大学院 大学院の概要

大学院

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/20 08:30 UTC 版)

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概要

大学の中に学部研究科が置かれており、大学院では専攻分野の大きな括りを「研究科」、研究科の分野を細分化したものを「専攻」と呼んでいる。大学院には「修士課程博士前期課程)」「専門職学位課程」「博士課程博士後期課程)」があり、各課程を修了し、かつ所定の基準を満たした場合に、修士、専門職学位、博士の学位が授与される。

米国カナダにおいては学部レベルの部局とは別に大学院レベルの教育を行う部局として "graduate school" が設置されている大学が多い。一方で多くの英語圏諸国(オーストラリア、カナダ、アイルランドインドバングラデシュニュージーランド英国)では各専門部局において学部教育と "postgraduate education" と呼ばれる大学院教育が同時に行われている。

大学院に通う学生を、アメリカ英語イギリス英語では"graduate students"と呼ぶ。またイギリス英語では "postgraduate students"、"postgraduates"、"postgrads"と呼ばれることがある。日本では大学院生院生)などと呼ばれる。

Advanced Degree(上級学位)をとるための制度はによって多少異なる。日本やアメリカなど多くの国では大学院に学生として所属し、必要な履修受講した講義の単位を修得した上で論文を書き、学位を取得するのが通常である。一方で、ドイツなどでは博士取得を目指す者は、教員に指導を受けるとしても、学生となる(学籍登録し授業料を払う)とは限らない。日本においても、学生として大学に所属せずに論文を書き、大学に提出して審査を経て博士の学位を取得する論文博士の制度が残されている。

また、大学院は教育だけでなく、大学における研究活動を行う機関である。研究及びこれを通じた高度な人材の育成に重点を置き、世界で激しい学術の競争を続けてきている大学グループとして、RU11がある。RU11の構成大学は、北海道大学東北大学東京大学早稲田大学慶應義塾大学名古屋大学京都大学大阪大学九州大学筑波大学東京工業大学の11大学である[4]

政府の統計によると、文系理系の合算データでは40歳代以上で年収700万円以上の労働者の比率は大学の学部出身者で30%、大学院出身者が50%以上である[5]

歴史

1876年アメリカ合衆国ジョンズ・ホプキンス大学に世界で初めて「大学院」が設置された[6]

日本では、1880年明治13年)に東京大学の3学部に設置された「学士研究科」が大学院の起源とされる[6]1886年(明治19年)の帝国大学令により、帝国大学は「分科大学」(後の学部)と「大学院」とで構成されると規定され、各帝国大学に大学院が設置されていくことになる。また、1887年(明治20年)の学位令により、博士号の授与が行われるようになった。1918年大正7年)の大学令により、帝国大学以外にも大学が設置可能となった。だが帝国大学が学部と「大学院」とで構成されるのに対し、帝国大学以外の大学は学部と「研究科」で構成されることになり、「大学院」の設置は認められなかった[7]

太平洋戦争後に新制大学になって、大学院の設置が旧帝国大学以外でも可能になった。1947年(昭和22年)制定の学校教育法は第62条および第65条~第68条等で大学院について規定している[8]

1974年(昭和49年)には文部省令として大学院設置基準が定められた[9]

1991年文部科学省大学審議会が、大学院の量的整備の緩和を答申した。それまで研究者養成機関と考えられていた大学院に、高度職業人を養成するための夜間大学院専門職大学院などが加わり、院生の数が大幅に増加した。

2003年(平成15年度)に、専門職において修士課程相当の教育を行う専門職大学院の制度が作られて以降は、学部を持たず大学院を置く大学(いわゆる大学院大学)も増加した。


注釈

  1. ^ 医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程(当該課程に係る研究科の基礎となる学部の修業年限が6年であるものに限る)または獣医学を履修する博士課程への入学については18年。
  2. ^ その修了者が当該外国において、16年の課程を修了したとされるものに限る。
  3. ^ その教育研究活動等の総合的な状況について、当該外国の政府または関係機関の認証を受けた者による評価を受けた者、またはこれに準ずる者として文部科学大臣が別に指定する者に限る。
  4. ^ 医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程または獣医学を履修する博士課程への入学については5年。
  5. ^ 当該外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより、当該課程を修了することおよび当該外国の学校教育制度において位置づけられた教育施設であって、前号の指定を受けたものにおいて課程を修了することを含む。
  6. ^ 修業年限が4年以上であること、その他の大臣が定める基準を満たす者に限る。
  7. ^ 医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程、または獣医学を履修する博士課程への入学については24歳。
  8. ^ これは、作曲作品や楽器の演奏が論文ではないためである。

出典

  1. ^ アーカイブされたコピー”. 2012年8月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年9月23日閲覧。
  2. ^ http://wordnetweb.princeton.edu/perl/webwn?s=graduate%20school
  3. ^ OECD 2014, pp. 22–23.
  4. ^ RU11とは”. 学術研究懇談会. 2016年11月21日閲覧。
  5. ^ (年齢,従業上の地位・雇用形態,所得,男女,教育別有業者数)
  6. ^ a b 『大学・高等教育の経営戦略』(日本教育経営学会) 69頁
  7. ^ 『現代大学の変革と政策: 歴史的・比較的考察』(喜多村和之 著) 87頁
  8. ^ 学校教育法(昭和二十二年三月二十九日法律第二十六号)文部科学省(2018年10月25日閲覧)。
  9. ^ a b 中央教育審議会 > 新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-中間報告 > 新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-附属資料 > 3.大学院の目的・役割文部科学省(2018年10月25日閲覧)。
  10. ^ 修士課程・博士課程(前期)の入学資格について:文部科学省”. www.mext.go.jp. 2022年1月29日閲覧。
  11. ^ 学校教育法 | e-Gov法令検索”. elaws.e-gov.go.jp. 2022年1月29日閲覧。
  12. ^ 大学院設置基準第3条第1項
  13. ^ 大学院設置基準第4条第1項
  14. ^ 専門職大学院設置基準第2条第1項
  15. ^ 学校教育法第104条第1項
  16. ^ 学校教育法第104条第2項
  17. ^ 学校教育法第99条第2項
  18. ^ 学校教育法第100条
  19. ^ 大学院設置基準第5条
  20. ^ 学校教育法第100条ただし書き
  21. ^ 研究大学強化促進事業
  22. ^ 学校教育法第85条
  23. ^ 学校教育法第103条
  24. ^ 東京大学大学院学則第2条第2項および同条第3項
  25. ^ 平成30年度「卓越大学院プログラム」の選定結果文部科学省(2018年10月3日)2018年10月25日閲覧。
  26. ^ 「適性試験」という日本語訳については、以下の資料による。中央教育審議会 > 大学分科会 > 大学院部会 > 大学院部会(第55回)配付資料 > 資料6 Qualifying examsについてのコメント【菅委員提出資料】文部科学省(2018年10月25日閲覧)。
  27. ^ このような分野では外国語は必修である。”. music.northwestern.edu. music.northwestern.edu. 2020年12月7日閲覧。
  28. ^ かつてはDMだったが、いまはPh.D。”. books.google.com. books.google.com. 2020年12月7日閲覧。


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