中古パソコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:32 UTC 版)
中古電気製品同様の、上記電気用品安全法の施行に伴う問題のほか、パソコン特有の次のような注意点がある。 中古機のOSをバージョンアップした場合、こまごましたアプリケーションソフト類は以前のままではなくなる。 中古パソコンでは、入っているソフトウェアの一部(特にアプリケーションソフトウェアの一部)のソフト制作会社が(自社の売上げ増になるように)使用ライセンス権の移転を認めていない場合もある。(Windows自体やMicrosoftのオフィス・スイートの類は大丈夫である) 「ハードディスクリカバリー」タイプの機種つまりリカバリ(「工場出荷状態」へ戻すこと)を内蔵HDDの一部領域に保存されているデータから行うタイプの場合、ハードディスクドライブを完全消去したり交換したりするとリカバリはできなくなる。 5〜10年ほどの前の中古機を選んだ場合、Windowsを新バージョンにアップグレードしたうえで使うことが多いわけだが、Windowsは世代が更新するたびに「重たい」OSになってしまっているので、メモリ量が足りず、動作がいわゆる「もっさり」つまり遅くなる場合がある。解決策としては容量の大きなメモリを(同一品を2枚組で)購入して挿し換えれば良い。1世代前のメモリは通常、新品でも安価に販売されている。 (5〜8年ほど前の中古PCならばたいていは大丈夫なのだが)15年や20年以上前の古い中古機というのは、CPUの性能や主メモリ量も小さいので、Windowsなどはすでにとうに「サポート切れ」になった旧バージョンのWindowsしか動かない。セキュリティウェアの更新サービスも終了してしまっているとなると、危なくてインターネット接続はできない。(一切ネットに接続しない、と決めて旧Windowsをスタンドアローンで使う、という特殊な使い方ならば、一応は動作させられる。)また15年や20年以上前のPCは主メモリやビデオカードなども相当に旧型なので、もしそれを増設したいなら、それについても本体同様にやはりハードオフなどのリサイクルショップ、ヤフオク、メルカリ、eBayなどで探すことが多くなる。15年や20年を超える古さのPCの部品は多くがヤフオク・メルカリなどでもあまり出品されておらず入手が困難なことも多い。また1970年代後半から2002年ころに販売されていた、8ビットパソコンから32ビットパソコンの、メーカー独自規格のパソコン(たとえばNECのPC-8000,PC-8800,PC-9800シリーズの大部分)については、ディスプレイ(モニタ)のコネクタや信号規格(水平周波数など)が、その後に登場したDOS/Vのデファクト・スタンダードとは異なるので、ディスプレイ類も当時のものを手に入れなければならない。つまりまとめると、中古PCの場合、5〜8年ほど前の中古機なら大丈夫だが、20年も30年も前の中古機はバラバラに買ってしっかり動く状態にするのにはさまざまなハードルがある。買うならワンセットで「完全動作品」の状態で買わないと、いつまでも必要なパーツや増設品が揃わない「ただのガラクタ」になってしまう可能性が高い。そして15年や20年以上の古さのコンピュータは、たとえ必要なものを揃えて動いても、性能があまりに低いので、ほとんど実用性は無く、ほぼ「骨董品」や「観賞用」の価値しかない。 ノートパソコンでは、バッテリーが劣化していることは多い。正規メーカー品は(かなり)高価だが、サードパーティーの同等品がAmazonなどで安く販売されている。 光学ドライブを内蔵しない機種で、光学ディスクでリカバリをする場合、その機種に接続できる外付け光学ドライブを見つける必要がある(2010年ころからは、光学ディスクからリカバリする機種は減っている) 端子類が劣化している場合があり、そのようなものだった場合、その端子に接続しなければならない機器は使えない。 なお使用済みのパソコンを中古品として放出する場合は、HDD(補助記憶装置)内のデータを完全に消しておく必要がある。第三者の手に渡ったHDDから顧客情報が漏れてしまう可能性があるし、クレジットカード番号やパスワードなどが漏れてしまう可能性もあるからである。しかも単純なフォーマットを施すだけだと、悪質な者が「ディスクユーティリティソフトウェア」などを使い、一部もしくはかなりの部分のデータを復旧してしまう。。したがって用心深い人々は、自分が使ったPCを中古品として放出する場合は、HDDは抜き取って自分の手元に厳重に保管し、本体のほうを「HDD無しの、ジャンク品のPC」として放出する。これだと100%安全である。
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中古パソコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 22:38 UTC 版)
世界的には、中古パソコン市場は年々拡大しており、当面その需要は増加するものと見込まれている。日本や欧米先進国の市場からアジア方面への輸出も堅調であり、米Gartnerの2005年のレポートでは、米国から他国に売られた中古パソコンは、2004年度で約1億5250万セットに上り、世界中のパソコンの1割が中古品だという(CNET記事)。 中古パソコン市場については、[いつ?]どこで?(具体的にどの国・地域で?)、年間約200万台が(日本から?)輸出・販売されている[要出典]。 一般論として言うと、中古のPCは、新品のPCに比べると価格がかなり下がる。多くの場合は、Windows系のOSのサポートが期限を迎え、新バージョンのWindowsにアップグレードしても主メモリやストレージの容量が足りない場合が多いからである。またCPUの能力が足りない場合もある。ただしCPUの能力が足りている場合は、中古PC業者が、メモリを増量したり、ストレージを大容量のものに換装した上でOSを新バージョンにアップグレードして中古PCとして販売するということが広く行われていて、相応の価格になっている。またAppleでは、メーカーとしてリストア品(新品同様にメンテナンスやクリーニングしOSをクリーンインストールしたもの)中古品と分かる状態で(新品とあまり変わらない価格で)公式ウェブサイト上で販売している。 中古PCで前のユーザが使用していたHDDをそのまま使い続けると、(故意であれ、故意でないにせよ)マルウェアが埋め込まれてしまっていたりコンピュータウィルスがHDD内に潜んでいる場合があるなど、コンピュータセキュリティ上のリスクがともなう、ということが広く知られるようになったので、近年では購入者は警戒するようになっている。したがって近年では、中古のPCを売却する場合は、業者であれ、個人であれ、「初期状態」「工場出荷状態」に一旦戻したり、OSを「クリーンインストール」した状態で(インストールしただけの状態で、まだ一度もログインも、ユーザ名も一度も入力していない状態で)売る、ということが広く行われるようになっている。 なお発展途上国などでは最新のパソコンは高価で入手し難いこともあり、先進国で廃棄されたような旧式なパソコンを、輸入して販売したり、あるいは教育方面で使ってもらおうと無償配布する活動をしているNGO慈善団体もある。またLinux(Ubuntu)やFreeBSDのような、無償で利用でき、X-Window SystemによりWindowsそっくりのGUIを提供し、旧式パソコン上でも問題なく動作するOSをインストールすることでPCを無駄なく活用することも活発になっている。 中古パソコンはたとえば次のような理由・動機で購入されている。 新品を購入するには予算が足りない。 臨時の予備機(バックアップ用)を低予算で確保したい。 オフィススイートやウェブサイト閲覧などしかしないので、旧機種で十分なので安価な中古PCが欲しい。最新の機種では無駄にオーバースペック。 自分の子供(や弟や妹)がPCを持っておらず欲しがっているが、子供(や弟・妹)はどうせ「まったくの初心者」だし、あくまで「恩情」で買い与えてやるのだから、安い中古PCを与える。 最新のOSでは動かず、古いOSでしか動作しないような特定のソフトウェアを使いたい(PCゲームでも、企業で使う制御ソフト類でも、こういうことが起きる)。 単にファイルサーバを作りたいので中古PCで十分だから。ファイルサーバは中古の低スペックのPCでも十分動くので、割安な中古PCで済ませたい。 デザインが独特で優れた、だが絶版になってしまったノートパソコンやPDA・ポケットコンピュータが欲しい。 「往年の8 bit時代や16 bit時代のコンピュータが欲しい」。CPUがまだ8 bitや16 bitだった時代のコンピュータは、今となってはもう実用的ではない(現在の人々にとっては、ウェブブラウザすら動かず日々の情報検索もできず、メモリが少なく表計算の大きな表もひらけず事務作業にも使えない代物、ということになる)が、骨董品としての価値、博物館に展示するような品、としての価値も一方で生まれている。特に特定のレトロな機種に熱烈なファンがいる場合は、当時の販売価格相当で売買されたり、「青春時代に憧れだったが、当時の自分には買えなかったコンピュータ」を(富豪になってから)「大人買い」する人もいる。コンピュータ史に残るような特定の機種のレア品の中には「数千万円」という価格で売買されるものもある(Apple Iの希少品など)。
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