の防具ではあるが、特に強力な魔力を秘めた神器というわけではない。しかしながら終盤でひとつのキーとなるアイテムで、ある事情からガッシュが仲間から引き継ぐことになる。 象牙の短刀 華麗な彫刻を施された象牙の柄を持つ、美術品と見まごうばかりの美しい短刀。 マイノスの所持品で、ベイキを捕食すべく彼女に肉薄したアルタリウス(=の皮を被った妖獣)を阻止するために、彼が投擲した。 原典は、シナリオ#3「リルガミンの遺産」に登場する、各PCの持つ属性それぞれに用意された専用の短刀の内の一つで、「善」専用の"Ivory Dagger"。 「魔大公」の大剣 異界の覇王「魔大公」が「梯子山」に残した大剣。巨人ともいえる巨体の魔王が振るっていた大剣なので、人間には当然振るうことは適わない。それだけではなく、人間なら触れただけで致命傷となる猛毒の邪気が込められており、強力な魔法の武具で守られた身であっても大きなダメージを受ける。さらに、その大剣に秘められた妖力は、「妖獣」の超再生能力も死滅させる赤い稲妻として放たれる。本来、人間界で人が手にするはずもない危険なものだが、「梯子山」での激しい戦いを経て、ある冒険者が決死の気迫で手にすることになる。「魔大公」に関しては後述参照。
※この「武具、神器」の解説は、「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の解説の一部です。
「武具、神器」を含む「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の記事については、「小説ウィザードリィII 風よ。龍に届いているか」の概要を参照ください。
- 武具、神器のページへのリンク