アルカ教団 / 教団
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「テイルズ オブ イノセンス」の記事における「アルカ教団 / 教団」の解説
教団の始まりは天上界から追放された神々たちが、「天へ帰る」ことを望んで巨大な塔を築き上げようとしたことから始まった。塔は落雷によって崩壊し、それを「神の怒り」と恐れた人たちは「神に許しを請う」という考えに行き着き、教団を設立した。当時建設されていた塔は「黎明の塔」と名付けられ、教団の本拠地となっている。DS版では無恵で権威を失った元来の教団とは別に、マティウスが枢密院やレグヌム軍の支援で新たな宗教団体「アルカ教団」を設立したことになっているが、PS Vita版では「アルカ教団」は登場せず、マティウスが枢密院の推薦で元来の教団の大主天に就任したことになっている。レグヌム軍と深くつながりを持ち、軍に囚われた転生者を信者として引き渡されている。しかしストーリー終盤にて、教団とレグヌム軍が敵対してからは、今度は自分たちが軍によって連行されるという末路を迎えた。 マティウス (Mathias) 声 - 田中敦子 15歳 / 身長168cm / 体重56kg 本作のラストボス。世界中に勢力を増している教団の教祖(大主天)。厚手の兜と鎧を被っているため、その素顔を伺うことは出来ない。イリアの持つ「前世の記憶」を求め、彼女の村を襲撃し、その後を執念深く追っている。その狙いは創世力であった。 彼女もまたアスラの転生者であり、アスラの「イナンナへの憎しみや絶望」などの負の感情を受け継いだ、いわばルカの半身。「前世でのイナンナへの恨みを忘れないように」との強い執念からその素顔はイナンナそのものの容貌、PS Vita版では素顔の左側を更に髪で隠しており、その部分はアスラそのものの容貌になっている。また仮面から角が二本突き出ているが、左側の角は本当に頭部から生えているもの。 彼女曰く、ルカはアスラの「迷い」が転生したに過ぎないらしい。しかしルカもアスラであり、自らの半身ということもあってか何度も仲間に迎え入れようとしていた。 幼いときより覚醒していたため村から異端視され、追い出されることとなる。その後は単身で王都軍と戦うなど孤独な生涯を送ってきたが、ある時彼女の力に目をつけた枢密院によって「故郷の村を襲う」と脅迫を受け、教団の教祖、すなわち異能者にとっての救世主に仕立て上げられる。しかし、救世主が追放者であるのを隠すために、枢密院によって結局故郷の村は滅ぼされることとなる。 前世の裏切りの記憶と不幸な生い立ちが重なり、全てを憎悪し、創世力を使って世界を滅ぼそうと考えている。基本的には冷酷で自分以外の者を駒としか思っていないが、同じような境遇のシアンには同情していた。しかし「滅びた世界もまた理想郷」と語るマティウスの思想は受け入れられず、反旗を翻された。 終盤でついに創世力を手に入れ、黎明の塔の頂にてその力を用い、世界を滅ぼそうとする。自分を愛しているというチトセをパートナーに選び、自らの命を犠牲に創世力を発動させようとするが失敗に終わる。それは「愛するもの犠牲にして発動する力」ではなく、「愛し合う者の願いを叶える力」であったから、信じる思いも愛する者もいない彼女では力を使えないとルカに告げられる。 そして覚醒し、マティウスの下半身からアスラの下半身が生えた異形の姿となって襲い掛かるも激戦の末にルカ達に敗れ、自らの憎悪を吐いた後に絶命した。 PS Vita版では逆上してついに本性を表し、チトセを「役立たずのゴミめ」と突き飛ばし、憎悪をむき出しにルカたちに再戦を挑むという展開が追加されている。また、最期は自分の心の痛みとアスラの絶望を引き受けることを選んだルカに手をさし伸ばされ、魂となってルカと同化を果たすこととなった。 PS Vita版ではデザインが大幅に変更され、衣装の胸元が露出しているなど、当所から女性であることがわかるようになっている。最終決戦では各回で姿と戦い方を変えた3連戦となっており、1戦目はDS版の姿(BGMもDS版と同じ)、2戦目はマティウスのシルエットのまま女性的なアスラの姿と化した「マティウス・ウェヌス」、最後はイナンナの面影を捨て、アスラを醜くした姿「絶望を背負いし覇王」(声 - 小山力也)となって戦う。秘奥義もそれに応じて変化する。なお、ラストバトルの際のBGMはDS版のOPテーマが流れる。 チトセ・チャルマ (Thitose Cxarma) 声 - 宍戸留美 18歳 / 身長160cm / 体重47kg 教団の信者である少女。東洋風の国アシハラ出身で、目元に赤いメイクを施し、赤い着物のような服を着ている。ルカに対し興味を持っており、意味深な言動を繰り返し、彼に何度もアルカに入るように誘っている。コンウェイ曰く「不遇の花姫」。 前世は花の女神サクヤ。アスラを想う前世の想いを強く引き継いでおり、アスラの転生であるルカとマティウスのことを愛していた。イリアのことは前世での関係からか好きでないようで、かなり態度は素気なく、イリアもまた彼女を嫌っている。PS Vita版ではアスラへの想いの理由が捕捉されており、水没の危機に晒される祖国の辛い現状を、前世の悲恋を叶えるという夢を見ることで現実逃避してきた。ルカを何度も引き入れようとするも、自分とともに付いてきてくれないのはイリアのせいだと考えるようになり、「イナンナはアスラを裏切った」という発言をして「イリアを殺せばルカは一緒に来てくれる」と考え彼女を殺そうとした為、イリアを信じているルカと敵対することになる。 本来の彼女は心優しい性格で、教団内でも気配り上手で信者たちにも分け隔てなく優しかった為、ファンクラブが存在する程人気があった。しかし、アスラの転生者であるマティウスやルカ、前世の恋敵イナンナの転生者イリアとの出会い、そして前世の悲恋を叶えようとする強い想いから徐々に思考が前世へと転倒し、物語の中盤では言動も性格も「チトセ」ではなく「サクヤ」と化してしまっていた。「サクヤ」と化したチトセにはアスラの事しか頭になく、かつての優しさは失われてしまった(PS Vita版では自分に従ってきた教団の信者に対し「アスラ様がいれば、あなたたちなんて死んでも構わない」と見捨てるシーンが追加されている)。 マティウスにパートナーとして選ばれ、彼女の命を使って創世力を発動させるように命令される。しかし「愛する者同士の願いを叶える」創世力の前では、チトセを愛していないマティウスでは力を行使できなかった。そしてルカたちに追い詰められたマティウスによって「役立たずのゴミ」と揶揄され、突き飛ばされてしまう。それでも、マティウスの絶命時も自らの「アスラ」への想いを捨て切れず、自ら切腹して自害、マティウスの後を追う末路を迎える。 PS Vita版ではマティウスが倒れた直後、マティウスにもルカにも自分の思いは届かないことを悟り、絶望の末に悲痛な叫びを上げた末に肉体が消滅して死亡するという結末に変わっている。しかし、アスラと結ばれず過去の愛に囚われるその魂はコンウェイに「救済」と称してハスタの魂共々彼に回収されることとなる。 武器は短剣。忍者のような軽い身のこなしで翻弄する。PS Vita版では天術も併用する。 「チャルマ」はエスペラント語で「魅力のある」「可愛い」を意味する。サクヤ / コノハナサクヤヒメ (Sakuya / Konohanasakuyahime) 声 - 宍戸留美 チトセの前世。本名は「コノハナサクヤヒメ」。アスラの配下の花の女神で、センサスの男たちにとっては憧れの的であった。戦争でアスラに助けられたことで、忠誠を誓い部下となった経緯を持つ。アスラに恋焦がれているが、「花と契ると短命になる」という自身にまつわる謂れを苦にしている。恋敵であるイナンナとは彼女の性格もあってか嫌っており、イナンナもまたアスラの側にいるサクヤを快く思っておらず、アスラの見えないところで女の争いを繰り広げていた。 スパーダ(デュランダルの記憶)によれば、真面目でひたすら尽くすタイプで一途な女性であったらしく、最終的にはアスラが幸せになるならと自ら身を引いたらしい。アスラもサクヤが自分に向ける想いには気づいていたようだが、その想いに応えることはなくイナンナへの愛を貫いたという。 叶わなかったアスラへの愛はチトセに強く引き継がれており、それがチトセの運命を大きく変え、また破滅へと導くことになった。現世でのチトセは前世のように「アスラを影から見守る」ということを嫌い、積極的にルカに近づこうとした。しかし、結局は彼女の想いはルカに届く事はなく、同じアスラの転生者であるマティウスの部下になり、ルカ達と敵対することになる。 シアン・テネブロ (Sian Tenebro) 声 - 沢城みゆき 13歳 / 身長162cm / 体重50kg 戦災孤児になったところをマティウスに助けられ、以降マティウスに心酔している少年。マティウス以外には心を閉ざしている。番犬の「ケル」と「ベロ」を連れていることもあってか、ルカ達からは「犬男」というあだ名で呼ばれている。難しい言葉がわからない。前世は地獄の番犬ケルベロス。 動物が虐待されたり動物が捨てられるこの世界に不満を抱いている。マティウスの口車に乗せられて動物と人が共存できる世界を創ろうと努力していたが、天空城でマティウスの真意を知り、彼女を裏切る。犬のケル、ベロと共に産まれてきたことや、ケルとベロが凶暴だったことが原因で周囲から忌まれ続けたため、人間を嫌っている。その反面、人の愛情に餓えていて、無視されると拗ねてしまったり、アンジュに抱きしめて欲しがったり、エルマーナに抱擁されたりする一幕がある(前世であるケルベロスも孤独な生涯を送っていたため、シアンは前世でも現世でも愛情を知らずに育った)。後にマティウスから彼女の目的の真相を聞いて離反し、その後はイリアの故郷であるサニア村で、イリアの両親に世話になっている。 小説版では、幼少の頃孤児院の神父に毒入りケーキを食べさせられ(ケルとベロのおかげで毒入りであることに気づいたが神父を信じたかったためにそれを食べた)虐待されたという過去がある。 「テネブロ」はラテン語で「闇」を意味する。ケルベロス (Cerberus) 声 - 沢城みゆき シアンの前世。「創世力」と呼ばれる強大な力を守護する犬の姿をした三つ首の番人。見た目はケルベロスというよりも狛犬に似ており、気が抜けんばかりに愛くるしい姿をしている。シアンによるとこれは生まれ変わって間もなかったためであり、成長すれば恐ろしい獣の姿になるはずだったらしい。語尾に「わん」とつける。「創世力」は噛み心地がいいらしく、アスラが「創世力」を手にしたときにはそれを残念がっていた。たとえ何回死のうと、またケルベロスに生まれ変わるため、その場から離れることが出来ない。それゆえ孤独であり、たとえ自分に危害を加えるつもりのない者でも追い払わなくてはならなかった。創世力を無理矢理奪おうとした者をひとり残らず殺してきたが、決して自分から手を出すようなことはしない。創世力は「作り変えた世界を責任持って治めることのできる者」に渡すと決めており、天上界を統一したアスラに約束通り譲り渡した。
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