初期の展示内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:19 UTC 版)
開館当初の展示品は「現代日本の科学技術の成果を示すもの」で、機械、実験装置、模型など約400点であった。以下に、開館当初の展示内容を示す。 開館当初の展示内容展示室テーマ展示概要5階C・D 宇宙:空間への進出 人工衛星の実物大模型の展示。レインジャー7号が撮影した月面写真パネルの展示。2段ロケットの模型、およびロケットの推進力である力の作用反作用の原理を見せるための模型電車による実験。C室ではソ連のスプートニク1・2号やヴォストークのライカ犬キャビンやガガーリン乗船の宇宙船模型、アメリカのエクスプローラー1号・ヴァンガード1号や有人宇宙船マーキュリー・ジェミニの実物大模型など米ソの宇宙開発競争の幕開けも象徴され、D室では火星への旅をイメージした映像演出を施した宇宙船や日本の宇宙開発、宇宙物理関連を展示。 5階E 原子力:第3の火 原子力船と原子力飛行機の模型展示。国産初の原子炉である「JRR-1」の3/4模型による燃焼原理と制御方法の展示。放射線の遮蔽物の能力実験展示。アクリルで遮蔽された金属ウラン棒や日立製作所製マニピュレータ、核燃料の製造工程紹介、東芝製ハンドフットクロスモニタ測定器、トカマク型核融合実験装置の模型などを展示。 5階F ビタミン:生命の潤滑油 ビタミンの歴史から生産までをパネル展示。鈴木梅太郎を始めとしたビタミンの発見・合成に貢献した人物の紹介や実物サンプルなどを展示。 4階C 資源:地球を開く 地熱発電、太陽熱ボイラ発電、潮汐発電、潮流発電、風力発電が模型やパネルで展示。世界の主要資源の分布を示した直径5mの大地球儀の展示。石炭層の再現とドラムカッター・ローダー、石油採掘用のパイプとビット、資源加工の解説などを展開。 4階D 高分子:分子を構成する プラスチック、合成繊維、合成ゴムの製造工程の模型展示。射出成形機の実演。ナイロンとポリカーボネートによる合成繊維の吊橋、イオン交換樹脂プラントによる浄水実演、石油化学製品のサンプルなどを展開。 4階E 化学:パイプの中の生産 エチレンプラントの巨大模型、真空技術、コンビナートの模型などの展示。 4階F 建設:国づくりの技術 高速道路ができるまでの模型、青函トンネルの模型、若戸大橋の模型、未来都市の模型など展示。3階建ての未来住宅「夢の住宅」4分の3模型、2m四方の耐震実験装置、柔構造・剛構造ビルの比較模型展示などを展開。 4階B サーキノ 360度全周スクリーンを持つ映像ホール。11枚のスクリーンを円筒形に配置し日本各地の観光名所、自動車、ジェットコースター、スキーなどの映像を上映した。 3階C 電力:便利な動力 発電、送電についての基礎知識から実用化研究までをパネルと模型で説明。太陽光・燃料・電磁流体発電や無線・直流送電の紹介、火力発電所の立体模型、配電盤や碍子の実物展示、27mの発電所から工場・住宅までのパノラマ模型を展開。 3階D 電波:情報を伝達する 無線操縦ロボットなど電子工学を利用した実験や実物展示。カラーテレビの原理紹介、アマチュア無線コーナー等を展開。 3階E 人間:考える機械 人間の能力を各種の検査器によって知るとともに、電子計算機などの実物の展示と実演。日立「HIPAC-103」コンピューターを用い大人用の「職業適正判断質問表」と学生用の「進路適正判断質問表」を記入しての有料分析実演や電子顕微鏡も展示。 3階F 文化機器:機械による文化生活 各種のオートメーションシステムや家庭用電化製品の展示など。新聞の製作工程や写真植字機・FAX記事送信のデモンストレーション、各種家電のカットモデル、ドライクリーニング機やジュークボックスの構造実演、事務機器の紹介を展開。 2階C 工場:機械をつくる機械 自動車工場の流れ作業の様子を示した模型。NC工作機、計測機械の実演、機械の要素を紹介するスライドショーなどを展開。 2階D 航空船舶:高速と安全 船舶エンジンの実物や模型、タンカーの模型展示。および飛行機の操縦技術の訓練体験のコーナーなど。ボーイング727・YS-11・コンコルドの模型、長さ25mの船舶実験水槽による3種の線型の比較、球状船首などを展示。 2階E 車両:楽しいのりもの(高速と安全-陸の交通-) 各種の鉄道車両の模型運転や新幹線の映像。HOゲージによる鉄道模型ジオラマ、新幹線の車窓映像、自動車のシャーシ構造紹介、東京モノレール車両の実物大模型を展示。 2階F 農業:食物をつくる 農業用機器の実験展示、農場模型の展示など。卵自動選別機や浅草海苔養殖機、水耕栽培・礫耕栽培装置などを展示、家の光協会がスポンサーを担当。 1964年6月から開館を記念して初の企画展「ドイツ科学展」が開催された。この展示会ではヨハネス・グーテンベルクの活版印刷機が出品された。1965年9月には、「ソ連宇宙開発展」が開催された。会期中には、女性として初めて宇宙飛行を行ったワレンチナ・テレシコワの講演会が、地下のサイエンスホールで開かれた。 日本の技術水準を示す展示内容を維持するため、開館後もIC利用の電化製品、大型タンカーの模型など展示更新が行われていった。この費用については1967年(昭和42年)より、日本自転車振興会より補助金が交付されるようになった。
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