栽培と流通
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完熟する時期は4月上旬であるので、栽培は無霜地帯かつ暖かい土地であることが望ましい。開発されたカリフォルニア州リバーサイドでは3月1日から6月後半にかけて食される。露地栽培種であるが、ハウス栽培種としても注目されている。結果から収穫までおよそ1年樹上で育て、果実に養分を行き渡らせ、糖度を高める。果実を収穫しないで実ったままにしても品質は低下しないが、果皮と果肉が分離する「浮皮」になる。浮皮のカラマンダリンは傷みやすく、味が落ちることがある。 誕生したカリフォルニア州では他のオレンジ類と出荷時期が重なるため、商業的な生産はあまり行われていない。1950年代のニューヨークおよびロサンゼルスでは1ポンドあたり10 - 25セントで販売されていた。 日本では少量ながら生産が行われ、3 - 4月にかけて収穫され、減酸した後に出荷される。減酸には2週間から1か月を要し、4 - 5月に流通する。生産現場では「晩生みかん」・「春のみかん」として扱われる。2013年(平成25年)の日本国内の栽培面積は146ha、出荷量は2,592tであり、愛媛県が全出荷量の65%を占める。特に松山市の生産量が他の県内産地を圧倒し、松山市内では中島などの離島を主産地とする。また2007年(平成19年)7月に「まつやま農林水産物ブランド」第5号に認定された。日本における栽培発祥の地である三重県や和歌山県の有田地方での生産も多い。 生産県(2013年) 収穫量順位都道府県収穫量(t)作付面積(ha)主産地1 愛媛県 11,731.9 95.6 松山市、伊予市、今治市 2 三重県 481.8 31.9 御浜町、熊野市、紀宝町 3 和歌山県 377.8 14.5 湯浅町、有田市、由良町 4 広島県 51.0 3.0 呉市 5 神奈川県 24.0 1.2 小田原市 日本への導入は1955年(昭和30年)で、田中長三郎が種子を持ち込み、三重県度会郡南勢町(現・南伊勢町)の農家に依頼して栽培が始まった。また農林水産省や愛媛県果樹試験場(現・愛媛県農林水産研究所 果樹研究センター)などへも後に穂木が導入された。当初は酸味が強く、カンキツかいよう病に弱かったため、田中は商業生産に消極的であった。その後5月にヒヨドリが群がっているのを目撃し、味が良いことが確認され、かいよう病対策も実現した。栽培と管理が難しかったことから普及には至らなかったが、1990年代以降は生産量が増加している。三重県では1980年(昭和55年)頃より地域特産果樹として本格的な栽培がおこなわれた。
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栽培と流通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:11 UTC 版)
2019年の中国におけるシイタケの生産量は約1043万トンで、同国内では生産量が最大のきのこの品種となっている。同国内のうち、河北省南陽市西峡県はシイタケの一大産地として知られる。中国ではシイタケ(香菇)のうち、傘に表面に無数のひび割れが入った肉厚の高品質なシイタケを「花菇」といい、肉厚だがひび割れはない中間品質なものを「冬菇」、肉薄で安価な一般的なものを「香覃」とランク付けしている。 2018年の日本における生しいたけの生産量は約7万トン、菌床栽培が92%・原木栽培が8%で、主な生産地は徳島県・北海道となっている。乾しいたけの生産量は2600トン、菌床栽培が10%・原木栽培が90%で、主な産地は大分県となっている。 日本では室町時代から食べられており、古来日本では古くから産したものの、栽培は不可能で自生したものを採集するしかなかった。その一方で精進料理において出汁を取るためには無くてはならないものであった。道元が南宋に渡った際に交流した現地の僧(食事担当の典座)は、達磨忌の御馳走として出すうどんの出汁を干し椎茸で取るため、日本商船の入港を聞いて遠方の阿育王寺から買いに来たほどであった。典座教訓にこのような逸話があるほど、高価な食材であった。 江戸時代から、原木に傷を付けて菌を植え付けるなどの半栽培が行われ始めた。シイタケの胞子が原木に付着してシイタケ菌の生育が見られるかどうかは全く不明であり、シイタケ栽培は成功した場合の収益は相当なものであったが、失敗した場合は全財産を失うほどの損害となる一種の博打だった。 人工栽培の方法は20世紀に確立されたが、最近では原木栽培は数が少なく、おがくずなどの培地で育てる菌床栽培されたものが市場流通品のほとんどを占める。2006年10月1日からは、商品に必ず原木栽培品か菌床栽培品かを表示する事が義務付けられている。 現在では人工栽培の方法が諸外国にも普及しているものの、日本産干し椎茸は本場ものとして台湾、香港などで人気があり、各地の業者が輸出をしている。 2022年3月20日より国内産しいたけの区分が明確化され、植菌地を原産地と表示することが義務付けられた。このことにより従前、中国で製造された菌床を日本に持ち込み栽培していたしいたけは国内産と表示することができなくなった。
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栽培と流通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 08:28 UTC 版)
現在市場に出回っているものはほとんどが人工栽培のもので、野生のものはごく少量である。1970年代に人工栽培に成功してからは、市場に広く出回るようになったが、野生の天然ものは、その希少性から「幻のキノコ」と言われ、マツタケと同等かそれ以上に珍重されている。 シイタケやエノキタケなどと比較し、マイタケは害菌に対する抵抗性が低く、原木に直接種菌を接種しても菌が蔓延せず人工栽培は容易ではなかった。しかし、1970年代半ば頃に子実体を形成しやすい系統の選抜と原木殺菌後の育成方法の研究が日本各地で行われた結果、人工栽培方法が確立された。最初に栽培が行われた頃は、原木栽培(短木殺菌栽培法)で生産されたが、1990年代頃から菌床栽培方法が普及し安価な菌床栽培によるものが広く流通している。 菌糸体の成長温度は5-35℃、最適温度範囲は25-30℃。子実体の発生温度は18-22℃、生育適温は15-20℃。菌糸はpH4.4-4.9 で良好な成長を示す。オガクズの粒径、育成および発生段階の二酸化炭素濃度、湿度、光量、光の波長は発生量と品質に影響する重要な要素である。マイタケは他の栽培キノコと異なり、培養温度と原基形成温度帯が重なっているため、菌床(ほだ木)毎の成長度合いは不均一になる。酸素要求性が高く、二酸化炭素濃度の上昇を避ける必要があり、とくに原基形成以降は二酸化炭素濃度が 2,000ppm 以上になると、収量、形状に著しく影響する。 2010年(平成22年)に日本では43,446トン、326億円が生産された。
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