都道府県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 07:20 UTC 版)
制度
議決機関
- 議会 - 事務局
都道府県に納める税
廃置分合
都道府県を合併したり、新しく都道府県を設置したりすることを「廃置分合」といい、次のように分けられる。
- 複数の都道府県を廃止して、新たに都道府県を設置する(合体)。
- 一の都道府県を廃止して、その区域を他の都道府県の区域とする(編入)。
- 一の都道府県を廃止して、その区域に複数の都道府県を設置する(分割)。
- 都道府県の区域の一部を分けて、都道府県を新設する(分立)。
廃置分合については、都道府県の設置・廃止を伴わずに区域のみを変更する「境界変更」(市町村の所属都道府県の転属を含む)と併せて、地方自治法第6条及び第6条の2に規定されている。
廃置分合の原則的な手続き
法律による(第6条第1項)。この法律は、憲法95条に定める「一の地方公共団体のみに適用される特別法」(地方自治特別法)であると解されるので、関係都道府県において住民投票を行い、それぞれ過半数の賛成を得なければ効力を生じない(詳細な規定は地方自治法第261条・第262条)。
合体と編入の例外
平成16年法律第57号による改正で、簡略な方法による合体・編入の手続きが新設された。
- 複数の都道府県を廃止して、その区域全部に新しい都道府県を設置するとき
- 一の都道府県を廃止して、その区域全部を他の一の都道府県の区域とするとき
に限って、
- 関係都道府県の議会の議決により申請し、
- 国会の承認を経て内閣が定める。
という手続きによることができるようにしたものである(地方自治法第6条の2)。
これは、長野県山口村が岐阜県中津川市に編入する際に、都道府県にまたがる市町村の合体(新設合併)には法律の制定が必要なこと(後述)がクローズアップされたことや、道州制導入の前段としての自主的な都道府県合併を促す必要があるとの趣旨で設けられたものである。
廃置分合と知事・議会議員
- 合体の場合、関係都道府県の知事と議会議員は失職し、新しく設置された都道府県で知事選挙と議員選挙が実施される。
- 編入の場合、編入された都道府県の知事と議員は失職するが、編入をした都道府県の知事と議員は失職しない。
- 分割の場合、廃止される都道府県の知事と議員は失職し、分割後に新しく設置された都道府県で知事選挙と議員選挙が実施される。
- 分立の場合、分離前の都道府県の知事と議員は失職せず、分離されて新しく設置された都道府県で知事選挙と議員選挙が実施される。
境界変更
都道府県の境界変更も、廃置分合と同じく法律(地方自治特別法)によることを原則とするが、次のような場合は「自ら変更する」こととなっている(地方自治法第6条第2項)。
- 都道府県の境界でもある市町村の境界に変更があったとき
- 都道府県の境界にわたって市町村の設置があったとき
この2つの場合においては、関係する市町村・都道府県が、それぞれ議会の議決を経て申請し、総務大臣が定めることとなる(第7条第3項)。
- 従来地方公共団体の区域に属しなかった地域を市町村の区域に編入したとき
市町村の境界変更と同じく、市町村の区域に変更があったことに伴う変更であるからである。
所属都道府県の変更
一の市町村又は一の郡の全体が他の都道府県に編入されるときも、都道府県の境界変更であり、法律によることとなる(昭和25年9月9日付け)。
都道府県にまたがる市町村の合体
異なる都道府県に所属する市町村が廃止され、その区域に市町村が設置される場合は、関係する市町村・都道府県が、それぞれ議会の議決を経て申請し、総務大臣が定める(第7条第3項)。
従来、都道府県の境界を越える市町村の合体(複数の市町村を廃止して、その区域に新たに市町村を設置すること)にも、第6条第1項により、新たに制定される法律によるものとされていた(昭和28年6月29日付け 自行行発第195号)。
そのためもあり、2005年(平成17年)の長野県山口村と岐阜県中津川市との合併は、中津川市への編入という形をとることになった。それを契機として、平成16年法律第57号による改正により、都道府県の境界にわたる市町村の境界変更の手続きと同様の簡易な手続きによることとされた。
過去に分割論があった地域
1876年(明治9年)に大規模合併が実施された県では分割運動が起こって再度分割された県も存在するが、1888年(明治21年)末に香川県が愛媛県から分立されて以来、都道府県の分割又は分立は実施されていない。
しかし、都道府県の分割を求める声が市町村長や都道府県知事やネット上などで見られるが結局は具体的な動向もなかった。ここでは、市町村長や都道府県知事が県の分割や分離を示唆していた都道府県を挙げる。
- 福井県
- 2006年(平成18年)3月上旬に、嶺南(若狭地方)に当たる敦賀市長(当時)や小浜市長(当時)が「(もし道州制が敷かれる際に、)嶺北(越前地方)が北陸州へ入るなら、嶺北とは縁を切っても近畿州へ入る」と発言し、嶺南の福井県からの脱退を示唆していた。
- 長野県
- 筑摩県が分割されて長野県に編入されて以来、分割を求める動きが度々出ている。両県の合併後、県内地理教育唱歌として作られた「信濃の国」が事実上の県歌として広く歌われ、県民意識統合の象徴とされた(1968年、正式に県歌として制定)。
- 兵庫県
- 五畿七道(五畿八道)のうち畿内・山陰道・山陽道・南海道に跨り(47都道府県中最多)、令制国では摂津国・丹波国・但馬国・播磨国・美作国・備前国・淡路国の7ヶ国に跨り(北海道の11ヶ国に次ぐ)、それぞれ異なる歴史や風土を持っているために分離論があった。7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家と形容された「ユーゴスラビア」になぞらえた「ヒョーゴスラビア」という渾名さえある[10]。
- 北海道
- 北海道は、九州7県や東北6県よりも広大だが、北海道知事は一人しかいない。「知事一人では広大な北海道の地域の課題に目が行き届かない」「県庁と市町村の距離が短くなり、地域の実情に合った弾力的な行政対応ができる」として、複数の県に分割する構想が出ていた[11]。2016年(平成28年)1月7日の毎日新聞で、北海道議会の「自民党・道民会議」が私的機関「北海道分県研究会」を設立し、道を複数の県に分ける「分県」案についての議論を開始したと報じられた[11]。8月10日の北海道新聞で、同研究会のまとめた報告書の素案が報じられ、「北海道分県研究会」会長の喜多龍一道議が内容を公表している[12]。研究会では、病院・診療所などの医療機関や大学・短大など教育機関の約4割が札幌市にあるなど、経済・行政・文化的機能が一極集中している現状を改善することを目指していた[13]。研究会の参加メンバーからは、北海道新幹線を九州新幹線と比較すると、九州では知事7人が連携したためすぐ伸びたとの分析があり、北海道新幹線がなかなか伸びないのは、知事が1人だけしかいないせいではないかという意見も出ており、発言力の弱さが指摘されている[11]。研究会会長の喜多龍一道議は、「九州には7人の知事、県議会議長、経済団体トップがいる。まとまって動いた時のパワーを想像してもらいたい」と述べており、分県によって知事・県議会議長・経済団体トップが増えることで、北海道の全国的な存在感が高まるということがあった[14]。
- 当初は「札幌県、函館県、釧路県、旭川県」の4分割案と「道南県、道央県、道北県、オホーツク県、十勝県、釧路・根室県」の6分割案が出ていたが[11]、「県の自立力保持」の観点から難しいと判断された[12]。共同通信の報道によると、研究会は、2016年11月11日、「道央県・道南県、道北県、道東県」の3分割案(必ずしも振興局単位の分県になるとは限らない)と「道東県とそれ以外」の東西2分割案を盛り込んだ報告書を高橋はるみ知事(当時)に提出した[12][13]。分県には住民投票で道民の過半数の同意を得て、特別法を制定する必要がある[13]。かつて北海道では、1882年(明治15年)2月8日の開拓使廃止から1886年(明治19年)1月26日の北海道庁設置まで、「札幌県、函館県、根室県」の3県と農商務省北海道事業管理局が置かれた三県一局時代があった。
都道府県一覧
地図上の配置を示す。北海道と沖縄県は別枠とした。
上の地図で不明瞭、または省略されている主な離島の所属は以下の通り。
- 択捉島、国後島、色丹島 - 北海道
- 礼文島、利尻島、奥尻島 - 北海道
- 佐渡島 - 新潟県
- 伊豆諸島、小笠原諸島 - 東京都
- 隠岐諸島 - 島根県
- 淡路島 - 兵庫県
- 備讃諸島 - 岡山県、香川県
- 芸予諸島 - 広島県、愛媛県
- 防予諸島 - 山口県、愛媛県
- 対馬、壱岐、平戸島、五島列島 - 長崎県
- 天草諸島 - 熊本県、鹿児島県
- 甑島列島 - 鹿児島県
- 薩南諸島(大隅諸島、トカラ列島、奄美群島) - 鹿児島県
- 琉球諸島(沖縄諸島、先島諸島)、大東諸島 - 沖縄県
地方別
以下に現代の日本の初等教育で扱われる地方区分ごとに分類した都道府県の一覧を示す。このほかの地方区分については日本の地域を参照。
島嶼 | 地方 | 都道府県 | |
---|---|---|---|
北海道 | 北海道地方 | 北海道 | |
本州 | 東北地方 | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 | |
関東地方 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 | ||
中部地方 | 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 | ||
近畿地方 | 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 | ||
中国地方 | 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 | ||
四国 | 四国地方 | 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 | |
九州 | 九州・沖縄地方 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 |
基礎データ
ISO | 都道府県 | 読み | 都道府県庁所在地 | 最大都市 | 旗 | 地方 | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
市町村数 | 国会定数 衆 / 参 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01 | 北海道 | ほっかいどう | 札幌市 | 札幌市 | 北海道 | 5,224,614 | 83,424.44 | 66.6 | 179 | 12 / 6 | |
02 | 青森県 | あおもりけん | 青森市 | 青森市 | 東北 | 1,237,984 | 9,645.64 | 128.4 | 40 | 3 / 2 | |
03 | 岩手県 | いわてけん | 盛岡市 | 盛岡市 | 東北 | 1,210,534 | 15,275.01 | 79.3 | 33 | 3 / 2 | |
04 | 宮城県 | みやぎけん | 仙台市 | 仙台市 | 東北 | 2,301,996 | 7,282.29 | 316.1 | 35 | 6 / 2 | |
05 | 秋田県 | あきたけん | 秋田市 | 秋田市 | 東北 | 959,502 | 11,637.52 | 82.5 | 25 | 3 / 2 | |
06 | 山形県 | やまがたけん | 山形市 | 山形市 | 東北 | 1,068,027 | 9,323.15 | 114.6 | 35 | 3 / 2 | |
07 | 福島県 | ふくしまけん | 福島市 | 郡山市 | 東北 | 1,833,152 | 13,784.14 | 133.0 | 59 | 5 / 2 | |
08 | 茨城県 | いばらきけん | 水戸市 | 水戸市 | 関東 | 2,867,009 | 6,097.39 | 470.2 | 44 | 7 / 4 | |
09 | 栃木県 | とちぎけん | 宇都宮市 | 宇都宮市 | 関東 | 1,933,146 | 6,408.09 | 301.7 | 25 | 5 / 2 | |
10 | 群馬県 | ぐんまけん | 前橋市 | 高崎市 | 関東 | 1,939,110 | 6,362.28 | 304.8 | 35 | 5 / 2 | |
11 | 埼玉県 | さいたまけん | さいたま市 | さいたま市 | 関東 | 7,344,765 | 3,797.75 | 1,934.0 | 63 | 15 / 8 | |
12 | 千葉県 | ちばけん | 千葉市 | 千葉市 | 関東 | 6,284,480 | 5,157.57 | 1,218.5 | 54 | 13 / 6 | |
13 | 東京都 | とうきょうと | 東京都区部 | 東京都区部 | 関東 | 14,047,594 | 2,194.03 | 6,402.6 | 62 | 25 / 12 | |
14 | 神奈川県 | かながわけん | 横浜市 | 横浜市 | 関東 | 9,237,337 | 2,416.11 | 3,823.2 | 33 | 18 / 8 | |
15 | 新潟県 | にいがたけん | 新潟市 | 新潟市 | 中部 | 2,201,272 | 12,583.96 | 174.9 | 30 | 6 / 2 | |
16 | 富山県 | とやまけん | 富山市 | 富山市 | 中部 | 1,034,814 | 4,247.58 | 243.6 | 15 | 3 / 2 | |
17 | 石川県 | いしかわけん | 金沢市 | 金沢市 | 中部 | 1,132,526 | 4,186.21 | 270.5 | 19 | 3 / 2 | |
18 | 福井県 | ふくいけん | 福井市 | 福井市 | 中部 | 766,863 | 4,190.52 | 183.0 | 17 | 2 / 2 | |
19 | 山梨県 | やまなしけん | 甲府市 | 甲府市 | 中部 | 809,974 | 4,465.27 | 181.4 | 27 | 2 / 2 | |
20 | 長野県 | ながのけん | 長野市 | 長野市 | 中部 | 2,048,011 | 13,561.56 | 151.0 | 77 | 5 / 2 | |
21 | 岐阜県 | ぎふけん | 岐阜市 | 岐阜市 | 中部 | 1,978,742 | 10,621.29 | 186.3 | 42 | 5 / 2 | |
22 | 静岡県 | しずおかけん | 静岡市 | 浜松市 | 中部 | 3,633,202 | 7,777.35 | 467.2 | 35 | 8 / 4 | |
23 | 愛知県 | あいちけん | 名古屋市 | 名古屋市 | 中部 | 7,542,415 | 5,173.07 | 1,458.0 | 54 | 15 / 8 | |
24 | 三重県 | みえけん | 津市 | 四日市市 | 近畿 | 1,770,254 | 5,774.49 | 306.6 | 29 | 4 / 2 | |
25 | 滋賀県 | しがけん | 大津市 | 大津市 | 近畿 | 1,413,610 | 4,017.38 | 351.9 | 19 | 4 / 2 | |
26 | 京都府 | きょうとふ | 京都市 | 京都市 | 近畿 | 2,578,087 | 4,612.20 | 559.0 | 26 | 6 / 4 | |
27 | 大阪府 | おおさかふ | 大阪市 | 大阪市 | 近畿 | 8,837,685 | 1,905.32 | 4,638.4 | 43 | 19 / 8 | |
28 | 兵庫県 | ひょうごけん | 神戸市 | 神戸市 | 近畿 | 5,465,002 | 8,401.02 | 650.5 | 41 | 12 / 6 | |
29 | 奈良県 | ならけん | 奈良市 | 奈良市 | 近畿 | 1,324,473 | 3,690.94 | 358.8 | 39 | 3 / 2 | |
30 | 和歌山県 | わかやまけん | 和歌山市 | 和歌山市 | 近畿 | 922,584 | 4,724.65 | 195.3 | 30 | 3 / 2 | |
31 | 鳥取県 | とっとりけん | 鳥取市 | 鳥取市 | 中国 | 553,407 | 3,507.14 | 157.8 | 19 | 2 / ※ | |
32 | 島根県 | しまねけん | 松江市 | 松江市 | 中国 | 671,126 | 6,707.89 | 100.1 | 19 | 2 / ※ | |
33 | 岡山県 | おかやまけん | 岡山市 | 岡山市 | 中国 | 1,888,432 | 7,114.33 | 265.4 | 27 | 5 / 2 | |
34 | 広島県 | ひろしまけん | 広島市 | 広島市 | 中国 | 2,799,702 | 8,479.65 | 330.2 | 23 | 7 / 4 | |
35 | 山口県 | やまぐちけん | 山口市 | 下関市 | 中国 | 1,342,059 | 6,112.54 | 219.6 | 19 | 4 / 2 | |
36 | 徳島県 | とくしまけん | 徳島市 | 徳島市 | 四国 | 719,559 | 4,146.75 | 173.5 | 24 | 2 / ※ | |
37 | 香川県 | かがわけん | 高松市 | 高松市 | 四国 | 950,244 | 1,876.78 | 506.3 | 17 | 3 / 2 | |
38 | 愛媛県 | えひめけん | 松山市 | 松山市 | 四国 | 1,334,841 | 5,676.19 | 235.2 | 20 | 4 / 2 | |
39 | 高知県 | こうちけん | 高知市 | 高知市 | 四国 | 691,527 | 7,103.63 | 97.4 | 34 | 2 / ※ | |
40 | 福岡県 | ふくおかけん | 福岡市 | 福岡市 | 九州 | 5,135,214 | 4,986.51 | 1,029.8 | 60 | 11 / 6 | |
41 | 佐賀県 | さがけん | 佐賀市 | 佐賀市 | 九州 | 811,442 | 2,440.69 | 332.5 | 20 | 2 / 2 | |
42 | 長崎県 | ながさきけん | 長崎市 | 長崎市 | 九州 | 1,312,317 | 4,130.98 | 317.7 | 21 | 4 / 2 | |
43 | 熊本県 | くまもとけん | 熊本市 | 熊本市 | 九州 | 1,738,301 | 7,409.46 | 234.6 | 45 | 4 / 2 | |
44 | 大分県 | おおいたけん | 大分市 | 大分市 | 九州 | 1,123,852 | 6,340.76 | 177.2 | 18 | 3 / 2 | |
45 | 宮崎県 | みやざきけん | 宮崎市 | 宮崎市 | 九州 | 1,069,576 | 7,735.22 | 138.3 | 26 | 3 / 2 | |
46 | 鹿児島県 | かごしまけん | 鹿児島市 | 鹿児島市 | 九州 | 1,588,256 | 9,187.06 | 172.9 | 43 | 4 / 2 | |
47 | 沖縄県 | おきなわけん | 那覇市 | 那覇市 | 沖縄 | 1,467,480 | 2,282.59 | 642.9 | 41 | 4 / 2 |
注釈
- ^ 大規模な境界変更としては1893年(明治26年)に多摩地方が神奈川県から東京府へ編入された事例があるが、府県自体の設置や廃止は伴っていない。
- ^ ただし厳密には、法律案には北海道と沖縄県については記載がない。なお、当時の北海道は府県制とは別の「北海道地方費」が公法人で、北海道庁が統治していた。また「沖縄県」は1879年(明治12年)に発足したが、1909年(明治42年)までは他県のような府県制が施行されていなかった。
- ^ 地名部分を維持したまま種別のみ変更されたものについてのみ変更前まで遡っている。地名部分が同じ県が一旦廃止されている場合は復活したときの庁舎。東京・京都・大阪の郡としては江戸城・二条城・大阪城の郡を記した。
- ^ a b c 大分と宮崎は県設置より後で県庁所在地名を郡名に合わせて改称している。秋田も明治に入ってからの郡名への改称だが、県設置より前である。
- ^ 栃木県庁の移転を参照。
- ^ 埼玉県設置時には岩槻が県庁所在地に予定されていたが浦和に仮庁舎が設置され、岩槻に移転することなくそのまま浦和が県庁所在地として定着した。浦和は埼玉郡ではなく足立郡である。
- ^ 県庁所在地であった浦和市が大宮市、与野市と合併して成立した市である。後に、当初の県庁所在予定地であった岩槻市を編入している。
- ^ 新宿区も旧東京市の一部であり、現在の都庁の所在地は旧淀橋区で、東京市編入前は豊島郡(後の南豊島郡⇒豊多摩郡)であった。
- ^ 市町村名としての「神奈川」は消えたが、現在は横浜市「神奈川区」が県名の根拠地に存在する。
- ^ a b 石川県は現在の県庁所在地ではない美川(現・白山市)の所属郡が根拠であるが、現在の所在地の金沢も同じく石川郡内である。
- ^ 第1次府県統合以降に庁舎所在地の「郡の名称」を県の名称とした事例で県として現存しないもの(一旦廃止されて異なる県の名称で復活したものを含む)は磐井県・置賜県・磐前県・新治県・印旛県・入間県・足柄県・新川県・足羽県・筑摩県・額田県・度会県・犬上県・飾磨県・北条県・深津県・小田県・名東県・三潴県の19例(深津県→小田県は庁舎移転による改称なので正味18県)ある。
- ^ 前橋市内の現群馬県庁所在地は、律令以来群馬郡に属していたが、明治初期には実質的に勢多郡と一体の地域に含まれており、最終的にはそれに合わせて郡が再設定されたので、ここでは「現在の所在地の郡の名称ではない」に該当するものとみなした。
- ^ 県名の根拠である庁舎所在地が実際の所在地ではない事例は第1次府県統合から第2次府県統合までの間には多く、現存しない例としては予定地名を用いた水沢県・印旛県・深津県や隣接地名を用いた木更津県・浜田県などがある(短期間で齟齬が解消されるなど、該当するかどうかが自明でない事例が多いため、全てを過不足なく列挙することは困難)。
- ^ 「都市の名称」でも「郡の名称」でもない地名が用いられた現存しない事例は、第1次府県統合以降では石鉄県・神山県・白川県の3例ある。ほかに七尾県の例では「都市の通称=城の名称」が用いられている。
- ^ 具体的には、令制国全体が旧幕府領であった佐渡県、飛騨県、甲斐府、戊辰戦争の戦後処理の役割もあった越後府、比較的狭い範囲に多数点在していた直轄地(主に旧旗本領)を管轄していた河内県、摂津県、三河県があり、類例として武蔵知県事、常陸知県事、下総知県事、上総安房知県事があるが、佐渡県が第1次府県統合まで残ったのを除いて、廃藩置県よりも前に名称の変更や統合で無くなっている。
出典
- ^ ただし、東京都はprefecturesに含まれるが、Tokyo Metropolisと表現する。
- ^ 市町村数を調べる|政府統計の総合窓口(2020年10月29日閲覧)
- ^ 塩野宏、行政法Ⅲ第3版、137頁、有斐閣、2006年
- ^ “府県廃置法律案(解散ノ為提出ニ至ラサリシモノ)”. 国立公文書館 デジタルアーカイブ. 独立行政法人 国立公文書館. 2020年12月31日閲覧。
- ^ 竹永三男「第一次桂太郎内閣下の府県廃合計画と福岡世徳・松江市長の上京活動 (松江市史研究1)」『松江市史研究』第1巻、松江市教育委員会、2010年3月、3-31頁、2023年4月25日閲覧。
- ^ “日露戦争関連年表”. 日露戦争特別展. 国立公文書館 アジア歴史資料センター. 2021年1月2日閲覧。
- ^ 日本経済新聞社・日経BP社. “北関東3県は「宇都宮県」に 幻の28道府県案|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2020年12月19日閲覧。
- ^ 齊藤忠光 2013, p. 17.
- ^ 国会議事録第6回衆議院地方行政委員会10号(昭和24年11月25日)門司委員、あるいは国会議事録第38回参議院文教委員会9号(昭和36年03月09日)矢嶋三義など多数
- ^ “兵庫ってヒョーゴスラビア連邦 SNS投稿に反響”. 神戸新聞. (2018年8月25日) 2018年12月19日閲覧。2018年8月の記事だが、文中には「"ヒョーゴスラビア"は数年前にもネット上で話題になった」との記述もある。
- ^ a b c d “北海道"分県論"が浮上 「新幹線が伸びないのは知事が1人しかいないせい」という指摘も”. ハフポスト (2016年1月8日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ a b c “北海道の未来に、熱く!” (PDF). 喜多龍一. 2021年9月6日閲覧。
- ^ a b c “北海道分県案を知事に提出 道議有志「3ないし2県」”. jp.sputniknews.com. 2021年9月5日閲覧。
- ^ “もしも北海道が4県になったら 自民道議ら「分県」提言:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年9月5日閲覧。
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- ^ “「北海道はなぜ“北海”と略さないのか?」#シラベルカ2”. NHK札幌放送局 (2020年4月14日). 2022年12月30日閲覧。
- ^ 柴田武『生きている日本語』講談社、1988年、237-239頁 ISBN 978-4-06-158835-6
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