日本の戦車開発史とは? わかりやすく解説

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日本の戦車開発史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:16 UTC 版)

戦車」の記事における「日本の戦車開発史」の解説

戦車登場した第一次世界大戦当時日本は、1915年大正4年時点国内自動車保有台数がわずか897台という有様であったが、他の列強諸国同様に新兵器である戦車早くから注目しており、ソンムの戦い翌年である1917年大正6年)には陸軍調達動き出している。1918年大正7年10月17日欧州滞在していた水谷吉蔵輜重兵大尉によって同盟国イギリスから購入されMk.IV 雌型 戦車1輌が、教官役のイギリス人将兵5名とともに神戸港入港した。 翌1919年大正8年)に新兵器発達対処するために、陸軍科学研究所創設され以降1919年大正8年)から1920年大正9年)にかけて日本陸軍ルノー FT-17 軽戦車マーク A ホイペット中戦車試験的に購入して研究している。当初は「戦車と言う言葉無く、「タンク」や「装甲車」と呼んでいたが、1922年大正11年)頃に「戦う自動車から戦車名付けては」と決まったようである。1923年 - 1924年大正12 - 13年)頃には戦車無用論議論されたが、1925年大正14年)の宇垣軍縮による人員削減代わりに、2個戦車隊創設された。当時大正後期)の日本不況経済工業力では戦車国産化は困難と考えられたうえ、イギリス自軍向けの生産優先させていたため、陸軍ではそれらの代替としてルノーFT大量調達計画されていたが、陸軍技術本部所属で後に「日本戦車の父」とも呼ばれた原乙未生大尉(後に中将)が国産化強く主張輸入計画中止され国産戦車開発開始される事となった。 戦車開発唯一軍用自動車製作していた大阪砲兵工廠行われることとなり、原を中心とする開発スタッフにより、独自のシーソーばね式サスペンションディーゼルエンジン採用など独創性先見性富んだ技術開発が行われた。それらは民間にもフィードバックされ日本自動車製造などの工業発展にも寄与している。設計着手よりわずか1年9ヶ月という短期間1927年2月には試製1号戦車をほぼ完成させ、試験でも陸軍要求を満たす良好な結果得られたことから、本格的な戦車開発認められた。 その後八九式中戦車九五式軽戦車九七式中戦車などの車輌生産された。しかし、第二次世界大戦においては、日本限りあるリソース航空機艦艇に割かざるを得ず、しかも、その間欧州戦線での開発競争によって日本戦車技術陳腐化した。一方で本土決戦用に温存されていた車輌とともに原中将はじめ開発・運用要員多く幸いにも終戦まで生き延びていたことが、戦後戦車開発寄与することとなる。 戦後日本非武装化されたが、共産主義勢力台頭朝鮮戦争勃発により日本自衛力の必要性認められ警察予備隊(後の自衛隊)が組織されアメリカより「特車」としてM4中戦車などが供給された。また朝鮮戦争中に破損した車輌改修整備請け負った事などで、新戦車開発・運用のためのノウハウ蓄積されていったとはいえこれらアメリカ戦車がまもなく旧式化することは明らかであり、規格日本人体型にも合わないことも踏まえて日本国情合わせた国産戦車開発目指すこととなったアメリカ支援などによって開発費目処もつき、戦後初の国産戦車となった61式戦車1961年昭和36年4月制式採用された。この戦車旧陸軍設計思想受け継いだこともあり、開発した時点では既に米ソ西ドイツ水準からは見ると陳腐なことは否めず、習作意味合いが強いものであったが、続く74式戦車世界水準キャッチアップし、更にその後継の90式戦車世界水準一部上回ったといえる2000年代開発され10式戦車は、全国的な配備考慮して90式戦車よりも小型軽量化しつつ同等上の性能有しているとされ、特に射撃機能ネットワーク機能などベトロニクス進歩による戦闘能力の向上が著しい。10式戦車耐用期限到達に伴い減耗する74式戦車代替更新として2010年度から調達開始された。一方2013年25大綱26中期防閣議決定されたことで、今後本州配備戦車廃止され戦車北海道九州にのみ集約配備本州には戦車とは異な新たなタイプ車両16式機動戦闘車のみが配備される装輪戦車である16式機動戦闘車は、10式戦車比して火力防護力だけでなく戦術機動性不整突破能力)の面において劣るものの、逆に戦略機動性舗装路での高速走行輸送機輸送艦での運搬による、長距離移動能力)は優れており、74式戦車同等火力戦場素早く展開できる即応力を備えている。本州配備74式戦車担っていた役割一つ普通科部隊への射撃支援については、16式機動戦闘車引き継ぐことになる。 防衛省では有人戦闘車両無人砲塔化と、有人戦闘車両無人戦闘車両連携に関するベトロニクスシステムの技術研究が行われている。この研究2020年度まで行われる

※この「日本の戦車開発史」の解説は、「戦車」の解説の一部です。
「日本の戦車開発史」を含む「戦車」の記事については、「戦車」の概要を参照ください。

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