栽培と醸造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 07:19 UTC 版)
「ソーヴィニヨン・ブラン」の記事における「栽培と醸造」の解説
ニュージーランドやチリでは、ソーヴィニヨン・ブランを間隔をあけて何度か収穫することがある。これは、熟度によって特徴が変わってくるため、異なる特徴になったブドウをブレンドするためである。あまり熟していない状態ではリンゴ酸が強い。果実が熟すにつれ、赤トウガラシやピーマンのような香りが生まれ、糖度とのバランスも良くなる。このピーマンのような香りはメトキシピラジンという化学物質によるものである。マールボロのワイラウバレーでは、起伏のある地形のためワイナリーのなかでも熟度の段階が異なることがあり、間隔をあけて収穫するのと似た効果がワインに現れる。 ソーヴィニヨン・ブランから成るワインは、醸造の仕方にもおおいに影響される。ひとつは果汁をどの程度ブドウの果皮に接触させるかというものである。ニュージーランドでワイン造りが始まった当初は南島には醸造施設が無かったので、トラックやフェリーで北島、多くはオークランドまで運ばなければならなかった。そのため果汁と果皮の接触時間は長くなり、ワインの味わいは強くて鋭いものになった。現在、生産者によっては、意図的に果汁の一部を果皮に接触させ、後にブレンドに使うことがある。これはもともとフランスのロワール地方で使われていた手法である。逆に、カリフォルニアなどでは醸造したワインの風味が熟成によって変化しないように、一切果汁を果皮と接触させずに作ることも一般的に行われる。 また、醸造時の温度をどの程度にするかも重要な要素である。フランスでは、16~18℃のやや高めの温度で醸造することが好まれ、ワインにはミネラル感のある香りが生まれる。ニューワールドではそれよりも低めの温度で醸造することが多く、ワインは果実味が強くトロピカルな香りになる。ロワールではマロラクティック発酵を採用するのは少数の生産者にすぎないが、ニュージーランドでは比較的多い。一般にオーク樽での熟成を行うと、香りに丸みが生まれ、強すぎる酸味が穏やかになるが、ニュージーランドやサンセールでは鋭い酸味と強い香りを生かすためにステンレスタンクで醸造することも好まれる。
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