初期の対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 22:19 UTC 版)
「2014年の西アフリカエボラ出血熱流行」の記事における「初期の対策」の解説
ギニア、シエラレオネ、リベリア各国の当局は、国家非常事態委員会を立ち上げ、エボラ対策計画を実行した。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は3月末、国際的支援が必要との声明を発表した。第44回西アフリカ政府長官会議期間中の3月30日、ECOWASは25万USドルの支援を発表。シエラレオネ当局は、ギニアおよびリベリアからの入国者に対し、厳しい健康チェックを行う規定を発表した。 欧州委員会(EC)は、ギニアとその近隣諸国での流行を抑えるため、50万ユーロを供出した。ECは、状況評価と地方への情報伝達のため、ギニアに専門家も派遣している。EU委員で国際協力・人道援助・危機対応担当のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ(英語版)は3月28日のプレスリリースで「我々はこの悪性の病気の蔓延に強い関心を持っており、我々の支援は保健対策に即時かつ効果的となるだろう。近隣諸国に流行が広がるのを抑えるためには、我々の素早い対応が不可欠である」と述べている。 ギニアの北隣セネガルの内務省は3月末、ギニア国境からの入国を無期限停止にした。さらに2014年3月26日、モーリタニアは、セネガル川の上流にギニアがあるため、セネガル川からの入国口をロッソとディアマの2か所に制限した。3月31日、アメリカ疾病予防管理センターは、ギニア保健省とWHOのサポートとして、5名のチームを派遣している。2014年4月1日、サウジアラビアは、ギニアとリベリアからのメッカ巡礼を理由としたビザの交付を停止した。さらに、モロッコは、西アフリカのハブ空港であるムハンマド5世国際空港の医学チェックを強化した。これとは対照的に、ギニアとリベリアの国境は大きな対応はなされなかった。リベリアのモンロビアに駐在しているギニアの大使は、国境の封鎖ではなく直接病気と闘う努力が効果的だと主張した。 EUが資金提供しているヨーロッパモバイル研究所 (European Mobile Laboratory) は、WHO/地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)の流行対策の一環として、リスクグループ4の病原体を取り扱える移動実験室(英語版)を派遣した。この移動実験室が採取した患者20名の血液サンプルからウイルスRNAを抽出、配列決定し、2007年にコンゴ民主共和国で発見されたウイルスと97%一致することが確認され、4月16日に発表された。 4月23日の時点で感染者数242、そのうちの死者142であり、致命率は58.7%となった。
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