戦略機動性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 10:12 UTC 版)
90式戦車は北海道での運用を考慮して開発されたために重量が約50トンあり、橋梁や路面の許容重量と活荷重の面で北海道以外での平時における配備・運用が難しいとされている。このため、10式戦車の開発においては本州、四国、九州など全国的な配備運用に適した能力、砲塔・車体一体でのトレーラー輸送など戦略機動性の向上が求められた。その結果、90式と比べて全長で約38cm、全幅で約16cm小型化され、全備重量は約6トン軽い約44トンとされている。 全国的な道路交通網の整備がなされ、61式戦車が開発された頃に比べると鉄道に頼らずに済むようになったため、陸上自衛隊では74式戦車の開発以降、鉄道輸送は事実上断念している。90式の場合、専用のトランスポーターによる輸送を行えば、道路の許容重量によって走行できるルートが限られてしまう可能性が存在し、長距離を自走させた場合に足回りを傷める可能性があったが、10式は同時代に開発された主要先進国軍の主力戦車としては小型の40t級車輌とすることで車体と路面へのダメージ低減に成功した。 全国の主要国道の橋梁17,920ヶ所の橋梁通過率は10式(約44トン)が84%、90式(約50トン)が65%、海外主力戦車(約62-65トン)は約40%とされる。 74式をトランスポーターで輸送する場合、73式特大型セミトレーラで砲塔と車体が一体の状態で輸送できる。一方、90式の場合は最大積載量50トンの特大型運搬車であれば砲塔と車体が一体のままの状態で輸送できるが、最大積載量が40トンにとどまる73式特大型セミトレーラでは砲塔と車体を分離して別々に輸送する必要があった。 10式は74式と同じ輸送インフラを利用できるよう小型軽量化され、全備重量は約44トンとし、約4トン分の装甲などを取り外すことで73式特大型セミトレーラの最大積載量に収めている。2010年12月までに73式特大型セミトレーラに10式を乗せ、砲塔と車体が一体の状態で輸送しているところが目撃されており、その際には東名高速道路および国道を走行している。なお、輸送時の写真を見る限りでは、10式の装甲などにおける外見上の変化は確認されていない。
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戦略機動性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 11:57 UTC 版)
90式戦車は北海道の地形や道路条件を想定して開発されたものであり、他地域でのより柔軟な運用を行うには更なる小型軽量化が望ましいとされた。このため、後継の10式戦車は40トン級の戦車として開発されている。
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